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EX-7 クロネvsミオ

執筆開始 2019年 2月 3日

執筆終了       2月11日


「ミオ、あなたを斬る!」


 そのクロネの言葉を皮切りに、クロネとミオは、地面を蹴り、ほぼ一瞬で、距離を詰めた。


 クロネが持つ刀ーーツクヨミの刃とミオが持つ刀の刃がぶつかり合う。

 

 そして、攻撃と防御を互いに繰り返し始める二人。

 金属同士がぶつかる音が辺りに響く。



 少しの間、激しい攻防を繰り返すと、クロネとミオは、互いに後退して、距離を置いた。


 距離を置いた瞬間、火球を放つミオ。

 火球はすごい速さで、クロネに迫る。


「『弓ツバメ』!」


 そうクロネが発すると、青いオーラでできたツバメが彼女の真横に現れて、迫ってくる火球に向かっていく。


 青いオーラのツバメは、火球に直撃。

 その瞬間、火球が爆ぜて、黒い煙が上がる。

 海風を受けて、その煙がクロネの方へ行き、彼女の前方の視界を奪う。



 ミオが煙に突っ込んでいく。

 二人が煙の中に入ったと同時に、煙が晴れた。

 クロネがオーラで、吹き飛ばしたんだと思う。



 煙が晴れた瞬間、クロネとの距離を詰めたミオが猛攻を仕掛ける。

 クロネは最小限の動きで、その猛攻をかわす。


 ミオの猛攻をかわしながら、バレないように、突きを放つ構えを取るクロネ。

 


 突きを放つ構えになって、数秒が経った瞬間、クロネは、ツクヨミに青いオーラをまとわせ、突きを放った。

 

 突きは、ミオのお腹に直撃。

 それと同時に、ツクヨミにまとわせた青いオーラが刀身から放たれ、突きを受けたミオを吹き飛ばした。



 間髪を入れず、クロネは腰だめにツクヨミを構えて、その刀身に青いオーラをまとわせ直す。


「奥義『蒼炎(そうえん)(ひかり)ツバメ』!」


 そう発して、クロネはツクヨミをすばやく振るった。

 すると、青い光の斬撃が刀身から放たれ、凄まじい速度で、ミオに迫る。



「オーバードライブ、起動」


 体勢を立て直そうとしているミオがそうつぶやくと、彼女の全身が赤く発光し始めた。

 そして、ミオは、残像が生まれるほどの凄まじい速度で、右に転がって、光の斬撃の進行方向から外れる。


 途中で、進行方向を変えられるわけもなく、青い光の斬撃は、ミオに当たらず、海の向こうに消えていった。


 鬼ヶ島の方向だけど、被害は出ないと思う。

 光の斬撃は、ある程度の距離を飛ぶと、消えてなくなるらしいから。




 元の状態に戻ったミオが立ち上がって、口を開く。

 全身の発光は、光の斬撃が横を通過したときに消えた。


「今のは、オーバードライブを使わないと

危なかったです。

さすが、主眷属の剣姫ですね。

種族、才能、『獣化』『魔力活性』という

血筋や真祖の主眷属の固有スキルなど、

戦闘に関するものが恵まれているだけありますね」


 めっちゃ知ってるんだけど。


「ミオがそこまで私のことを知っているんなら、

ヴェルガたちも知っているっていうこと?」


 クロネがミオに尋ねる。


「はい。

敵の情報は知っておいた方がいいですからね」

「そう。でも、私たちは、ヴェルガたちのことを

あまり知らないんだけれど」


 そうだ、そうだ。

 自分たちだけ知ってるのは、ずるいぞ。


「それは不公平ですね。

では、情報を一つだけ教えてあげましょう」


 ちゃんと聞いておかないと。


「ヴェルガ様の味方は五人います」


 それじゃあ、俺たちの敵は、ヴェルガを足して、六人か。



「話はここまでにして、戦闘を続けましょうか。

あなたを早く倒さないと、二代目真祖が戻ってきて、

不利な状況になってしまいますからね」


 ミオの言葉を聞いて、クロネはツクヨミを構えた。


「音声の一時的変更を実行。

変更先は、フォックスの音声データ」


 そうつぶやいて、ミオは口を閉じた。



 数秒して、彼女が口を開く。


「クロネ」


 ミオが男の声で、クロネの名前を発した。

 今の声、クノハか?


