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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第三章 少年期 出会い編 〜エルフ、猫耳、精霊〜
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3-3 人族の魔術と亜人の魔術


「そっか。お母さんたちに長い間会えないんだね」


 見るからに落ち込むフィアちゃん。

 リル姉から転移したこと、家に帰るには四、五年かかることを聞いたからだ。


 落ち込む彼女を見てられなくなったのか、彼女を抱きしめるリル姉。


「お姉ちゃん?」

「少しでも早く送り届けられるように、がんばるかんね」

「うん。ありがとう」

「家に帰るまでは、私をお母さんだと思って

頼ったり、甘えたりしてね」

「うん」


 リル姉の背中に手を回し、返事するフィアちゃん。

 百合、キター。

 この世界に転生して十年。

 やっと百合というジャンルに出会えた。


 俺の認める百合の条件は三つ。

 十歳以上三十歳以下であること。

 顔が可愛いか綺麗であること。

 姉妹以外の近親ではないこと。


 この三つの条件をクリアした二人の百合は、俺の求めていた百合。

 存分に堪能させていただきます。



「リョウタ、どったの? 嬉しそうな表情して」


 リル姉が尋ねてくる。

 くっ。口元が緩んでしまっていたか。


「いや、なんでもないよ」

「嘘だー。

なんにもないのに口元が緩むわけないもん」


 そう言って、俺の顔をジッと見てくる彼女。

 百合好きがバレたら、ドン引きされる。

 ポーカーフェイスだ。ポーカーフェイス。

 でも、無理だ。

 だって、美人のリル姉に見つめられてるんだもん。


「あっ、分かった。

シャワーを浴びたり、着替えたりしてるときに

おっぱいが見られるからだ」

「な!? そんな理由じゃないから!」

「おっぱいが見られるから、口元が緩むなんて、

やっぱり男の子だねー」


 ギュルルー。

 腹の虫が鳴いた。


「あはは! リョウタは分かりやすいね。可愛い」


 笑いながら、言うリル姉。

 なんで、そこで可愛いが出てくるの?


「まぁ、お腹が鳴っちゃっても仕方ないよね。

丸一日、眠ってたんだから」

「俺たちって、そんなに眠ってたの?」

「そうだよー。リョウタは魔力枯渇で、

フィアも魔力をだいぶ消費してたかんね」


 俺の魔力だけじゃ足らないって。

 あの魔法陣、やばすぎだろ。


「魔力って、多く使うだけでも気絶しちゃうの?」


 フィアちゃんがリル姉に聞く。


「ううん。普通に消費する分には大丈夫だよ。

だけど、一気に消費すると体が重く感じたり、

ひどいと気を失っちゃうんだー」

「どれくらいの量を消費すると、そうなるの?」

「うーん」


 顎に手をあて、考えるリル姉。

 考える姿も綺麗だな。


「最上級魔術、一発分くらいかな?」

「最上級?」

「知らないんだ? 最上級魔術」

「うん」

「そっか。人族領にいたんだもんね。

知らなくても当然か」

「どういうこと?」

「人族が扱う魔術はーー」


 ギュルルー。

 俺のじゃない腹の虫が鳴き、リル姉の話をさえぎった。

 その瞬間、顔を赤らめるフィアちゃん。


「フィアのお腹まで鳴っちゃったね。

話は後にして、出かけよっか? 動物を狩りに」

「この小屋に食べ物はないの?」


 フィアちゃんが聞く。


「うん。ないよ。

冬を越すために少し貯めてた食べ物は

二人を看てる間に食べちゃったかんね」


 そう言って、部屋から出て行くリル姉。

 一緒に行くんじゃないの?




 少しすると、リル姉が戻ってきた。

 着替えてきたのかと思ったら、パーカーのチャックを閉めただけで、あんまり変わってない。

 あっ、タイツを履いてるわ。


 今、気づいたけど、リル姉ってモデル体型だね。

 美人で、スレンダー巨乳。最高かよ!

