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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第一章 幼年期 〜今世の母は銀髪ハーフエルフ〜
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1-5 ハーフエルフとの講義 その1


「リョウくん」


 洗いものをしているアクアさんの後ろ姿を眺めていると、彼女が名前を呼んできた。


「なに?」

「ママね、いろんなこと知っておいた方がいいと思うの」


 知識は大事だもんな。


「だから、今日からお勉強、始めてもいいかな?」


 振り向いて、聞いてくるアクアさん。


「うん、いいよ」

「よし。それじゃあ、ちょっと待っててね」


 手をタオルで拭くと、彼女はそう言って、リビングから出ていった。

 



 少しすると、アクアさんが戻ってきた。

 彼女は一冊の本を持っている。


「おまたせ、リョウくん」


 そう言うと、彼女はこっちにやってくる。

 そして、持ってきた本をテーブルの上に置き、俺の隣に座った。

 

 

「今日は種族について教えるね」


 種族か。

 エルフと猫耳以外にどんなのがいるんだろう?


「この本を見ながら、お勉強しようね」


 そう言って、アクアさんは持ってきた本を開き、一ページめくった。

 一ページ目は目次だから、めくったんだと思う。


 開いたページには、左に人族と表記されたサブタイトル、その下に説明、右に男女の正面から見た姿、後ろ姿、顔のアップが描かれている。

 やっぱり濃い外国人顔だな。


「まずは人族。町の人ほとんどがこの種族だよ。

寿命は八十年だけど、世界で一番多いの」


 八十年って現代日本とほぼ変わらないんだな。

 治癒魔術と状態異常回復魔術があるからかな?


「人族は自分たち以外の種族ーー亜人が嫌いなんだ」

「なんで嫌いなの?」


 エルフは美人だらけだし、猫耳とか可愛いのに。


「発展させてくれた世界神を封印したから」

「世界神?」

「うん。

封印した魔神と亜人すべてを憎んでるの。

詳しくは今度お話するね」


 そう言うと、アクアさんはページをめくった。



 開いたページには、人族と同じ構図で、エルフについて書き描かれている。

 

 右ページに描かれている男女は耳が尖り、美形で、スレンダーな体型をしている。

 女性はスレンダーなのに巨乳だ。


「これはエルフ。

耳が尖ってて、美人さんで、

背が高くて、すらっとした種族なの」


 アクアさんが容姿を説明してくれる。


「長くて、尖ってるんじゃないの?」

「それはハイエルフ。

普通のエルフは尖ってるだけだよ」


 耳が長くて、尖ってるのはハイエルフだけなんだな。


「それで、エルフは属性、治癒、状態異常回復の三つの

魔術が得意なんだよ。

魔力感知で、人間や動物の気配を感じられるんだ。

寿命は五百年。ハイエルフは千年ね」

「俺の寿命ってどうなのかな?」


 アクアさんがハーフエルフだし。


「普通の人族よりは長いと思うよ。

ママは半分エルフだし、

レオくんも少し入ってるらしいからね」


 えっ? 初耳なんだけど。


「父さんってエルフ入ってるの?」

「うん。

レオくんのご先祖様にエルフと夫婦になる人が

多かったらしいし、

お祖母ちゃんがエルフなんだって」


 なるほど。

 レオンさんは濃いクォーターエルフなんだな。

 だから、二次元レベルのイケメンなのか。


「そうなんだ。

それじゃあ、俺の寿命、わりと長そうだね」

「そうだね。エルフよりは短いけどね」


 それじゃあ、ダメだよ。

 エルフを奥さんにしたいんだから。


「あの、母さん。

エルフさんと結婚して、俺が寿命で死んじゃったら、

そのエルフさんはひとりぼっちになるの?」

「大丈夫だよ。契約するから」


 微笑んで、俺の頭を撫でるアクアさん。


「契約?」

「うん。亜人はね、結婚するときに契約するの。

契約すると、寿命が同じになるんだよ。

だから、リョウくんがエルフさんと結婚しても、

そのエルフさんが一人ぼっちになることはないよ」

「そっか」

「うん」


 そう返して、アクアさんはページをめくった。



 開いたページにはイデルフという聞いたことのない種族について書き描かれている。


 右ページの上半分に描かれた男性は、背が高く、たくましい肉体で、ひげをたっぷりたくわえていて、渋い。

 下半分に描かれた女性は、人族の男性より頭一つ背が低くて、胸は逆に爆乳レベルの大きさで、毛量の多い髪をしている。

 トランジスタグラマーってやつだな。


「これは、イデルフ。

力持ちな種族で、

武器とか金属でできるものを造るのが得意なの。

寿命は二百年ね。

でね、エルフとイデルフのことを妖精族って呼ぶの」


 力持ちで、鍛治が得意で、妖精族と呼ばれる。

 それ、ドワーフだよ。

 ていうことは、イデルフはこの世界のドワーフ的存在ってことか。


「なんで、妖精族なの?」

「エルフとイデルフが精霊とお話できるからだよ」


 そう答えると、アクアさんはページをめくった。



 開いたページには、獣族について書き描かれている。


 右ページ上半分に描かれている男性は犬の耳と尻尾が生えている。

 下半分に描かれている女性は猫の耳と尻尾が生えていて、巨乳だ。

 やっぱりいいな、猫耳の女の子。


「ふふっ、リョウくんって猫耳の女の子、好きなの?」


 猫耳女性の絵を眺めていると、アクアさんが聞いてきた。


「うん。

猫耳の可愛い女の子に『大好きだにゃん』って

言われるのが夢なんだ」

「そうなんだ。

あっ、いいこと思いついた。

リョウくん、見てて」


 そう言うと、アクアさんは立ち上がり、長い銀髪の両サイドを握った。

 即席のツインテールだ。

 ツインテのアクアさんもいいな。


「大好きだにゃんっ」


 アクアさんは笑顔で言った。

 

「好きです」


 彼女が可愛すぎて、反射的に発してしまった。

 恥ずかしい。


「い、今のは反射的に出ちゃっただけだから!」

「そんなによかったの?

