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ラジオネーム

作者: ばんがい

私の友人のエヌさんが以前こんな体験をしたそうです。


エヌさんは在宅の仕事をしていて、昼間にラジオをよく聞いているそうです。


昼間のラジオに投稿されるハガキって、今日嬉しかったことや、悲しかったことを聞いてほしいとか、自分の誕生日なんでおめでとうを言ってほしい、そういう取るに足らない、なんてことのない普通の内容が多いんですって。


エヌさんも何度か投稿してみた事があるそうです。

もちろん本名ではなくてラジオネーム。つまりラジオ投稿専用のペンネームを使っていました。


エヌさんの投稿は一度だけ読まれることがあったものの、それ以来採用されることはなく、そもそも仕事の息抜きに聞いているラジオだったので次第に投稿の熱も冷め、聞く専門になっていきました。


そんなある日エヌさんに少し不思議な事が起こりました。


自分の使っていたラジオネームで投稿する人が現れたんです。


最初はラジオネームってそういうものなのかな。被っても別に気にされないものなんだなと思っていたそうです。


しかし、少しだけ引っかかることがありました。

なんだかその投稿者と自分の生活が似ている気がしたんです。


エヌさんと誕生日が同じであること、自分と同じ在宅の仕事をしている事、一人暮らしであること、投稿のたびに少しずつ分かってくる相手の情報が、自分とピタリ一致するんです。


自分と同じラジオネームで、自分と同じ生活をしている人の投稿を聞いているうちに、なんだか自分の記憶の方が間違ってるんじゃないかという気さえしてきました。

本当にこの投稿は自分のものではないのだろうか?もしかして今でも自分はこのラジオに投稿を続けているんじゃないだろうか。


自分が夢遊病や二重人格にでもなったような気分で非常に気味が悪かったとエヌさんは言っていました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 健忘症の恐怖って奴ですよね。 いや、子供の頃も宿題をやった筈なのにやってきていない悪夢が目の覚めた後も記憶に残って、不安になるというか。 そういう誰にでもある可能性が題材なので、確かにホ…
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