表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/391

クリテリウム①

個人タイムトライアルが終わった後、ずいぶん時間が空いたので、2時間のエンデューロを観戦した。


ピットの上から、コース全体が見渡せるようになっており、そこからスタートを観察する。


参加者が一番多い競技で、200人以上が参加しているのだが、やはり前回、冬希が参戦したエンデューロと同じく、スタート位置では場所取り合戦になっていた。


集合がかかる前から、多くの選手が集合位置に待機しており、集合がかかってコース内に誘導された後は、集合前からの待機組で前の方は、ほぼ埋まっていた。


前回はわからなかったが、今なら理由はわかる。


みんな、出来るだけ先頭集団に入りたいのだ。


スタート位置が後ろになればなるほど、集団が途中で途切れた時に、後ろに取り残される可能性がある。

先頭交代をしながら進む集団に、たった一人で追いつくのは、至難の業なのだ。


その代わり、先頭集団に乗ることが出来れば、ドラフティングで、かなり楽に集団についていくことが出来る。


スタート位置が、勝負の明暗を分けると言っていいぐらいなのだ。


レースはスタートし、バイクが先導していく。

前回のエンデューロと違うところは、今回はプロの自転車チームが集団を引っ張っているという点だ。


スタート前、あまりにスタート位置に密集している選手たちに「こんな状態で走れるのか。狭すぎて、みんなぶつかるんじゃないか」と思って見ていた。


しかし、プロチームの選手が、かなりのスピードで集団を引っ張るため、団子状だった集団は縦に延びて、細長くなっていた。


その後、冬希が懸念していた通り集団は、中切れ、分裂を繰り返し、先頭集団は30人程度になっていた。


そして残り10分を切ったところで、数人がアタックして、最後はバラバラになり、最初にアタックをかけた人が逃げ切った。


その後、2位の人、3位の人が、ひとりひとり、ゆっくりゴールする。

それぞれ差が開いており、ゴール前の全力勝負にならなかった。


レースは、見るだけでも色々と学ぶことが多い。

次のクリテリウムでは、出来るだけ早めに待機して、前の方でスタートできるよう。


2時間エンデューロのゴールを見届けたので、昼食をとり、自分の出番に備える。


クリテリウムは3周。

しかし、フレンドリーパーク下総の1周1.5kmと違い、今回は1周2.4kmもある。

7.2kmは、全力で走るには長く、じっくり構えるには短い気がする。


やはりスタート位置は重要だと、早めに集合位置に並ぶ。

既に5~6台の自転車が置いてある。

冬希も、通行の邪魔にならない位置に、自分の自転車を丁寧に倒して置いた。


集合がかかり、コースに誘導される。

コース幅が広いので、冬希は最前列になった。


最前列から、後ろを見る。

コース幅は広いのに、整列すると、だいぶ厚みのある隊列になっている。

たしか、エントリー数は96名。会場に来ていない人もいるので、実際には、それより少ないのかもしれないが、それでもかなりの人数だ。


緊張してくる。

もうすぐスタートだ。


コースの横をすり抜けて、プロチームの選手が、スタートを待っている集団の前に並ぶ。

7人いる。

この人たちがきっと、先頭集団を引っ張っていくのだろう。


今回の大会で、MCを務めている人がカウントダウンを始める。

緊張が最高に高まる。

号砲が鳴り響き、クリテリウムが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