永遠の夕方の中で
茜色に染まる町を1人で歩く。
今日の終わりを感じながら、
友達と別れる寂しさを感じながら、
影が濃くなっていく町を1人で歩く。
周りには誰もいなくて、
誰にも会うことが無くて、
この世には私しかいないと錯覚する。
世界の終わりを迎えた町を歩いていく。
でも、微かに人の気配を感じる。
ほのかに香る夕飯の匂い。
遠くに聞こえる車や電車の音。
灯りがついている玄関。
それらが、私以外の人がいることを教えてくれる。
影が濃くなっていくこの町で、それだけが証明してくれる。
でも、誰かに出会うことはなくて、1人町を歩いていく。
どこに向かうのかも忘れてしまったけど、
影から逃げるように歩いていく。