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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第六章 青年期前半 幸せ編2 〜あいさつと初夜〜
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ティリルとの夜

加筆修正中。

「おかえりっ」



 寝室に入ると、リル姉に抱きつかれた。



「ただいま」


「遅かったね。

私のこと忘れて、

フィアたちといちゃいちゃしてたんだ?」


「忘れてはないけど、うん。

二人と抱き合ってた。

ごめん」


「やっぱりー。

罰として、匂い嗅ぐかんね」



 彼女はそう言って、俺の首に鼻を近づけた。



「はぁ、やっぱりリョウタの魔力、好きだなー」


「リル姉は本当に俺の魔力好きだよね」


「魔力が、じゃなくてリョウタ本人が好きなんだよ。

だからリョウタの魔力の匂いが好みじゃなくても

番になってってお願いしたかんねー」


「そうなの?」


「そ。座って話したいから、ベッド行こっか?」


「うん」



 俺が返事すると、リル姉は俺の手を引いて、ベッドに向かう。

 ベッドに腰掛けるのかと思いきや、ベッドに上がるティリル。

 


「えっと、リル姉?」


「ん?」


「腰掛けるんじゃないの?」


「腰掛けないよ。

私たち今からえっちするんだから。

ほら、おいで」


 ベッドの中央に座っているリル姉が両手を広げた。

 

「いいの?」


「いいに決まってるよ。

ほら、お姉ちゃんの胸に飛び込んでおいで」


 俺はベッドに上がり、抱きついた。


「にひひ、いらっしゃい。

匂い嗅いでいいかんね」


「嗅がねえよ」


「残念だなー。

それでなんだっけ?」


「俺の魔力が好みの匂いじゃなくても、

番になってってお願いしたって話。

それって本当?」


「ほんと、ほんと。

好みの魔力の持ち主は諦めかけてたかんね。

私は顔が可愛くて、優しい人が好みだから、

この条件に合った人と番になろうって思ってたんだ。

そんな時にリョウタとフィアが

小屋の前に現れたんだよ。

リョウタは可愛かったし、

フィアの手をギュッと握っていたから

きっと優しいんだろうなって思って、

この子となろうかなって思ってたんだ。

だから好みの魔力じゃなくても、

遅かれ、早かれ、今の関係になってたよ」


「そっか」


「私、フィアとクロネに嫉妬してるんだ」



 リル姉は一息おいてから俯いて言った。



「ごめん」


「ううん。リョウタを責めてる訳じゃないんだ。

嫉妬し始めたのはリョウタと再会した時からで、

それまでは偶に相手してくれるだけで

十分だなって思ってたんだ。

でもリョウタがフィアといちゃいちゃしたり、

クロネを撫でたりしてると

すごく嫌だって、悔しいって思っちゃうんだ。

ダメだよね。リョウタと番になれたんだから

それで満足しなきゃダメなのに。

それにフィアは自分だけを奥さんにしてほしかったのに

私たちまでなっちゃったんだから、思っちゃダメなのに。

私はひどいーー」



 俺はティリルを抱き寄せ、口づけし、言葉を遮った。



「ティリルはひどくない。

こんなに想わせて、二人を構う俺の方がひどいよ」


「そんなことないよ。

フィアとクロネはリョウタの好みなんだから

二人を構うのはしょうがないことなんだよ」



 ティリルは涙を流しながら言った。



「ティリルは好みじゃない訳じゃないんだよ」


「えっ?」


「ティリルは俺の好みだよ。

好みじゃなきゃ契約しないよ」


「で、でも二人だけが好みなんじゃ?」


「フィアーナとクロネはすごく好みで、

ティリルもすごくはないけど好みだよ」



 ティリルは両手で涙を拭って、笑顔になった。



「そっか。

好みじゃないのに契約してくれたんだって思ってた」


「ごめん。何度もチャンスあったのに

言わなくて」


「いいんだよ。

今、教えてくれたんだかんね。

私、みんなが修業し始めた日にね、

フィアとクロネはリョウタの好みになるって

ふと思ったんだ。

だから二人と同じくらい愛してもらうには

どうしたらいいんだろって考えた。

リョウタの理想になればいいんじゃないかなって思って、

私は三年間を君の理想になれるよう頑張ってたんだ。

リョウタは緑色が好きだから

服を緑にしたんだよ。

髪型もリョウタが好きなのにしたんだ。

他にも、メイドの技術を身につけたんだ」



 そう言うとティリルは俺の手首を掴み、自分の胸に触れさせた。



「私の体、リョウタの好きにしていいから、

何年、何十年、死ぬまでずっと愛してほしいんだ」



 俺はティリルを抱きしめた。



「うん、死ぬまで愛する。

めちゃくちゃたくさんティリルを抱く。

子どもが生まれても」


「約束だかんね」


「うん」


「リョウタ」


「なに?」


「私、リョウタが好きなんだ。

こげ茶色の髪、黒い瞳、

声、魔力の匂い、

すぐ顔に出ちゃうところ、

私たちのことを考えてくれるところ。

その全部が大好きなんだ。

そんな大好きな君と番になれてすごく幸せだよ。

リョウタの理想になれるようにもっと頑張るから、

十年、百年、二百年経っても、抱いてね」


「ティリル」



 俺は口づけしようとして、唇に人差し指をあてられて、止められた。



「まだ大事な話があるから、少し我慢して?」



 俺が頷くと、人差し指が退けられた。



「私たち三人とも亜人でしょ?

亜人は、長命だから子どもが出来にくいんだ。

そして人族とだったら、もっと出来にくい。

だから、下手したら

誰も産んであげられないかもしれないんだ。

ごめんね」


「いいよ。俺はみんなと一緒にいたいし、

えっちがしたいから契約したんだよ」


「欲しくないんだ?」


「ううん、ほしいよ。

でもいなくてもいいよ。

心配しまくるし、

ちゃんとお父さんできるか自信ないしね」


「そっか。でも私たちはすごく欲しいんだ」


「俺、頑張るから。

ティリルをちゃんとお母さんにする」



 そう言った瞬間、ティリルがキスしてきた。

 そして、彼女は俺の口内に舌を入れ、絡めた。

 


「……はぁ、リョウタ、好きだよ」



 そう言って、彼女は俺をベッドに押し倒した。


 



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