神の奇跡
「神格発現だと?」
神格発現とは使えるものが極めて少なく、ほとんどが軍の上の人達ばかりだ。
学生でその境地まで至っているのはかなり希少だとされている。
常に受け続けている神の恩恵を一時的に切断することにより、
代わりにさらなる力を神から借りることができるのだ。
神の奇跡とまで言われており、まあとにかくめっちゃすごい力ということだ。
「でも.....」
アイシャが困っている。
ここは兄としていくべきか。
少し怖さで足がすくんだが歩き出す。
「ちょっと失礼。うちの妹に何か用ですか?」
「誰だい君は?」
「僕はテルア・エイデス。そこにいるアイシャ・エイデスの兄だ」
「テルア・エイデスだと?くっくっく....あっはっは!失格者と烙印を押された愚物が私になにか用かね?」
まあ当然この反応だろう。
「いやなに、アイシャが困っていたように見えたのでね。兄として気になって見に来たんだ」
「兄様....」
アイシャが困惑したような表情で見てくる。
そりゃそうだ、アイシャは僕が人と関わるのが好きではなくて、面倒事には絶対に首を突っ込まないタイプだと知っているからだ。(好奇心は除く......)
だが、家族の話となるとそれはまた違ってくる。
アイシャだけは僕と変わらずにいつも接してくれている。
あんな奴等とは全く持って違うのだ。
「ふん、興が冷めました。アイシャ、また今度に返事を聞かせてもらうとしよう」
そう言ってガイアスは踵を返していった。
あぁーおしっこちびるとこだった!なんてことを考えていると、
「あの、お兄様。先程はありがとうございました」
とアイシャがお礼を言ってきた。
「あれくらいどうってことないさ」
と返しとく。
実は少しちびったのは内緒だ。
ここは兄としてカッコつけさせてもらおう。
そうして一悶着を終えて僕は教室にいる。
そしていつも通りライルが僕の机の上に座っている。
今日は起こる気にもならない。
なぜならとても疲れたからだ。
あーパンツの少し湿ってる感じが気持ち悪いなと思っていると、
ふとライルがこんなことを言ってきた。
「お前臭いぞ?」
へっ?いきなりそんなことを言われて僕の脳は硬直する。
そういえば昨日は血溜まりの中にいて、そのまま寝てしまったな。
そして朝に昨日の分の風呂を入ろうと思っていたが結局入らずに来てしまった。
それぷらすさっき少しちびった.....
だとしても直球すぎやしないか?
この教室には女の子だっているし、
僕にも尊厳ってものがある。
泣きそう..... と僕は悲しみに暮れるのだった。