ツインテールで『大好きだにゃん』」

「言う人が母さんだからよかった」

「もう。リョウくん、可愛すぎるよっ」


 そう言って、アクアさんは俺を持ち上げた。


「か、母さん!?」


 驚いている間に、向き合うような形で、ひざの上に座らされて、抱きしめられた。

 



 少し経ったのに、アクアさんが一向に離す気配がない。


「母さん。そろそろ勉強の続きしよ?」

「うん。続きしようね」


 そう言うと、向き合う形から背面になるように、俺の向きを変えて、自分が座っている椅子の向きを直した。


「えっと、このままするの?」

「うん、そうだよ」


 えー、恥ずかしいんだけど。


「これは獣族。

猫やオオカミとか動物の耳と尻尾を持った種族で、

聴覚と嗅覚が優れてて、身体能力が高いの。

寿命は百八十年。

でね、獣族にはたくさん種類がいるんだけど、

一番多いのは、右に描かれてる狼獣族と猫獣族だよ」


 多いから、絵に採用されたんだな。


「次のページ、いってもいい?」

「うん、いいよ」


 俺が答えると、アクアさんはページをめくった。



 開いたページには、竜族について書き描かれている。


 右ページに描かれている男女は、ドラゴンのツノ、翼、尻尾をそれぞれ側頭部、背中、腰から生えている。


「これは竜族。

ドラゴンのツノ、翼、尻尾を持った種族で、

戦うのが得意なの。

寿命は五百年ね」


 そう説明すると、アクアさんはページをめくった。



 開いたページには、魔人族という種族について書き描かれている。


 右のページには男性二人が描かれている。


 上半分に描かれている男性は、顔はエルフからこのページまでの種族と同じ二次元レベルだけど、それ以外は人族と変わらない容姿をしている。


 下半分に描かれている男性は超サ○ヤ人3のような長髪で、じゃばら模様のツノ、コウモリの翼、細長い尻尾がそれぞれ側頭部、背中、腰から生えている。


「これは魔人族。

人族と同じ姿とこの描かれてる姿ーー『デビルモード』の

二つの姿を持った種族で、

『デビルモード』になると、強くなるんだよ」


 強化形態ってやつだな。


「それで、魔人族は魔力量と魔術の腕前が

人族より優れてるの」


 そう言うと、アクアさんはページをめくった。


 

 開いたページには吸血族(ヴァンパイア)について書き描かれている。


 右に描かれている男女は口の端がキラリと光り、コウモリの翼が生えている。


「これはヴァンパイア。

ヴァンパイアは、鋭いキバを二本、持ってて、

飛ぶときだけ翼を生やす種族で、

イケメンさんや美人さんの血を吸うのが好きなの。

寿命は一応、三百年だけど、

それを過ぎても、ほとんど毎日、血を吸ってれば

死なないんだよ」


 そう説明すると、アクアさんはページをめくった。



 開いたページには、淫魔族(サキュバス)について書き描かれている。


 右のページには女性だけが描かれている。

 その女性は、牛のツノ、コウモリの翼、細長く、先がハートの形をした尻尾がそれぞれ側頭部、背中、腰から生えていて、胸は爆乳、お尻は安産型というグラマラスな体をしている。

 さすが、サキュバス。エッチだ。


「これはサキュバス。

ツノ、翼、尻尾を持ってて、女の人しかいない種族で、

みんな、おっぱいとお尻が大きくて、

男の人が大好きなの。

ヴァンパイアと同じように、寿命は一応、三百年だけど、

それを過ぎても、男の人が持ってる白いのを

毎日、体に取り入れてれば、死なないんだよ」


 そう言うと、アクアさんはページをめくった。



 開いたページには、キャスティアという種族について、書き描かれている。


 右のページに描かれている男女は、紫色の瞳をしていて、二次元レベルの顔をしている。


「これはキャスティア。

紫色の瞳を持った種族で、

魔術の研究や魔道具の開発をしてるの。

いろんな魔術が使えて、種族固有の魔術があるから、

最強の魔術師種族だっていわれてるんだよ」


 すげえな、キャスティア。


「それで、魔人族、ヴァンパイア、サキュバス、

キャスティアの四種族をまとめて、

魔族って呼ぶの。

そして、最初に言ったと思うけど、

人族以外の種族をまとめて、亜人って呼ぶんだよ」

「そうなんだ」


 亜人みんな、二次元レベルのイケメンと美人なのに、その亜人が嫌いだなんて、人族ってバカなんだな。


「種族についてはここまで」


 そう言って、アクアさんは種族の本を閉じた。


「まだページあったけど、いいの?」

「うん。次のページからは、

めったに出会わない種族だから、いいんだよ。

それじゃあ、洗濯物、干してくるね」


 そう言うと、彼女は本を持って、リビングから出ていった。






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