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失格者の英雄譚  作者: テルアム


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18/24

失格者の葛藤

「うぅ....」


目が覚めると僕は見知った教室に倒れていた。


そうだ、僕は死んだのだ。

ゲイルとかいうやつに腹部を貫かれて。


あたりを見渡すが奴等もアイシャも姿が見当たらない。

どうやらアイシャは連れ去られてしまったらしい。


僕は地面に拳を思い切り叩きつける。


「くっ!...]


打ち付けた拳がジンジンする。


「なんで...なんで!!」

叫びそうになったが言葉を押し殺して心中で嘆く。


どうして僕はこんなにも弱いんだ....


昔の独裁者などは言った、

「強ければ何も失うことはない、だが弱ければ強者に蹂躙されるだけだ」


僕が強ければ、こんなことにはならなかったのかな....


アイシャに迷惑をかけず、守ってあげることができたのかなぁ....


だけど、嘆いていてもしょうがない。


助けに行かなければ、アイシャが僕の立場だったらここで折れるなんてせずに

絶対に助けに動くはずだ。


僕は彼女みたいには絶対になれない、でも近づくことはきっとできる。


そう、彼女なら絶対にこうする。


そうして僕は教室を飛び出て駆け出した。


どこにいったのかは正確にはわからないが、まだ廊下には魔力残滓が

残っている!


これくらいなら僕だって見ることができる。


魔力の濃さからしてここから出ていってざっと5分くらいか!

なら、まだ近くにいるはずだ!


いや、やつは魔法の扱いにとても長けている。


上級や特級の身体強化系の魔法でも使われていたらもう学園の外に

出ていってしまっているかもしれない...


待てよ?そこで僕の脳裏にあることが思い浮かぶ。


この学園には部外者が入り込めないように結界魔法が施されている。


さっき放送で一時的に結界が歪んだと言われていたが、ただの不具合で

修正が済んだと言っていた。


きっとあいつらは歪んだ瞬間に侵入してきたのだろう。


今は正常に機能しているということは生徒登録されていないものは

出入りが不可能なはず。


ならばアイシャはまだ校舎内の何処かにいる!!


そしてまた結界が何らかのもので歪んで出られるのを待っているはずだ、

なら、まだ間に合うかもしれない!!


僕は学校の構造はほとんど理解している。


ふっふっふ....なぜなら誰にも邪魔されずに過ごせる場所を入学してから毎日

探していたからだ!


決してボッチで教室に一人でいるのが辛かったわけではない。

あえて一人になりたいときのためだ。


考えろ、考えろ!


人から身を隠せてなおかつ潜みやすい場所は....


あそこしかない!!


ここから少しだけ離れていて、大型の機械を収納している倉庫だ!


僕はそう確信して一目散に走り出した。


「ふぅ、私の作戦に抜かりはないはず。あとは結界が歪むのを待つだけだ」

「これで私はようやく七魔人に昇格できる」


だがなぜだろう、先程からなにか嫌な予感がしてならない。

背筋が凍るような感覚だ。


なんだ?わからない。 

「いや、大丈夫だ。必ずうまくいく」


「はぁはぁはぁ.....」


着いた。このあたりから魔力残滓が感じられる。

きっとこの中にアイシャがいる。


「待ってろ、今助けにいくからな」

僕にはこれがある....

そう意気込んで僕は重たい扉を開けた。


奥に進んでいくと人影が見えた。


横になっているアイシャとゲイルだ。


見つけた!!


するとゲイルもこちらに気づいたようで声を荒げる。


「またお前か!なぜここがわかったのだ!」


「勘ってところかな」


「ちっ!結界が歪むまであともう少しというのに!」

「まぁいい、ならばもう一度死ね!!」


そう言ってゲイルは無詠唱で初級魔法の魔力弾を放ってくる。


いつもの僕であれば防ぐのは難しいが、今の僕にはこれがある。


「中級魔法具!エルメスの盾」


あたりに煙が舞う。


この魔法具は中級相当の魔法まで完全無効化してくれるものだ。


先程、こちらに向かう途中で魔法具庫からぱっく...借りてきた。


これがあればなんとかなるかもしれない!


そして借りてきた魔法具はもう一個ある!


「中級魔法具!風雷剣」


こいつは風と雷の魔力をまとって斬撃として飛ばすことができる。


ゲイルは最初の一撃でぼくを殺したと思っていたのだろう。


煙の中からでた魔力斬は完全にゲイルの隙をついた。


「むぅ!!」


もろに斬撃を浴びてゲイルが血飛沫をあげながら倒れる。


それは明らかに致命傷だった。


よし!なんとか勝つことができた!!


やはり魔法具の力は偉大だな、心の底からそう思う。


早くアイシャを連れて逃げよう。


そう思って僕はアイシャのもとに駆け寄った。

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