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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第六章 青年期前半 幸せ編2 〜あいさつと初夜〜
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結成、冷炎剣姫

「じゃあ、リル、行ってくるね」


 俺はティリルに言った。

 今日はギルドに行く。クロネの冒険者登録をするためだ。



「行ってきますのキスしないんだ?」



 ティリルはつまらなさそうに言った。



「ごめん。忘れてた」


「私のことはどうでもいいんだ?

フィアとクロネだけ大事なんだね。

これは契約破棄かな」


「謝りますし、キスしますので

それだけはほんと勘弁してください。

昨日のでティリルさんがいないと

生きていけなくなっちゃったんです」


「クロネもできることなんだから、

私じゃなくてもいいんじゃないかな?」


「そうだけど。

リルお姉ちゃんがいいんです。

だから、離婚だけはやめてください」


「ふーん。

嫌なのは離婚だけなんだ?

相手されないのはいいんだ?」


「それも嫌です。

いつも通りかべったりがいいんです。

ほんと、ごめんなさい。

もう忘れません。

リルをおいて出掛ける時は必ずします。

起きた時と寝る前もします。

だから許してください」


「嘘だよっ」



 ティリルは俺に抱きついた。



「は?」


「昨日までの私への気持ちと

変わったのかなって気になったのと

行ってきますのキス、忘れられたことへの腹いせに

からかったんだよー」



 彼女は笑顔で言った。



「じゃあ、離婚しないの?」


「する訳ないよー。

私がリョウタのこと、大好きなの知ってるよね?

