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転生した世界のため、チートな亜人嫁たちと悪神倒します  作者: 雪ノ町 リョウ
第十章 青年期前半 青年エルフの復讐編
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エルフの里、再び

「今日の晩ご飯、なんだろうね?」

「リルの料理はなんでも美味しい」

「そうだよね」


 フィアーナとクロネの会話を聞きながら、俺たちはティリルが待つ家に向かって歩いている。


「あっ、なんか落ちてる。

あれってお姉ちゃんが買い物するときに使ってるバック?」

「どこ?」

「あれ」


 聞くと、前方を指差すフィアーナ。

 指し示す先には、見覚えのあるバックが落ちている。


「ちょっと待ってて」


 二人にそう告げ、バックに近寄ろうとしてユキが現れる。


「リョウタ様」

「どうしたの?」

「ここから先は邪悪な魔力の残滓が漂っているので、気をつけてくださいね」

「うん、分かった」




「やっぱりリルのバックだ」


 拾おうとした瞬間、拾い上げられるバック。

 視線を上の方に向けると、クロネが匂いを嗅いでいた。


「少しだけリルの匂いがする」

「リルのなのに、少し?」

「うん。

後、ほんの少しリルのじゃない匂いがしてる」

「どんな匂い?」

「あの人の匂いに似てる」

「あの人?」


 そう聞いた瞬間、クロネの手が少しだけ震えた。

 

「クーー」


 抱きしめて、止める。


「言わなくていい、分かったから」

「うん」

「お姉ちゃん、連れ去られたのかな?」


 近くに来たフィアーナが呟く。

 ありえそうだな。

 二度あることは三度あるって言うし。

 

「じゃあ、誰がリルを連れ去ったの?」

「そんなのあいつに決まってる」

「あいつ? あっ、お姉ちゃんの幼馴染だね」


 ルシル(あいつ)を幼馴染って言うのやめて。

 幼馴染って言葉が汚れる。




ーー




 俺たちは〈ゲート〉でエルフの里の近くにやって来た。


「リョウタ様」

「ん?」

「結界が解かれています」


 結界? 

 あぁ、あったな、そういうの。

 いつもリルと一緒だから、忘れてたわ……って、えっ!?


「結界、解かれてんの!?」

「はい。完全に、です。

後、魔力反応が五つしかありません。

割と近い場所に二つ。

少し遠くに反応が三つ。

あれっ?」

「ユキ、どうしたの?」

「い、いえ。

勘違いしただけですから、気にしないでください」

「そう」

「話を戻しますね。

遠い場所の三つは、邪悪なもの二つとリルのものです」

「じゃあ、まずはその二つの反応がある場所、行ってみよ?」

「うん」




ーー



 少し歩くと、小屋にたどり着いた。


「ここ?」

「はい。この中に反応があります」

「結界が張られてるんだけど」

「この結界は邪悪なものの侵入を防ぐためのものなので、

大丈夫ですよ」

「リョウちゃん、誰か出てきたよ?」


 小屋から見覚えのある茶髪翠眼の美少女が出てきた。


「感じたことのある魔力のやつが近づいてきたと思ったら、

あんただったのね」

「久しぶり、リーネちゃーー」


 言いきる前に義妹エルフの拳が頰に直撃した。

 バランスを崩した瞬間、胸倉を掴まれる。


「あんた、お姉ちゃんの旦那でしょ!

奥さんを守るのが仕事なのに

どうしてお姉ちゃん守らないのよ!」

「ごめん」

「同い年の二人と精霊が大事で、

お姉ちゃんはどうでもーー」

「どうでもいい訳ないよ!」

「どうでもいい訳ない!」

「どうでもいい訳ないです!」


 フィアーナ、クロネ、ユキの三人が否定した。


「リョウちゃんは私たちみんな、大事に思ってるよ!」

「じゃあ、どうして!

どうしてお姉ちゃんを守らなかったの!」

「仕事している間だったから守れなかったの。

ごめん」


 二人の話を聞いて、胸倉から手を離すリーネちゃん。


「その場にいたら、守った?」

「うん」

「そっか。

いきなり殴っちゃって、ごめん」


 リーネちゃんが謝ってくる。


「いや、いいよ。

一人にしておく俺が悪いーー」

「リョウタ様!

邪悪な魔力反応がこちらに向かってきてます!」


 ユキが告げると、臨戦態勢をとるフィアーナとクロネ。


「リーネ! その四人と小屋の中に入れ!」


 小屋から銀髪の女性が顔を出して叫んだ。

 俺たちはそれに従い、小屋の中に入った。







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