剣と魔法の飛び交う世界
剣と魔法の飛び交う世界。
その辺をあるいていた青年Aは、飛び交う剣の一つがさっくりクリティカルヒットしていい感じに死んでしまう。
ヒュヒュヒュヒュヒュン、今日も人々は外出できないのであった。
だいたい、魔王が悪い。
多くの例にもれず、世界征服しちゃうぞーなんて頭あたたけー野望をもった魔王がいい感じに宣戦布告を世界中にまき散らし、速攻で勇者と賢者が魔王を暗殺しに向かった。神は拙速を尊んだ。
30秒で魔王城に到着した勇者と賢者は魔王に反撃されない距離から剣やら魔法やらを雨あられと投げつけた。
投げてもなくならない伝説の聖剣と、無限に魔力を回復させる伝説の杖のおかげである。
おかげで魔王はいい感じに死んだが、勇者と賢者も自分たちが放った攻撃の流れ弾に当たってグレートに死んでしまった。
神のちょっとした奇跡により、彼らの放った剣と魔法は誰かに命中するまで止まらないのだ。
おまけに賢者がかけていた分身の呪文により、剣と魔法は無限に増え続けることになった。
こうして人類も魔族も、今日も外出できない一日を送っている。