表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第五章 青年期前半 幸せ編 〜再会とただいま〜
50/140

テンプレイベントとの遭遇

「じゃあ、行ってきます」


「ああ、行って来い」



 俺達は今人族領の東都の馬車乗り場にいる。

魔王様は人族領の東と北にゲートを開けるため、

一瞬でついた。

北からだと一日じゃ辿り着けないらしい。

ここからなら半日で村に行ける。

今から二時間くらい四人で揺られながら行く。


馬車に揺られていると、

俺の正面に座っているフィアちゃんが話し出した。



「お姉ちゃん」


「なに?」


「えっとね。みんなの家族に会って、

家に帰ってからリョウちゃんに抱いてもらうって

決めてたでしょ?」


「そだね。それがどうかした?」


「えっとね嫌な予感がするから

明日しようと思ってて、

後、明後日二人の家族に会うのを二日に分けて

クロネちゃんにさせてあげたいの」


「いいよ。で嫌な予感ってどんな?」


「お姉ちゃんの家族に会った後に

リョウちゃんが危ない目に遭う気がするんだ」


「あー、ルシルが何かしてくるのかな?」


「そ、それってリルちゃんの婚約者?」


「不本意ながらそうなんだ。

なんで知ってるのかな?

私話したっけ?」


「いや、リルちゃん美人だからいるのかなって」


「にひひ、美人って言ってくれてあんがとね。

でもエルフの中じゃ平均なんだよ」



隣に座っているリル姉は俺の頭を撫で始めた。



「リル、話の続きして」


「ごめんごめん。

ルシルは私の幼馴染なんだ。

彼は昔から私を舐めるように見てきてね、

お前は俺の女だって言って

族長の息子という地位を使って

私を婚約者にしたんだ」


「それって無理矢理?」


「そ。

私はすごく嫌いだし、苦手なんだよ。

そして私は里から出た方がいいと思い始めた頃、

ルシルに襲われたんだ」


「何されたの!?」


「服脱がされて、 体を(まさぐ)られたんだ。

なんとか逃げた私はそのまま里を飛び出してきちゃったんだよ」


「ひでぇ。女の子に無理矢理しちゃダメだろうが」


「許せない。お姉ちゃんにそんなことするなんて」



そういうとリル姉は俺を抱きしめた。

彼女の方を見ると彼女はフィアちゃんも抱きしめていた。



「二人とも怒ってくれてあんがとね。

でも里から出たおかげで

リョウタ、フィア、クロネの三人に出会えたんだから

いいんだよ」


「俺、優しくするし

みんなが嫌がること絶対しないからね。

それに危ない目に遭ったら絶対助けるって約束する」



そう言うと三人とも嬉しそうに笑った。



ーー



馬車は順調に村の近くの町に着いた。

そして歩いていると盗賊らしき奴ら三人が現れた。



「その女三人と金目のもの置いてけや。」



テンプレだな。



「親分、真祖がいますけどいいんでやんすか?」



あっ本当にフィアちゃん、真祖だって怖がられるんだ?

いや、信じてない訳じゃないよ。

ただ怖がられるの見たことなかったから

どう見たって超美少女なだけだよ。



「いいんだよ。よく見ろ。

顔と言い、体と言い、

あんな上玉なかなかいないぞ」


「おやびんなかなかお目が高い。

ですが、この子たち俺の妻なので

差し上げられないんですよ〜。

代わりと言っちゃあなんですが

この杖とマジックポーチを差し上げます。

このローブは妻にプレゼントしてもらったので差し上げられませんけど。」


「チッ。生娘じゃねーのかよ。

まぁいい。じゃあその白いのだけはいいぞ。

その獣族とエルフは置いてけ。」



あっ。抱いたってことになってる。

ごめんなさい。まだなんです。



「すいません。この子は俺以外の男が怖いし、

それにこっちの子は俺がいないと生きてけないので

無理ですね。」


「安心しろ。俺達がかわいがってやるから。」



その言葉と同時に後ろに四人仲間が現れた。

水戸黄門かよ!



「私の大切な人を穢らわしい目で

見ないでくれませんか?」



フィアちゃんが

声のトーンを落として言った。

言い終えると空中に火の槍が三本出現し、

次の瞬間、青白い火の槍に変わった。

クロネちゃんも何処に持ってたのか

刀の入った鞘が腰に携わっていた。



「うわっ。やっぱり真祖はやばかったんすよ!

