お出迎え
「たっだいまー!」
クロネの肩を揉んでいると、玄関からティリルの声が聞こえた。
俺はクロネと一緒に玄関に向かった。
玄関にたどり着くと、フィアーナ、ティリル、セラたち三人が靴を脱いでいた。
「お兄ちゃんっ! 姉様っ!」
セラが俺とクロネを見るなり駆け寄ってきて、俺たち二人に抱きついてきた。
「おかえり、セラちゃん」
「おかえり、セラ」
俺が彼女に言うと同時に、クロネも言った。
すると、セラが泣き出した。
「帰ってこれたっ。
お兄ちゃんと姉様の元に帰ってこれたっ」
フィアちゃんたちも入れてあげて?
「帰ってこれるに決まってる。
ここはセラの家で、セラは私たちの家族なんだから」
クロネがセラの頭を撫でて、優しく言う。
彼女に言われて、余計泣き始めるセラ。
「お兄ちゃん、姉様。ありがとうございました」
落ち着いたセラがお礼を言ってきた。
「色々聞きました。
二人が私のために怒ってくれたことと
お兄ちゃんは鬼が、姉様は男の人が苦手なのに、
ライコウに立ち向かってくれたこと」
だれだ! 俺が鬼苦手なのをセラに教えたのは!
ティリルに目線を向けると、彼女は目を合わせないように、よそを向いた。
リル姉か。
あれ? でも、俺が鬼苦手なことを知ってるのは、クロネちゃんとユキちゃんくらい……まさか!?
隣にいるユキの方に顔を向けると、彼女も目を合わせないように、よそを向いた。
ユキちゃんがリル姉に言って、リル姉がセラちゃんに言ったんだな。
あとで、お仕置きだね。
俺の心を読んだユキが『やめて。お願いだから』という表情で見てくる。
首を横に振ると、彼女は顔を引きつらせた。
「本当にありがとうございました。
あとでお礼しますね」
お礼? なにしてくれるのかな?
「セラ、交代して」
いつのまにかセラの後ろに来ていたティリルが彼女に頼む。
「はい。どうぞ」
「リョウタっ!」
セラが俺から離れると、ティリルが抱きついてくる。
「リョウタ、リョウタ」
彼女は俺をギュッと抱きしめて、ほおずりし始めた。
「元気になった?」
ひとしきりほおずりし終えると、ティリルが顔を合わせて、聞いてくる。
「うん」
「よかったー。
転移して、橋進んだら、リョウタが倒れてるから、
死んじゃったかと思ったんだよ。
フィアが生きてるって言ったから、ちょっと安心したけど、
今まで、心配だったんだー」
リル姉も心配してくれてたんだな。
「心配させて、ごめん」
「いいんだよ。こうして、元気でいてくれれば。
それより聞いて。
セラが私のこと、好きなままなんだよ」
ティリルはすごく嬉しそうに言った。
「セラ。私のこと、好き?」
「はい。大好きですよ」
笑顔で答えるセラ。
昨日、リル姉にキスされたのに。
「ほらね。嫌いになってなかったし、
昨日の夜に、フィアに吸血されて、眷属になったら、
大好きになってくれて、キスもさせてくれるように
なったんだよ」
『セラ、大好きだよ』
『私もリルお姉ちゃんが大好きです』
ベッドの上で、ティリルとセラが見つめ合いながら、言い合った。
『もー。セラ、可愛すぎ』
そう言って、ティリルはセラを押し倒した。
『きゃっ』
小さく悲鳴を上げるセラ。
それを聞いて微笑むと、ティリルは彼女のブラウスのボタンを外し始めた。
『大きいね。私と同じGカップだっけ?』
ブラウスがはだけ、露わになったセラの下着とそれに包まれたおっぱいを見て、ティリルが聞く。
『はい……』
顔を真っ赤にして、セラが返事する。
『そうだよね。じゃあ、次は下を脱ごうね』
そう告げて、ティリルは彼女のスカートを脱がした。
『下着も脱いじゃおうねー』
セラの下着まで取り去ってしまう彼女。
なにもまとうものがなくなり、セラの体が露わになった。
『綺麗だよ、セラ。
綺麗すぎて、もう我慢できないよ』
そう言って、自分の服と下着を抜き去るティリル。
ティリルのスレンダーな体と大きなおっぱいが露わになった。
『リルお姉ちゃんもすごく綺麗です。んっ』
セラがそう言うと、ティリルがおおいかぶさり、彼女と唇を重ねた。
重ねるだけではティリルは止まらず、セラの口内に舌を入れ、彼女のと絡める。
しばらくして、ティリルが唇を離した。
『セラ。一緒にいっぱい気持ちよくなろうね」
『はい。リルお姉ちゃん』
このあと、二人はめちゃくちゃ百合セ……。
「フィアの眷属になると、百合だっけ?
それに目覚めちゃうのかな?」
俺が妄想していると、ティリルが言った。
その説が有力だよね。
「クロネも目覚めちゃうねー」
ティリルがクロネに言う。
「別に目覚めてもあんまり変わらないと思うけど?」
「絶対変わるよ。リョウタとフィアのことで頭いっぱいになって、二人とエッチしたいってなるよ」
「ならない。はぁ、セラ、リルは放っておいて、入ろ?」
「はい。姉様」
「あー、ずるいよ、クロネ。
私もセラと行く」
クロネ、セラ、ティリルはリビングに入っていった。
「リョウタ様。お仕置きってなにするんですか?」
おそるおそるユキが聞いてくる。
くすぐろうと思ったけど、泣きそうだから、やめておこう。
「猫耳メイド姿で、お世話してもらおうかな。
もちろん、露出の多いメイド服だよ」
「よかった……って、よくないですよ!
お世話だけじゃなくて、
絶対、恥ずかしいお願いするじゃないですか!」
「じゃあ、くすぐられる?」
「お世話するから、くすぐらないで」
懇願してくるユキ。
敬語じゃなくなってるよ?
「分かった。くすぐらないよ」
そう言うと、彼女はぱあっと笑顔になり、抱きついてきた。
「ありがとうございます、リョウタ様。
大好きです」
「俺も大好きだよ」
「それじゃあ、クロネたちにお茶入れてきますね」
そう言って、ユキはリビングに入っていった。
「元気になったね」
大好きな声がして、そっちに顔を向けると、フィアーナがすぐそばに立っていた。
「うん。フィアちゃんのおかげで。
助けてくれてありがとう、フィアちゃん」
「お礼は言わなくていいよ。
大切なリョウちゃんを助けるのは、
当たり前のことなんだから」
大切な俺を助けるのは、当たり前。可愛すぎるわ!
そう心の中で言って、フィアーナを抱きしめた。
俺が抱きしめると、彼女は背中に手を回し、抱き返してくれる。
「フィアちゃん」
「どうしたの?」
「世界一好きで、愛してる」
「私もリョウちゃんのこと、世界一好きで、愛してるよ」
少し体を離し、唇をフィアーナの唇に重ねた。
愛おしくなったから。
「したいな」
ふと、口からこぼれた。
ダメだろ?
セラちゃんがお礼をしてくれるって言ってんのに。
「リョウちゃん、なにか言った?」
フィアーナが聞いてくる。
聞こえなかったみたいだ。
「ううん。なにも言ってないよ」
「そっか。じゃあ、中に入ろ?」
「うん」
俺はフィアーナに手を引かれ、リビングに入った。




