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あるネットゲームで少女と出会った話  作者: 雲隠れ
1章 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
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香草の香り

スパイスさんはいい人だ。

修練に必要なものがあれば貸してくれるし、ダンジョンへの誘いも断らない。

はじめたての初心者にも気さくに話しかけてくれる。


星矢さんはあんなことを言っていたが、少なくとも気になることはなにもない。

ギルド員の中でのムードメーカー的な存在だ。


魔「今日もギルド員勧誘してくるよ。」

スパイス「女子も友人ちゃんが増えて、二人になったしもう一人くらいいるとバランスがいいよねー。」


なるほど、スパイスさんも男臭い我がギルドでは、はっちゃけにくいだろう。

よしここは一肌脱いで、スパイスさんの為に頑張ろう。


先日仮面さんと一緒に勧誘した初心者はめでたく新しいギルドメンバーとして入会した。

その子の友達も連れての入会だったので一気に二人増えた。

しかし、非常に残念ながらどちらも育ち盛りの男の子ということで、ギルドの男臭さはアップした。


本日は大変不本意ながら魔法使いさんと二人でギルドの勧誘を狼広場で行なっていた。

作戦はこうだ、僕が狼にやられそうになっている初心者を探し、そこにたまたま通りかかった風を装い

颯爽と魔法使いさんが目立つ魔法で助ける。そしてその後、ギルド員の待つ広場へ連行しハンコを押させるのだ。

完璧だな。


しばらく待っていると早速、初心者カモが現れた。

なんと都合のいいことに女の子キャラである。

魔法使いさんに合図を送ると、既に奴は準備万端だった。


ユニコーンにまたがり、バッチリと一番いい装備を着込んだ魔法使いさんは

颯爽と狼の群れへと向かって言った。

そして大量の獣どもを土の染みへと帰ると、初心者さんに話しかけた。


魔「大丈夫ですかお嬢さん。」


あれ、これなんかデジャブ感じるわ。

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上手いこと女子初心者さんを捕まえた魔法使いさんと一緒に広場に戻った。

そこで初心者さんのお話を伺うと、このゲームを始めたばかりでゲーム自体の経験が

あまり無いこと、一人で始めたのでわからないことだらけで困っていることを教えてくれた。

それであればしばらくだけでも、うちのギルドで色々覚えていくといいという話になり晴れて入会となった。


スパイスさんを見つけたので早速報告した。

僕「やりましたよスパイスさん!これで女子が増えて寂しく無いですね!」

スパイス「うんうん、そうだねー。団長つい最近まで寂しそうで気になってたからほんとよかったよー。」

僕「寂しいからナンパとか、魔法使いさんはチャラいっすな。」

スパイス「うーん、でもやっぱ女子友も欲しかったんじゃ無い?」

僕「・・・ ・・・へっ?」

スパイス「いや、だから女子友。あー、君はまだ知らなかったね。団長男キャラ使ってるけど中身女の子だよ。」

僕「・・・ ・・・あれ、でもギルドに女子は友人入れて二人って、あれ?」

スパイス「ふふふっ、私は男だよ⭐︎」


ギルドで一番可愛い格好をした人は男で、ギルドで一番キザな男装の麗人は女の子でした。

聞いてねーぞ。



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