昨日の夜からもっと好きになったんだよ。

だから何があっても

私はリョウタの妻で君だけのものだかんね」


「バカリルっ」



 俺はそう言って、リル姉を抱きしめた。



「俺、マジで離婚されるかと思った」


「ごめんね」


「もう今みたいなのはやめて」


「分かったよ、もうしない」


「好きだよ、ティリル」



 そう言って、俺はティリルに口づけした。



「行ってきます」


「行ってらっしゃい。

フィアとクロネも行ってらっしゃい」


「うん。行ってくるね」


「リル、一人で大丈夫?」


「クロネ、心配してくれてあんがとね。

でも大丈夫だよ。リョウタの結界があるかんね」


「そうだった。じゃあ、行ってくる」


「気をつけてねー」



 ティリルは笑顔で送り出してくれた。



ーー


「二人とも待って」



そのままギルドへ行こうとした二人を呼びとめた。



「なに?リョウちゃん」


「どうかしたの?」


「えっと、外は危ないから手繋ごっかなって」


「ここは街の中だから魔物は現れないから

大丈夫」


「それに私とクロネちゃんは魔物相手なら

まず負けることないよ」


「いや、そうじゃなくて。

二人とも美少女だから、

せ、性的な意味で危ないから繋ぎたいんだ」


「び、美少女じゃない」


「クロネちゃんはそうだけど、

わ、私はそんな可愛くないし」

「フィアまで」

「狙うよ。

フィアちゃん、すごく可愛いし、

おっぱいも大きいんだから。

クロネちゃん」


 さっきから顔を真っ赤にしてるクロネに話しかける。


「な、なに?」

「フィアちゃん、可愛いよね?」

「うん。可愛い。

私が男だったら惚れてしまうと思う」

「ほら」

「わ、分かったよ」


 そう言って、俺の右手を握るフィアーナ。


「クロネちゃんも」

「う、うん」


 クロネは俺の左手を握った。




ーー




「クロネちゃんってギルド、初めてだよね?」


 フィアーナが聞いた。


「うん。

リュートに出会うまでは村にいたし、

フィアに会いに来る以外、

リュートの屋敷から出なかったから」



 二人の会話を聞いていると、剣と杖が交差した絵が描かれた看板の建物ーー冒険者ギルドにたどり着いた。


 ギルドに入り、受付に直行する。

 受付をしているのは見憶えのある栗色の髪をした犬耳女性だ。



「あの、この娘の登録とパーティ申請、お願いします」

「はい。では、こちらの用紙にご記入ください」


 犬耳女性は二枚の用紙を取り出し、受付の机の上に置いた。


「こちらが登録用紙、こちらがパーティ申請書になります。

あちらの席でご記入頂いて、書き終えられたら、

私のところまで持ってきてくださいね」

「分かりました」


 そう返事して、フィアーナとクロネの二人と空いている席に向かった。




「クロネちゃん、字書ける?」

「アリシアに教えてもらったから、大丈夫」


 そう答えて、クロネは俺が差し出そうとした登録用紙を手に取った。

 そして、彼女は椅子に腰掛けて、登録用紙に記入し始めた。

 大丈夫そうだな。

 そう納得し、パーティー申請書に目を通す。

 申請書の欄は大きいのが一つ、普通の大きさのが七つある。


「リョウちゃん」


 隣に座っているフィアーナが呼んだ。


「ん?」

「私もフィアーナ・クールウィンドに変えたい」

「は?」

「クロネちゃんが、ほら」


 フィアーナに促され、俺の正面にいるクロネの用紙を見た。

 すると、氏名の欄にクロネ・クールウィンドと記されていた。


「クロネちゃん」

「なに?」

「名前だけでいいんだよ」

「家名書いたらダメだった?」

「ダメじゃないけど、なんで書いたの?」

「リョウタの妻だって

証明できるものがほしくて、書いたの」


 クロネの頭を撫でる。

 嬉しかったからだ。


「じゃあ、家名付きに変えられるか聞いてくる。

フィアちゃん。

俺とフィアちゃんのギルドカード貸して」

「はい」


 俺はフィアーナから二枚のギルドカードを受け取り、受付に向かった。



「あの、家名付きに変更できますか?」


「大丈夫ですよ。ギルドカードをお借りしますね。

あっ!やっぱりだ」


「どこか変なんですか?」


「いえ、そうじゃなくて。

私のこと覚えてませんか?」


「見憶えはあるんですけど

どこで会ったかが思い出せなくて」


「そうですよね。四年くらい前のことですし。

私はゲンムで受付していたマロンです」


「あー!」


「思い出してくれました?」


「登録の手続きしてくれて、依頼をいくつか選んでくれたお姉さんですよね?」


「そうです。

黒瞳の人で白い髪に赤い瞳の女の子を連れてるから

リョウタさんかなって思ってたんですよ。

あのエルフの方は?」


「家にいます」


「家?」


「あの、言いづらいんですけど、結婚したんです」


「どこが言いづらいんですか?」


「フィアとあの一緒にきた子とも結婚したんです」


「な!?妻が三人も!?」



 マロンさんは叫んだ。その瞬間、ギルドの中、全ての視線が俺に集中した。



「ちょっと!声が大き過ぎます」


「すいません。妻が三人なんてレアですよ。

初代勇者は四人でしたけど」


「だから言いづらいんですよ。

ていうか、ギルドには俺とあの二人で来るので

妻が二人いるってことにしてください」


「分かりました。それでは家名つけますね」


「二つともクールウィンドでお願いします」


「クールウィンドですね?」


「はい」


「分かりました。すぐに済みますからね」



 マロンさんは机の下からメカチックなペンを取り出した。

 そして彼女は小声で詠唱した。するとギルドカードが光り出した。そのギルドカードに彼女はなにかを書き込んでいく。書き込みきるとマロンさんは一つの単語を言った。するとギルドカードの光が治った。

 そして同じようにフィアのカードにも書き込んだ。



「はい。お終いです」


 マロンさんからギルドカードを受け取り、確認すると両方、名前の後ろにクールウィンドと記されていた。



「ありがとうございます」


「はい」



 俺は二人がいる席に戻った。



「はい、フィアちゃん」


「ありがと。ふふっ、ほんとにリョウちゃんの奥さんになったんだね」



 フィアーナは自分のギルドカードを見て、嬉しそうに言った。



「その家名が消えないように、

嫌われないようにしなきゃ」


「私たちがリョウちゃんを嫌いになる訳ないよ」


「そう。私たちはずっと側にいる」


「だから安心して?」



俺は二人を抱きしめた。



「二人とも最高の奥さんだよ。ずっと大事にするからね」


「リョウタ。みんな見てるから放して。

家帰ったらまた抱きしめていいから」



 見回すとギルド内全ての視線がささっていた。



ーー


「パーティ名、どうしよう?」



 パーティ申請書に三人の名前を書き終えるとフィアが言った。



「まずリーダーを決めた方が」


「えっ?リョウちゃんじゃないの?」


「俺!?」


「そう。リョウタは旦那様だから」


「分かった」



 俺の名前を書いた氏名の欄にチェックを付けた。



「パーティ名は蒼炎剣姫ってどうかな?」


「「そうえんけんき?」」


「蒼い炎に剣の姫って書いて蒼炎剣姫。

フィアたんは蒼い炎を使うし、

クロネたんは剣を使うでしょ?」


「じゃあ、姫はどこからきたの?」


「それはクロネたんは月姫の家系ってことと

真祖は吸血鬼のお姫様だからだよ」


「そっか。でもこの中にリョウちゃんを表す字ないよ?」


「別に俺はいいよ」


「ダメ」



 用紙に記入しようとしたら、クロネに用紙を取られた。



「ちょ、なにやってんの?クロネちゃん」


「三人で頑張るのに、リョウタが入ってないのはおかしい」


「それに青い炎はほとんど使わないんだよ?」


「じゃあ、一番最初の文字を冷気の冷にして、

冷炎剣姫ってのは?」


「氷じゃないの?」


「冷気をぶつける魔術を使うからだよ」


「スライム粉々にしちゃった魔術、実用できるくらいになったんだね」


「う、うん」


「はい、リョウタ」



 クロネが用紙を渡してきた。それを受け取り、『冷炎剣姫』と記入した。



「じゃあ、出しに行こっか?」



 二人を連れてマロンさんのとこに向かった。


 クロネの登録を終えて、マロンさんはパーティ申請書に目を通して、聞いて来た。



「これ、なんて書いてあるんですか?」


「れいえんけんきです」


「分かりました。確認しますね。

パーティ冷炎剣姫、

リーダー、リョウタ・クールウィンドさん。

メンバー、二名

フィアーナ・クールウィンドさん、

クロネ・クールウィンドさんですね?」


「はい」


「では登録しますが、時間がかかりますから

依頼は明日からになってしまうかもしれません」


「はい。分かりました。じゃあ明日来ますね」



 そう言って俺たちはギルドを後にした。



ーー


「家、帰らないの?」



 フィアーナが聞いてきた。



「まだだよ。二人のマジックポーチ買わなきゃ」



 話していると魔道具の店に着いた。

 マジックポーチは魔道具に入る。

 容量が決まっているマジックポーチを買って、店を出て、帰路についた。

 俺のマジックポーチは巾着だが、買ったものは皮でできた直方体だった。


 その後、二人を家において、俺は妻三人への結婚してくれたことへの感謝を込めたプレゼントを買いに行った。





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