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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第四章 少年期 修業編 〜修業は男子率の高い場所で〜
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魔王城到着

 『スカーレット』。

 初代魔王と初代勇者が築いた街である。


 この街は四つに分かれている。

 北西に冒険者区、南西に奴隷市と遊郭街、北東に移住区、南東に精肉店や八百屋等が並んでいる商店区。

 最北には魔王城が建っている。

 

 魔王城には魔族の王と魔王軍が生活をしている。

 言うなればこの城自体が魔王軍だな。


 そんなラスダン的な場所の前に俺たちは立っている。

 城は門の近くから見ると超デカイし黒い。

 ずっと俺はビビっている。魔王に会うからだ。

 魔王、それは勇者だけが打ち倒せるものだから。



「これ、待ってればいいのかな?」

「待ってれば来てくれると思うけどね」


「どちら様でしょうか?」


 門から男性が聞いてくる。

 門の向こう側からじゃなくて、本当に門から聞こえている。


「エルフのティリルと申します。

私の村に転移してきた人族の子供を

人族領の家に帰らせたく、参った所存でございます」


 リル姉って、こんな堅苦しい話し方できるんだ。


「そうですか。

中で詳しくお話しください」


 ガシャン。

 門から鍵の開く音が聞こえた。

 門の一部が開いて、メイド姿の女性が出てきた。

 そこは手動なんかい!


「どうぞ、こちらへ」




 門をくぐると、石畳みと噴水が視界に映る。

 石畳みは、城の入り口から門の間に敷かれていて、大人四人が並んで歩けるくらいの横幅だ。

 噴水はそのちょうど中間くらいのところにある。


「リョウちゃん、早くしないと置いてかれちゃうよ」

「ごめん」




 城の玄関に入ると天井の高い場所。

 床は大理石で左右に通路が続いている。


「こちらです」


 メイドさんは振り向いて、左手で右側の通路を示した。




 それから彼女に連れられ、広い城の中を進んでいく。

 すると、他の部屋の扉とは違う豪華な扉の前で歩みを止める彼女。

 そして、その扉をコンコンとノックした。


「バセス様、エルフの方とお連れの方を

お連れしました」


 門の前で聞いた男性の声で返事が返ってくる。


「入っていただいてください」

「はい。失礼します」


 メイドは扉を開けた。


「どうぞ、お入りください」

「「失礼します」」


 俺とリル姉の声がハモった。

 これが異口同音である、多分。


「えっと、失礼します」


 フィアちゃんが慌てて言った。


「どうも、ご丁寧に。

私は、魔王様の側近であり、

この城唯一の執事のバセスと申します」


 白髪の優しそうな執事執事したおっさんが笑顔で自己紹介をしてくる。


「私は人族のリョウタ・クールウィンドと申します」

「クールウィンド? 剣聖の、ですかな?」


 知ってるんだ。


「はい。父が剣聖の家の出です。

魔族領でも有名なんですか?」

「はい。

剣聖には何度も私たち亜人を助けてもらっているので

剣聖を知らない亜人はいません」


 すげえよ、剣聖。


「次の方、お願いいたします」

「は、はい。えっと……」


 俺の顔を伺ってくるフィアちゃん。


「です、ます、付けるだけでいいよ」


 他の人に聞こえないように、耳元で囁く。

 彼女は頰を赤らめて、頷いた。


「は、初めまして、

フィアーナ・ブラッディーナです。

よろしくお願いします」

「ん?」


 フィアちゃんの名前を聞くなり、小声で独りごちるバセスさん。


「どういたしましたか?」

「いえ、大丈夫です。続けてください」

「先ほど、門の前で申し上げたティリルでございます」

「ありがとうございました。

では、こちらにおかけになって、

お話をお願いできますでしょうか?」

「はい」




「この二人が私の家の前に転移して来まして、

家は人族領東ということで

魔王様は転移魔術が使えるということを

耳に入れていたものですからこの城に参りました。

あと、このリョウタは、魔力が少々漏れているので

治したいのです」

「転移魔術と魔力漏れを治してほしいと?」

「はい。いかがでしょうか?」

「魔王様に申せば、きっと大丈夫ですね」


 はぁ、良かった。


「あと、そちらのお二人は何かありますかな?」

「はい。

えっと、図々しいのですが、俺を鍛えてほしいです」

「私もリョウちゃんを守れるくらい強くなりたいです」


 バセスさんは微笑んだ。


「分かりました。

では、魔王様にお会いになって、

魔王様にもう一度、今のお話しになったことを

申してください。

それでは、参りましょうか。

こちらへどうぞ」


 俺たち三人は、バセスさんに促され、部屋ーー応接室を後にした。




 バセスさんについていくと、観音開きの扉の前についた。


「ここが謁見の間でございます。

ここに魔王様がいらっしゃいます」


 俺たちはついに魔王と相対する。

 ポーションは持ったか?

 HPMPは全快か?

 教会で記録したか?

 よし、行くぜ魔王戦(戦いません)。

 




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