聴取
「まず、五年間のことを簡潔に教えてもらおうかな?」
「魔族領のエルフの里の近くに飛ばされて、
俺とフィアちゃんとリルちゃんで魔王城に行って、
むさ苦しい男子寮で三年間修業して
一昨日三人にプロポーズして、
それから旅の目的の家へ帰るっていうのを果たしに
戻ってきた」
「危ない目に遭った?」
「一回死にかけたけど
フィアちゃんが助けてくれたから大丈夫だった」
「ありがとう、フィアちゃん。」
「私は何となくしか覚えてないので」
「じゃあ、愛の力だね〜。
よし。クロネちゃんとティリルちゃんとの出会いと
プロポーズの言葉教えてもらおうかな〜?
どっちが第二夫人?」
「クロネです。」
「じゃあティリルちゃんから教えて。」
「はい。私が狩りから帰ってくると
小屋の前にリョウタとフィアが倒れていたので
中に入れて寝かせて見てたんです。
そして、しばらくすると好みの魔力の匂いが
リョウタからしてきて、
我慢ができなくなってキスしちゃいました」
「はぁ!?寝てる間にされてたのかよ!」
驚愕の事実!
「そうだよー。
それからリョウタが起きたから
魔力ポーションを飲まそうと思ったとき
またしたくなっちゃって
キスで飲ましちゃったんです。
人族だから嫌がられると思ったら
こんな綺麗なお姉さんエルフにしてもらえるなんてって
嬉しそうにしてたんです。
私も初めてだって言ったら
自分を大切に、
こういうのは結婚したい人にしてあげてって
言われました。
それから話した後に番になってとお願いすると
すぐ了承してくれたんです。
これが私とリョウタの出会いです。」
「そうなんだ〜。でプロポーズは?」
「えっと、
『ティリルを俺以外のやつに渡したくない。
俺だけのティリルでいてほしい。
ティリル、大好きです。結婚してください。』って
言われました。」
「リョウくんってそんなこと言うんだね〜。」
超恥ずかしいです。
「じゃあ、次クロネちゃんね。」
「あの、リョウタの前だと恥ずかしいです」
「そっか、じゃあ後で聞かせてね。
はい、フィアちゃん」
「私の時は二人きりで言われました。
フィアーナのことが好きなんだ。
フィアーナとずっと一緒にいたいし、
ずっと側にいてほしい。
弱くて、怖がりで泣き虫な俺だけど
結婚してください……って言われました。
そう言われた私は嬉しすぎて泣いてしまって
リョウちゃんは嫌だから泣いてるって誤解して、
私はすぐにその誤解を解いてから、
結婚しますと言いました」
「それで?」
「言ったら、抱きしめてくれて、絶対放さないからって。
それで私はずっと一緒にいてね、約束だよって言ったら
キスされました。
私もしたいって思って自分から重ねました。
それから時間を忘れて、何度もしてました」
「フィアちゃん、
そこまで言わなくてもいいんじゃ?」
「だって嬉しかったんだよ」
「そういうのは二人の秘密にしとこ?」
「分かった。これからは誰にも言わないよ」
「フィアちゃんっ」
俺はフィアちゃんを抱きしめた。
「ふふっ、
リョウくんは昔からフィアちゃん大好きだね〜」
「いや、セラちゃんも好きだし。」
「でも、寝言でフィアちゃんの名前だけ呼んでたよ〜?」
「リョウタって昔から寝言でフィアのこと
言ってたんだ?」
「旅してる時も言ってたの〜?」
「はい。フィアちゃ〜んって。
後、初めてはフィアとしたいって言ってました」
リルお姉ちゃん、やめて。
「ふふっ、昔は私と結婚したいって言ってたのに〜」
言わないでよ、アクアさん!
ーー
それから五年間のことを詳しく話していたら
夕方になった。
「もうご飯作らないと」
「「「手伝います」」」
フィアちゃん、クロネちゃん、リル姉が同時に言った。
「一人手伝ってくれればいいよ〜」
「私が手伝うから二人は休んでてね。
二人はリョウタを戦いで支えて
私は料理で支えるって決めたでしょ?」
「そうだけど……」
「私たちもできるから」
「じゃあ二人は今度手伝って。
今日はティリルちゃんに手伝ってもらうから
フィアちゃん、クロネちゃんは
リョウくんといちゃいちゃしててね〜」
「は、はい」
「じゃあお姉ちゃんお願い」
二人はまたソファに腰掛けた。
くっ。クロネちゃんが端に座ってくれたら
二人の間に座って二人と手繋げるのに。
そう思ったら、クロネちゃんと目が合った。
クロネちゃんはソファの端に移動した。
「リョウタ、ここ来る?」
フィアちゃんとクロネちゃんの間に手をおいて
聞いてきた。
「いいの?」
「いいよ」
俺は二人の間に座った。
「て、手繋いでいいかな?」
「いいよ」
「リョウちゃん、手繋ぎたかったの?」
「えっと、うん」
「手繋ぐくらい言えばしてあげる」
「そうだよ。私達もリョウちゃんと手繋ぎたいし」
「ありがとう。
俺、三人とも好きだけど
フィアちゃんとクロネちゃんは
すごく俺の好みだしいい子だから
めちゃくちゃ好き。
できれば二人と交互に毎日したいなって。
リルちゃんも好みじゃない訳じゃないけど」
「リョウタの好み」
クロネちゃんは照れながら言った。
「うん。そうだよ。
それに優しいし」
「優しい?」
「俺とフィアちゃんのこと想ってくれてるとこが優しい。
俺が我慢できるように二人に言ってくれるでしょ?
