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失格者の英雄譚  作者: テルアム


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12/24

無茶ぶりはよせや!

「お帰りなさい....父さん、母さん」


よし、完璧だろう。


そう思って二人を見ると、驚いた表情で目を見開ていた。


え?今日はなんかみんな目を見開くな、

ドライアイになっちゃうぞ?


なんてことを思っていると、父さんが口を開いた。


「テルアは学校にはしっかり行っているのか?


「...はい、そうです」


びっくりした、話しかけられるとは思っていなかったな。


「ここで話していてもしょうがないな、

続きは会食の時に聞かせてもらうとしよう」


そう言って中に入って行ってしまった。


アリアが先頭で案内を行い、その後をアイシャがついていった。


結局、母上とは何も喋らなかったな。


そうして会食の時間になり、

我が家の食卓には初めて全員が揃うこととなった。


するとアイシャが、

「お仕事お疲れ様です、今日だけでもしっかり休んでいってください」

と述べる。


「ありがとうアイシャ、君は聞いたところによると学年一位を

 取り続けているそうじゃないか。

 この間行われた模擬戦では強い相手に圧勝したとか」


褒められたアイシャはとても嬉しそうだ。


するとアイシャが口を開く、


「そういえばこの前の模擬戦でお兄様が、ガイアス・ハーデスに

 勝ったんですよ!!」


と嬉々として語り始めた。


おいおいおい!余計なことを言うんじゃないよ!

せっかく今まで空気でいたというのに...


すると父さんが

「それは本当なのか?」

と僕に聞いてきた。


「なぜか偶然が重なり、勝ったことになりました」

と答えた。


だって実際にそんな感じだろう。

ボコられた記憶しかないし....


そうすると父さんは少し考えるような仕草をして視線をそらした。


母さんに関しては、ずっと黙って食事をしている。


ふむ、家族仲が悪いとアイシャが悲しむかもしれないな。


「母さん、近ごろの調子はいかがですか?」

と聞くと、母さんはぎこちない笑顔を作り


「えぇそうね、最近は料理が楽しいわね」

と返してきた。


明らかに動揺しているし、最近の調子を聞いたのに。


その後はアイシャと両親の会話が続き、会食は終わった。


席をあとにしようとしたら、父さんが僕たちを引き止めた。


「そういえば君たちに話がある」


なんだ?と思っていたら衝撃の一言を発した。


「君たちには今度行われる舞踏会に参加してもらう。

 そろそろ君たちも社交界にでるべきだろう」


なんだって?舞踏会だと?ダンスなんて踊ったことないぞ?

無茶ぶりはよしてくれよ親父。


そもそも僕が出たところで一家の恥さらしじゃないか?

と思っていると


「テルアもアイシャも見てくれは良い、交際の申込みをされるかもしれん。

 そうなればさらに人脈を広げることができるだろう」


なるほど、要はアイシャの婿探しか。

当然僕はおまけだろう。


いや、おまけにもならないか.....


いつも通りこの男はエイデス家の繁栄のためにあくせく働いているのだろう。


ちなみに父さんは結構偉い立場の人だったりする。

母さんは父さんの秘書として働いてる。


それにしてもアイシャが交際相手を見つけるのかー


早すぎやしないか?

そうしていずれ結婚するのだろう。


どうかもう少しお兄ちゃんのままでいさせてくれ、

なんてことを思う。


だってまだ兄らしいことを一つもできていないしな。


「舞踏会は1週間後だ、それまでに作法やダンスなどをしっかり復習

 しておきなさい。エイデス家のものとして恥がないようにな」


そういうと部屋から出ていってしまった。


あと1週間後かー


ん?あと1週間後?


ちょっと待てよ、僕はマナーなんてそこまで知らないしダンスなど

生まれてこの方一度も踊ったことなどがない。


それをあと1週間で仕上げろだって?

無茶ぶりが過ぎる。


そして僕は父さんが出ていった扉の方を見ながら、


「クソおやじが」


とつぶやくのであった....



一日投稿日が空いてすみません!

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