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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第四章 少年期 修業編 〜修業は男子率の高い場所で〜
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魔王との謁見

「魔王様に事情を話してから

私が部屋の内側から扉を開けます。

それまでここでお待ちください」


 バセスさんはそう残して、観音開きの扉の中に入っていった。




「ひゃあっ」


 扉が開くのを待っているとフィアちゃんが可愛い声を出した。

 視線を向けると、リル姉が彼女をくすぐっている。


「ちょっ、リル姉、なにやってんの!?」


 俺が聞くとくすぐるのをやめた。


「くすぐってる」

「それは分かるよ。

なんでくすぐったの?」

「フィア、すっごく緊張してたかんね。

くすぐって緊張ほぐそうと思ってねー。

リョウタもしてあげよっか?」

「遠慮しとく」


 そう返事すると扉が開き、バセスさんが顔を出す。


「どうぞ」




 バセスさんに促され、謁見の間に入った。

 赤い絨毯に、部屋の傍の燭台、ザ・謁見の間って感じだな。

 

 ある程度進むと、リル姉の歩みが止まる。

 そして、胸に右手を添えて、片膝をつき、頭を下げた。


「二人とも真似して」


 俺とフィアちゃんは慌てて、リル姉と同じようにする。


「はぁ、そんな堅苦しいことはせんでいい。

頭を上げろ」


 頭を上げて、声のした方へ視線を向ける。

 赤く長い髪の美女が王様が座るような椅子に腰掛けていた。

 美女はアクアさんと同じくらいの大きさの胸を露出の高いドレスに包んでいる。


「リョウタ・クールウィンドです」

「フィアーナ・ブラッディーナです」

「お初にお目にかかります。

長耳族のティリルと申します」

「私はこの城の当主で現・魔王のメアだ。

話はバセスに聞いた。

その二人を人族領に転移させる。

そっちの子どもの魔力漏れを直す。

この二つを叶えてほしいのだろう?」


 女性ーーメア様が二本の指を立てて、確認してくる。


「はい」

「分かった。受ける」

「「ありがとうございます」」

「ありがとうございます!」


 リル姉の声で俺とフィアちゃんの声が掻き消えた。


「ああ。だが、受ける前に質問させてもらう」


 質問?


「人族のお前に質問する」

「俺、ですよね?」

「お前以外どこに人族がいる?」

「そ、そうですね。なんでしょうか?」

「お前は、異世界人か?」


 バレた。

 ど、どうする?


「冗談だ」

「は?」

「冗談だ。忘れろ。

本当の質問は、なぜ鍛えてほしいのかだ」

「大切なものを守れるようになりたいからです」

「今の状態では守れないのか?」

「はい。

半年くらい前に人型の魔獣に遭遇しました。

俺は二人を守ろうとして、殺されかけました。

だから今の俺じゃ守れないんです」

「大切なものとは二人のことか?」

「後、獣族のクロネという娘です。

その、三人とも俺を異性として好きになってくれたので」


 そう言った瞬間、笑い出すメア様。


「ふふっ、ハーハッハッハッ、

自分が惚れたからじゃないのだな。ふふっ」

「まあ、自分も好きですけど」

「そうか、そういうことか。

そのエルフはお前に惚れたから

親身になっているのだな。

エルフはすぐ番だとかいうからな」

「あ、あの、私も強くなりたいです」


 フィアちゃんが発した。


「ああ。任せておけ。

他に叶えてほしいことはないか?」

「では、クロネも鍛えてあげてもらえませんか?

父親に剣術を教わっていたのですが、

その父親は三年ほど前に亡くなりました」

「師なしはきついから教えられる者を付けてやりたいのだな?」

「はい」

「分かった。適任者に心あたりがある。

任せておけ。

明日からリョウタが十五になるまで

リョウタ、フィアーナ、クロネを鍛える。

以上。

バセス」

「はっ」

「三人を部屋に案内してやれ」

「承知しました。

では、皆さん、お部屋に案内いたします。

ついてきてください」


 俺たち三人はバセスさんに連れられ、謁見の間を後にした。







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