親分、謝ってください。

誠意を見せれば許してもらえるっすよ。」


「俺はあのエルフを犯してぇんだよ!」



言ったな。

フィアさん、クロネさん、

死なない程度に痛めつけておやりなさい。



「クロネちゃん、後ろは任せたよ。」


「うん。いいけどフィアは?」


「私はあの人達を焼き殺す。」



いやいや、殺すのはちょっと……。

火の槍は三人めがけ飛んで行く。

一瞬でカタをつけるのかと思ったら

三人の足に刺さり、体を焼いていく。

三人は苦しんでいる。

何苦しませてんの?


「フィアちゃん、死んじゃうよ!」

「そうだね。死んじゃうね。」

「じゃあ「リョウちゃん。」な、何?」

「途中までは痛めつけるだけだなって思ってたけど。

聴いてたでしょ?あの人お姉ちゃんを犯したいって

私は許せなくなったからこうしているんだよ。

リョウちゃんだって許せないでしょ?」

「そうだけど。

どうせ殺すんなら一瞬でしてあげた方がいいよ。」

「リョウちゃんはやっぱり優しいね。

でもこの人達は盗賊だから

たくさんの女の子を犯してきたんだよ。

だから私は

ちゃんとその子たちの苦しみを

分からせるためにしているの。」

「フィアちゃん、ダメだよ。

人殺しはいけないことだけどこいつらは仕方ない。

だからって苦しませながら殺しちゃダメだよ。」

「なんで!?

この人達は嫌がる女の子を無理矢理犯して

苦しませたんだよ!」

「分かるけど。

でもそんなことフィアちゃんにしてほしくない。

フィアちゃんに魔術を教えたのは

こんなことさせる為じゃない。

俺がいない時の自衛手段の為に教えたんだよ!

こういう奴らは俺が分からせるから。

本当のことを言えば

フィアちゃんには人殺ししてほしくない。

でもそれは無理だから。

フィアちゃんは少しでも楽に死ねるように殺して。

クロネちゃんも同じだからね。」

「うん。分かった。クロネちゃん、一撃でね。」

「うん。」


そう言って苦しんでいる盗賊の首に

青白い火の剣が現れて三人の頭をはねた。

次の瞬間、後ろで何かが落ちる音がした。

振り返ると刀を鞘に収めるクロネちゃんと

距離が少し開いたところに死体が四つ。

その前に頭と血。


「うっ。」


俺は二人に人殺しさせてしまったんだよな?

俺は何もせずに。

そう思った瞬間、俺は吐いた。

倒れそうになった俺を

隣にいたリルちゃんが支えてくれた。


「リョウちゃん!?」「「リョウタ!?」」

「うぅ。ごめんな。人殺しさせて。」

「良いんだよ。こんな世界だから仕方ないよ。

リョウちゃんが謝らなくていいよ。」

「フィアの言う通りだから。

自分を責めなくていいから。」

「そうかもしれないけど、二人にさせたくないよ。」

「それはみんな思ってるよ。

私は三人にしてほしくないんだからみんな一緒なんだよ?

はい。この話は終わり。

早く行かないと日が暮れちゃうよ。」


そう言ってリルちゃんは俺をお姫様だっこした。


「り、リル姉!?」

「もー。リルちゃんでしょ?」

「いや、そんなことよりなんでだっこしてるの?」

「昨日甘えさせてくれたし、

私を姫抱きでベッドに寝かせてくれたんでしょ?

それにリョウタは私のお姉ちゃんっぽいところが

好きなんでしょ?

だからだっこだよー。」

「恥ずかしいよ。

その、二人もいるし、歩けるから。」

「二人に見られるの恥ずかしいんだ?」

「そ、そうだよ。俺は旦那さんだから降ろして。」

「じゃあ、今日一緒にお風呂入る?」

「もっとはずいわ!」

「恥ずかしがるリョウタはかわいいねー。」

「後で魔力全開で、き、キスだからな。」

「それリョウタがしたいだけじゃないのー?」

「べ、別にしたい訳じゃないんだからね。」

「リル、少ししたら交代だから。」

「二人だけずるい。

私もリョウちゃん、だっこしたい。」


何、言ってんだ。うちの嫁は!


「じゃあ、順番ねー。」

「もうやだ。」


俺は顔を両手で覆った。

で俺の家まで三人にたらい回しでお姫様だっこされ続けた。


フィアちゃんにだっこしてもらっている時にあの青い炎はどうやったのか訊いた。

火は酸素で燃えるから酸素を多くしたら威力が上がるかなってやってみたら青い炎になったそうだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