それにフィアちゃんのことを考えて
フィアちゃんを正妻にしたんだよね?」
「私はリョウタとフィアが好きだから
二人が幸せならそれでいいから。」
「そういうとこが優しいんだよ。
でもクロネちゃん自身のことも考えてほしい。」
「分かった。
じゃあ、一つだけお願い聞いてくれる?」
「いいよ。」
「毎日頭撫でてほしいの。」
「いいよ。約束ね」
「うん。約束」
俺とクロネちゃんは互いの小指を絡ませた。
すると袖を引っ張っられて
隣を見るとフィアちゃんだった。
「リョウちゃん」
「なに?フィアちゃん」
「私もリョウちゃんが好みだよ」
「わ、私もリョウタが好みだから」
「も〜、可愛いなっ」
俺は二人を抱き寄せ、頭を撫でた。
「三人でしたいな」
「「さ、三人で?」」
「えっ?俺今何て言った?」
「えっと、三人でしたいなって」
「あ、あの、えっと、してみたいだけだから
無理しなくていいから」
「そ、そっか。考えておくね」
フィアちゃんがそう言ったところで
リビングにイケメンが入ってきた。
入ってきた瞬間に母さんが飛んできて
抱きついた。
「レオく〜ん、おかえり〜」
「ただいま、アクア」
「リョウくんが三人も奥さん連れて帰ってきたんだよ〜」
「ただいま、父さん」
「無事だったんだ。良かった」
「うん」
「いつかは帰ってくるかなとは思っていたけど、
奥さんを三人も連れてくるなんて」
「最低な息子でごめん」
「なんでさ?奥さんがいいんならそれでいいと思うな、僕は。それより紹介してくれないかな?」
「うん。フィアちゃんは分かるよね?」
「分かるよ。久しぶりだね、フィアちゃん」
父さんは笑顔で言った。
やめて!イケメンなんだから
フィアちゃんが好きになったらどうすんの?
「お久しぶりです。
リョウちゃんの奥さんになりました」
「リョウタを頼むね」
「はい」
「で、この子がクロネちゃん」
「えっと、リョウタの妻のクロネです。
あの、よろしくお願いします」
「僕はリョウタの父のレオンだよ。よろしくね」
だから止めて。フィアちゃんとクロネちゃんは
絶対ダメ。リル姉もダメだけど。
「は、はい」
「もう一人は?」
「あー!ティリルちゃんに任せ放しだった。
私呼んでくる」
母さんはリル姉を呼びに言った。
時間ができたからユキちゃんが出てきて自己紹介しだした。
「はじめましてリョウタ様のお父様。
私はリョウタ様と契約した精霊のユキです」
「精霊王……だよね?」
「はい。そうです」
「精霊王に会っちゃったよ。
うちの家で精霊王見た人いないのに、
僕の息子と契約しているとか」
そう言って父さんは倒れそうになった。
俺とフィアちゃんが腕を引っ張ったから倒れなかった。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。少し目眩がしただけだから」
「レオくん、大丈夫?」
母さんが戻ってきて言った。
「ちょっと驚いただけだから心配ないよ」
「良かった〜」
「その子で最後だね」
「そうだね。リルちゃんだよ」
「はじめまして、義父さん。
ティリルっていいます。
エルフです。よろしくお願いします」
「よろしくね」
それからみんなで食事をしながらいろんな話しをした。
ーー
「明日はフィアちゃんの家に泊まるんでしょ?」
「うん。
でもクロネちゃんとリルちゃんはうちにいるよ」
「じゃあフィアちゃん、今から私と二人でお風呂入ろっか?」
「はい」
「明日はクロネちゃんとティリルちゃん入ろうね〜?」
「三人は無理じゃね?広さ的に」
「大丈夫。三人はいけるから〜。
だからリョウくんも私とフィアちゃんと入れるよ」
「ば、ばか!入る訳ないじゃん。
好きな女の子とお風呂なんて恥ずすぎるわ!
まず母さんと入る時点で無理」
「そうだったね。
私と入るとき、恥ずかしそうにしてたもんね〜。
恥ずかしいのに私の胸チラチラ見てたよね」
「言うなよ。母さんは美人で胸が大きいから
父さんが羨ましいなって思って
俺もかわいくて胸の大きい奥さんがほしいなって
思って見てただけだよ」
「やっぱりリョウちゃんも大きい方が好きだよね?
お姉ちゃんとクロネちゃんの方がいいよね?」
「そりゃあ大きいに越したことはないよ。
リルちゃんは美人でスタイルもいいし、
お姉ちゃんっぽいとこ、好きだよ。
クロネちゃんは猫耳と尻尾付いてるし
顔かわいいし、胸も大きい。
しかも綺麗な黒髪だから超好みだよ。
でもフィアちゃんも好みだよ。
雪みたいな髪と肌、
かわいい顔、ルビーのような赤い瞳、
控えめだけど、綺麗な形の胸、
フィアちゃんの全部好きだよ」




