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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第九章 青年期前半 皇竜氷王の娘編 〜俺の精霊はただの精霊じゃなかった〜
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第三の師匠との出会い

 フィアーナの眷属になって、約半年が経ち、今は三月の下旬。


 眷属になったから、怪我もすぐに治るだろうと思い、魔術で出した氷の針で肘の裏(採血でされる場所)に刺してみた。

 すると、普通に血が出て、すぐに治らない、どころか治り始める気配もない。

 少し見ていると、ユキちゃんが現れて、治癒をかけた。

 「やっぱり、リョウタ様が傷つくお姿は見たくありません」って言われた。

 そう言われて、俺はそろそろ奥さんになってもらおうと思った。

 どんな風に言おうか、悩んで今に至るんだけど。


 フィアーナは……というと、覚醒してからというもの、行為してるときに、瞳を潤ませて、「血、ちょうだい?」とお願いしてくる。それが可愛くてやばい。



閑話休題。


 俺は今、ユキちゃんとキャスティアの街の外を歩いている。

 あの眷属になった翌日の晩に神様が「キャスティアの街の外に住むシエラに会え」と言われたからだ。



「あっ。あれじゃね?」



 少し歩いていると村にある家みたいな建物が木々に囲まれていた。



「はい。あの家だそうです」



 ユキちゃんは微精霊に確認を取って、言った。

 ここらは魔力が多いから微精霊たちがたくさんいる。

 ユキちゃんは精霊王なので、声をかければ、知ってることなら教えてくれるそうだ。


 俺はその建物に近づき、中にいる人を呼んだ。



「すいませ〜ん!」


「何の用だ?」



 黒っぽい紫の髪に、紫の瞳の胸がたわわな女性が出てきて、ボサボサの髪を掻きながら、めんどくさそうに聞いてきた。

 彼女は灰色のパジャマを着ている。

 寝起きだろうか?



「なにも用がないのならーーん? 精霊王か?」



 女性は扉を閉めようとして、ユキちゃんに気づいた。



「はい、そうです。

この子はユキ。

私の契約精霊です。

私はリョウタと言います」


「そうか。

精霊王と契約しているお前が私に何の用だ?」


「俺を鍛えてください。

お願いします」


「どうして私なんだ?」


「創造神様に言われたんです。

強くなりたいのならシエラさんって人に会えと」


「じゃあ、少しここで待っていてくれ」


「はい」



 彼女は家の中に入って行った。

 少しすると戻ってきた。

 戻ってきた彼女は、左の瞳が緑色になっていた。

 右はさっきと同じ紫。


 彼女は緑色の瞳で俺を見てきた。



「ああ、転生者か」


「えっ? なんで分かるんですか?」


「鑑定薬を使ってるからだ」


「鑑定薬? それってなんですか?」


「後で教えてやるから、左手を出してくれ」


「は、はい」



 俺は左手を前に出した。

 すると、彼女はその手を掴み、自分の顔の前に移動させ、契約指輪をじっと見つめた。



「お前、二代目真祖の夫なんだな」


「それも鑑定薬の力ですか?」


「ああ。中に入ってくれ」



 彼女は家の中に入ろうとした。



「えっと……」


「はぁ、鍛えてやるから入ってきてくれと言っているんだ」


「あ、ありがとうございます」


「ありがとうございます」



 俺はユキちゃんと頭を下げて、中に入って行った。



ーー


「私はシエラ。キャスティア族だ。

キャスティアの街で魔術講師をしている」


「さっきも言いましたが、リョーー」


「リョウタ・クールウィンド。

歳は十六。転生者。

氷属性、結界魔術、そして、無属性魔術に適正あり。

スキル『魔力成長』を持っている」


「なっ!?」


「今のも鑑定薬の力だ。

普通のでは名前、歳、種族、得意な魔術が視えるだけだけどな。

試しにこれを持っていくといい。

お前の妻がどれだけすごいか分かる」



 そう言って、シエラさんは俺に目薬の容器みたいなのを渡してきた。



「一滴片目に垂らして、強化すれば視える」


「えっと、無属性魔術ってなんですか?」


「魔力そのものを使った魔術のことだな。

魔力の球『魔弾』、魔力を一つに束ねて放つ『魔力砲』、魔力を固めて攻撃を防ぐ『障壁』とかのことを言う」



 魔王って呼ばれるようになる魔法少女の魔法だよな。



「無属性魔術は属性魔術より難しい」


「どうしてですか?」


「属性魔術はこの魔術はこのくらいの魔力量と決まっている。

だが、無属性魔術は決まっていない。

調節が難しいんだ。

まぁ、少しの魔力で放てるし、供給する魔力量を多くすれば、威力も増す。属性魔術よりもずっとな。

それに非殺傷にもできるしな。

だから、調節は難しいが、調節ができるようになれば、とても使える魔術だ」


「俺にできるでしょうか?」


「適正があるんだから、安心してればいい」


「分かりました。じゃあ、早速ーー」


「今日はしない。

久しぶりの休みなんだ。

四月の下旬の土の日からする。

だから今日は帰ってくれ」



 俺はシエラさんに抱えられ、外に出された。



「またな」



 彼女はそれだけ言って、扉を閉めた。



ーー


「ただいま!」



 居間に入ると、ティリルがソファに座って、洗濯物をたたんでいた。



「あれ? もう帰って来たんだ?」


「うん。鍛えてくれるんだけど、来月下旬の土の日からするから今日は帰ってくれって、言われて、帰って来たんだ」


「そうなんだ」


「うん。

で、フィアちゃんたちは?」


「仕事だよー」


「えっ? 二人で依頼受けに行ったの?」


「そ。身体動かしてないとリョウタのこと、考えちゃうからってねー」


「そっか」



 俺はティリルの手伝いをして、二人が帰ってくるのを待つことにした。






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