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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第一章 幼年期 〜今世の母は銀髪ハーフエルフ〜
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1-1 創造神との出会い


 気がつくと、そこは白い空間。

 水色の雲みたいなものがいくつも浮かんでいる。


「ここは……?」

「起きたみたいじゃの」


 お爺さんの声がした。

 でも、声だけでだれもいない。


「だれですか?」


 そう尋ねると、お爺さんが現れた。

 彼は白い髪に、青い瞳をしていて、杖とローブを纏っている。


「目覚めてすぐがジジイですまぬの」

「いえ。それで貴方は?」

「わしはアルバス。

世界を創造し、管理する神じゃよ」


 微笑んで名乗ってくれるお爺さんーーアルバス様。


「えっと、俺はーー」

「みなまで言うな。お主のことは知っておる」


 そりゃそうか。神様なんだから知ってるか。


「それで、ここは……?」

「うーむ。世界と世界の狭間と言ったところかの。

神や天使が住む世界とも言えるの」

「なんで、俺がここに……?」

「死んでしもうたからじゃ」


 アルバス様は言いにくそうに答えた。


「えっ?」

「生物は死ぬと、ここに来る。

エンマのところへ向かうためにの」

「じゃあ、俺はエンマ様のところへ行くんですね?」


 首を横に振り、否定する彼。


「お主には新しい世界が待っておる。

じゃから、エンマのところへは行かぬ」

「どういうことですか?」

「わしの創造した世界『ルナティック』に

転生してもらう」

「それって……?」

「異世界転生じゃよ」


 アルバス様がそう言って微笑む。


「記憶は!?」

「残したままじゃ」

「体は!?」

「もちろん、健康じゃ。不自由ではない」

「やっ……たーっ!」


 あまりの嬉しさに、俺は声を上げ、万歳した。

 嬉しいに決まってる。

 体は不自由じゃないし、美少女とか美人とかと結婚できるかもだし、ハーレムもできるかもしれないんだから。

 ていうか、自分で腕挙げれてる! 


「今のお主は魂だけの状態じゃからの。

健康な人と同じことはできて当然じゃ。

現にお主は普通に椅子に座っておる」

「えっ?」


 自分の体を見ると、木でできた椅子に座っていた。

 少しくらいしか座ってられないのに、全然平気だ。


「すげえ!」

「嬉しいのは分かるが、話を聞いてくれぬか?」


 体が不自由じゃないことを喜んでいると、アルバス様に言われる。


「はい。すみません」

「別によい。それでは話に戻るぞ。

お主には『ルナティック』に転生させると言ったの?」

「はい」

「じゃが、ただ転生してもらうわけではなくての。

お主にはしてもらいたいことがあるんじゃ」


 また言いにくそうに言うアルバス様。


「なんですか?」

「お主には、二千年と数百年前に現れた神と名乗る男を

倒してもらいたい」


 まさか、俺一人で?


「いや、これから出会う者たちと協力してじゃよ」


 そうだよね。びっくりしたぁ。


「その男ってずっと生きているんですか?」

「いや、封印した。

じゃが、封印は完全じゃなくての。

五百年ごとに復活と封印を繰り返しておった。

そして、約五百年前、やつは姿を消した。

五百年後に世界を滅ぼすと書き残しての」


 それって、今すぐじゃん!

 転生しても間に合わないよ!


()五百年前じゃよ」


 約ね。ていうことはまだ少しだけ猶予が残ってるのか。


「そうじゃ。後、三十年くらいある」


 じゃあ、大丈夫だな。


「その男の容姿はどんな感じですか?」

「金髪に赤い瞳の青年じゃな。

似てるもので言えば、

Fa○eのギ○ガが一番近いかの」


 ギ○ガって……。


「『ルナティック』に存在する攻撃魔術、

武術を使い、とても高い自然治癒力を持っておる。

ここまででも厄介なのに、

やつはもう二つ能力を持っておる」


 まだ二つも持ってるのかよ。


「どんな能力なんですか?」

「一つはあらゆる武器・防具を生成できる。

もう一つは異次元収納。

その生成した武器・防具を保管し、

矢のように放つことができる」


 チートすぎだろ! もう神の領域だよ!


「神だと名乗るくらいじゃからな。

わしが知っておるのはこれくらいじゃな」

「名前も知らないんですか?」

「すまぬ。忘れてしもうた」


 アルバス様、なにやってんすか!


「すまぬ。

やつが名乗ったのは二回だけじゃ。

しかも二回目のときは二千年前じゃから、

忘れてしもうたんじゃ」


 そりゃ忘れるよな。


「失礼なこと言ってすみません」

「いや、よい。だれでも思うことじゃからの」


 許してくれた。よかった。


「あの、聞きたいことがあるんですが、いいですか?」

「よいぞ。なんでも聞くといい」

「『ルナティック』でしたっけ?

美女・美少女ってどれくらいいますか?」


 めっちゃ気になってたんだよな。

 めんくいの俺にとっては死活問題だし。


 俺が聞くと、アルバス様は顎に手を持っていき、考えるポーズをとる。


「うーむ、そうじゃの。

人族は分からぬが、

亜人はほぼ全員美女・美少女じゃの。

ちなみに、世界の七割が女性じゃ」


 亜人ってエルフとかケモ耳生えてる人たちのことだよな?


「そうじゃよ」


 マジか!

 エルフと猫耳美少女と結婚できたらいいな。

 その前に、重婚はできるんだろうか。


「できるぞ。複数人を囲むこともできる」


 なにその男の夢を詰め込んだ世界。

 そんな世界に転生できるとか最高かよ!

 亜人ハーレム、築きたい。

 

「聞きたいことはもう無いかの?」

「はい。ありません」

「それでは祝福を授ける。

願いを三つ申せ」


 どうしようかな?

 よし、決めた。


「『ルナティック』って魔術があるんですよね?」

「うむ。あるぞ」

「魔術って魔力を使うんですよね?」

「うむ。魔術には魔力が必要じゃ」

「それじゃあ、一つ目は

魔力量が世界最大まで成長するようにしてください」

「分かった」


「二つ目は美人でおっぱいの大きい奥さんが

二人できるようにしてほしいです」

「そんな願いでよいのか!?」


 なぜか驚くアルバス様。

 えっ? ダメなの?


「ダメではない。

ダメではないが、お主にはいらん気が……」

「必要です! 独身は絶対いやなんです!」

「分かった、分かった。叶えるから」

「ありがとうございます」


「三つ目はどうする?」

「三つ目はお任せでお願いします」


「わかった。確認するぞ。

世界最大に成長する魔力量、

美人で胸が大きい妻ができるようにする、

そして、三つ目はお任せ」

「はい。お願いします」

「任せておけ」


 アルバス様は自分の胸を軽く叩いて言った。

 


「よし。転生準備を始めるかの」

「お願いします」


 彼は目の前まで来て、俺の頭に手を置いた。


「む?」

「どうしました?」

「いや、なんでもない」


 アルバス様がそう答えると、俺の体を優しく温かい光が包んだ。


「準備が整った。

さっきも言ったが、三十年後じゃからの。

他力本願ですまんの」


 申し訳なさそうなアルバス様。


「いえ」

「そうか。お主は優しいの。

では、前世の分も楽しむと良い。

お主の第二の生に幸多からん事を」


 その言葉で、俺は眠るかのように意識を失った。






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