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あるネットゲームで少女と出会った話  作者: 雲隠れ
1章 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
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殻の向こう側

星矢さんの話をしておこう。

彼のことをかつてこのように例えた。

”剣士なのか、かなり大きな剣を持った男キャラで12星座をテーマにしたアニメの主人公みたいな名前をしている。”


そして今までで接して来てわかったことを追記する。

”かなり高慢に見えるが、繊細なタイプの人間”

自分のことを上に見てもらいたいし、下に見られるて侮られることをひどく恐れている。

その根源になにがあるのか、人間性がどうなのか。そんなことは僕が知る必要のないことであると共に、知るべきでもない。

ただ、必要なことは彼に対して敵意の無い人間であると思ってもらいたいということだ。


嫌いな人と仲良くするのは簡単だ。相手の希望に合わせてあげるだけでいい。

こちらの希望など最初からないのだから。

でも相手に求めるところがある、有り体に言うと好きな人に対しては難しい。

何故かといえば相手に対して自分の求める関係や、認めてほしい欲求があるからだ。

そう言う意味で僕にとって星矢さんはやりやすいタイプの人間だった。

なぜ過去形で言うかといえば、彼自身は早々にこのギルドを辞めてしまったからだ。


理由は簡単、高校受験。

そして彼がこのゲームを離れる際にとある命題のヒントを置いていってくれた。

それは別に意図していなかったものであったが僕は今でも彼にその部分では感謝をしている。


星矢「折角ギルドメンバーも増えているこの時期に辞めるのは心苦しいが、リアルは優先だからな。」

僕「そうですよね、リアル大事です。また時間ができたら是非戻って来てくださいね。

  その時には絶対今よりも星矢さんに追いつけるように頑張ります!」

星矢「おう、頑張れよ。」

星矢「あ、そうだスパイスさんいるだろ。」

僕「はい、いつもお世話になってます(笑」

星矢「スパイスさんには気をつけろよ。あの人はああ見えて… …。」

僕「ちょっとくわしく。」

星矢「俺の口からはいえないんだ。まぁそのうち本人に聞くだろう。俺から一つ言えるのは

   できれば女子のギルメンを増やしてやって欲しいってことだ。ギルマスのためにな。」

僕「はぁ… …。よくわかりませんが頑張りますよ!」


そしてこれ以後星矢さんと二人で話すことは無かったし、そのゲームをしている間に会うことは無かった。

”スパイスさんに注意しろ。”


それが星矢さんの最後のセリフだった。




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