 絶対モテるんだろうな、リル姉。

 もう経験もあるんだろうな。はぁ。


「はい、これ」


 心の中で落ち込んでると、リル姉になにかを持たされた。

 持たされたのは、ローブとマフラー。

 二つとも俺が身につけてたものだ。


「この中は魔道具で暖かいかんね。

脱がして、隣の部屋に置いておいたんだ」

「そんなことまでしてくれたの?」

「うん。汗かいたら可哀想だし。

結局、脱がすのに手こずって、汗かかせちゃったけどねー」

「えっ? でも、ベタベタしないよ?」


 フィアちゃんが言う。


「だって、ちゃんと体を拭いといたもん」


 ティリルお姉ちゃん、優しいわ。

 ん? ちょっと待て?

 体を拭いたってことはアレを見られたんじゃ……?


「見た?」

「うん。あそこも見たよ」


 やっぱり。さっきのと足して、二回も見られた。

 絶対、比べられたな。はぁ。


「リョウタもあそこも成長に期待だね」


 あっ、そうだ。まだ子どもだったわ、この体。


 


ーー




 小屋から出ると、そこは木々が生い茂る森の中。


「やっぱり外は寒いねー。二人とも大丈夫?」


 リル姉が聞いてくる。


「うん。大丈夫だよ」

「俺も大丈夫」

「そっか。じゃあ、狩りにいこっか?」

「この中に?」


 森を指差して、聞き返す。


「そうだよ」


 普通に返事するリル姉。

 虫がたくさん出てきそうなのに。


「虫がたくさん出てきそうだけど、行くの?」

「出てこないし、いないよ」

「えっ? いないの?」

「うん。いないよ。

すごく昔はいたらしいけど、今はいないよ。

虫型の魔物はいるけどね」

「リル姉はその魔物を見たことはあるの?」

「ううん。ないよ。

遭遇する確率がすっごく低いかんね」

「そうなんだ」


 俺はホッと胸をなでおろした。


 俺とフィアちゃんはリル姉に連れられ、森の中に足を踏み入れた。




「ねぇ、お姉ちゃん。動物ってどうやって狩るの?」


 フィアちゃんが歩きながら、リル姉に尋ねる。


「魔術を使うんだ。

動物が襲ってきてもいいように、

魔術と魔力について教えたげるね」

「「お願いします」」


 偶然的にフィアちゃんと被った。


「まず、認識しといてほしいのは、

人族の扱う魔術は、

想像力と魔力が貧しい人族に合わせたもので、

私たち亜人が扱う魔術が本物ってこと」

「人族の魔術と本物の魔術って、どう違うの?」


 フィアちゃんが質問する。


「いい質問だね。

二つの魔術の違いは三つ。

詠唱、属性、ランクの三つね」


 三つもあるのかよ!


「まず、詠唱についてね。

魔術を放つには必要なことが二つあるんだ。

手に魔力を集めること、

放ちたい魔術のイメージをすることの二つ。

詠唱っていうのは、

イメージしやすくするためのものなんだけど、

人族の魔術の詠唱は少し特殊でね、

詠唱すれば、今言った二つのことを

自動でしてくれるようになってるんだ」


 人族の魔術は自動で、亜人の魔術は手動ってことだな。


「次は属性ね。

人族の魔術は属性が大きく分けて、四つあるよね?

ほんとは五つあるんだ」

「五つ?」


 フィアちゃんが聞き返す。


「そ。火、水、風、土、そして、雷の五つだよ」


 雷属性か。水属性の中にあるのかと思ってたわ。


「なんで、人族の魔術には雷属性がないの?」

「雷属性がほかの属性より威力が高いからだよ」


 雷が当たったら死ぬもんな。


「最後はランク。

人族の魔術にはランクがいっぱいあるよね?

でも、ほんとは四つなんだ。

初級、中級、上級、最上級の四つ」

「お姉ちゃんは全部使えるの?」

「使えないよ。

最上級は才能がないと使えないもん」


 俺には最上級魔術の才能はあるんだろうか?


「二つの魔術の違い、分かった?」

「うん。リル姉が分かりやすく説明してくれたから」

「お姉ちゃん、教えてくれてありがと」

「どういたしまして。

次は魔力を動かして、魔術と身体強化を教えたげるね。

これは歩きながらだと難しいから、

広い場所に出たら、教えるかんね」


 歩きながらだと難しいってことは、手取り足取り教えてくれるんだよな。

 美人なリル姉に手取り足取り。

 教えるのに熱が入って、おっぱいが押し付けられちゃうかもしれない。

 楽しみすぎる。





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