「その声……!」


 少し怯えた表情をするクロネ。


「その様子は、この声がクノハーー僕の声だと

わかったみたいだね。

僕の声を覚えていてくれて、嬉しいよ」


 やっぱり、クノハの声だ。

 クロネの心の傷をえぐって、戦えなくするなんて、卑怯だ。


「やめろ! 正々堂々、戦えよ!」

「ミオ、やめてっ」


 俺が叫んでいることも、クロネがいやがっていることも、ミオは無視して、続ける。


「ほんと、君はそそる表情をするね」


 ここで叫んでいても、仕方ない。

 行って、直接、止めないと。


 クロネのもとへ向かおうとして、隣にいるユキに腕を掴まれた。

 隣を見ると、ユキが首を横に振る。



「ミオ、お願いっ。今すぐやめてっ。

お願いだからっ!」

 

 クロネが懇願するけど、ミオは足を止めない。


「君を妻にして、そのいやらしく育った体を

すみずみまで、じっくりと味わいたいよ」

「いやっ、いやっ、いやっ!」


 両手で耳をふさいで、クロネはそう叫び、しゃがみ込んだ。



「クロネ!」


 見ていられなくなって、クロネのもとへ向かって、駆け出そうとして、ユキに腕を引っ張られ、邪魔される。


「リョウタ様、行っちゃダメです!」

「クロネが辛い思いしてるのに、

なんで、行っちゃダメなんだよ!」


 声を荒げ、ユキに尋ねる。


「クロネは辛い思いをして、意識も奪われますけど、

一過性のものです。

ですけど、リョウタ様は命を奪われて、

死んでしまうんですよ?」

「自分の命より嫁の方が大事なんだよ!

フィアーナたちが辛い思いせずにすむんなら、

死んでもいい!」

「バカ!」


 俺が言い放った瞬間、ユキが大きな声で、言った。


「私たちだって、リョウタ様が大切なんです!

リョウタ様を失ったら、私たちは悲しみますし、

生きていけないんです!

ですから、自分の命も大切にしてください」


 そうだよな。

 フィアーナたちが悲しむよな。


「……わかった」


 ユキにそう返して、クロネを助ける方法を考える。


 ここから、魔術を放って、ミオの邪魔をするのが得策か。


 クロネたちの方に右手を向け、ミオの少し前の位置に狙いを定める。

 そして、魔術ーー『氷砲弾』を放とうとした瞬間、クロネの後方から、赤いオーラをまとった槍がすごい速度で、ミオに向かって、飛んできた。


 突然、すごい速度で飛んできた槍は、ミオが避けようとしたところで、彼女のお腹に直撃し、貫いた。



 ミオのお腹に風穴が開いた後すぐに、フィアーナが槍と同じ方向から現れた。

 フィアーナは赤いオーラをまとっている。


 今さっきの槍は、フィアーナが投げたのか。



「もう来てしまいましたか」


 お腹に開いた風穴の修復が開始されたミオが現れたフィアーナを見て、言う。


「ミオちゃん。どれだけ、私を怒らせるの?」


 フィアーナが怒りのこもった低いトーンで尋ねる。

 

「リョウちゃんを傷つけるどころか、

殺そうとしていることでさえ、腹立たしいのに、

リョウちゃんを守ろうとしたお姉ちゃんと

セラちゃんを傷つけて、気絶させた。

挙げ句の果てに、クロネちゃんの癒えかけてる

心の傷をえぐって、

絶対、許さないから」


 フィアーナはそう言うと、ミオへの攻撃を開始した。






この小説に不快な部分があると報告を受けたので、

その部分を修正します。

今は、章の途中なので、この章の不快な部分だけを修正するので、

次話投稿は少し時間が経ってからになります。

読者の皆さん、すみません。


2019年3月2日

最新章(2019年3月現在)の修正が終了しました。

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