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覚醒の兆し

一瞬、僕は思考が停止した気がした。


今、僕はなんて言ったのだ?


思い出せない、思い出そうとすると頭が割れそうなくらい痛くなる。


だが湧いてくる感情は憎悪だ。


アイシャを害そうとしている。


そんな目でこいつを見つめる。


(なんだ?今一瞬こいつの気配が変わったような気がするねぇ)


家族は大切だ。


僕の唯一の居場所である。


僕はなぜかわからないが小さかった時の記憶がほとんどない。


両親とは話した記憶がまったくなかった。


でも、アイシャだけはずっと僕に優しかった。


僕はその優しさにずっと救われていた。


アリアも冷たいけれど僕のところを離れずいつもお世話をしてくれる。


僕はそんな家が大好きだ。


こいつはそんな僕の幸せを壊そうとしているのか?


アイシャに賭けを強いて、それだけで飽きたらず無理な交際まで

条件にしている。


アイシャの気持ちなんて尊重せずに。


アイシャを困らせたのか?僕の家族に手を出そうとしているのか?

僕の唯一の宝に。


そんなやつはここで倒さなければいけない!


僕は立ち上がって叫ぶ。


「家族は僕が守る!!」


もう現実逃避はやめだ。


今までアイシャに甘えてきて、ずっと負担をかけていた。


僕はずっと見て見ぬふりを続けていた。


自分の才能の無さに絶望し、才能のあるものに嫉妬し続けていた。


よくよく考えれば学年一位なんて簡単に取れるわけがない。


きっと途方もない努力と苦労をしてきたはずだ。


ほんとだったらアイシャくらいの女の子は友達とお茶会をしたり、

服を買いに遊びに出かけたりするものなのだ。


だけど弱音なんて一回も吐かずに押し殺している。


だけど....


だけどそれは本来兄が背負うものなのだ。


今まで迷惑をかけてきた分、後の人生は自由に生きてほしい。


やりたいことをやってほしい。


だから、だから!


絶対にここで負けるわけにはいかない!!


そんなことを考えながらガイアスを見る。


「ならばやってみせろ!!」


と言って僕に突進し、渾身の一撃を放ってきた。


僕は防御しようとしたがあっさり破られ、それは僕の顔面に直撃した。


朦朧とする意識の中で僕は観客の中にいるアイシャを見つけ、


「こんな兄でごめん.....」

とつぶやきながら、僕の意識は落ちるのだった。


.............ガイアスが勝った。


誰もがそう思った瞬間、テルアから大量の魔力が溢れ出した



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