ペンギン一家と最近の日常
食料問題に備えて畑(木?)を拡張することにした。
何を拡張しようか?
少し思案していたが
ペンギン達は果物を好むようなので
果物の木を生やすことにした。
初め果物は保存に向かないのでは?と思っていたが。
今では果物が腐らないことがわかったので安心して拡張している。
昔収穫した果物が新鮮な状態で倉庫にあるから間違いないと思う。
試しに食べてみたが1か月前の果物なのに全然味が変わっていなかった。
果物系統の木と天然水の木
5対5くらいで増やすことにした。
・・・
そして、その日から
木の棒を地面に差しまくった。
差して、
差して、
差しまくった。
何日ほど経過しただろう?
気づけば家の隣には500m2の果物の木の森ができていた。
腰が痛い、・・・気がする。
あまり疲れていないことに驚きだが
流石に同じ作業は疲れる。
そんな時はペンギンと一緒に遊んだりする。
今では良きパートナーだ。
収穫や木材を運ぶのを手伝ってくれるばかりか。
たまに、狩りを一緒にしたりする。
そう。
生き物は大量のペンギンと自分だけ
と思っていたが
割りと他にも住人がいることに気付いた。
今まで何か動いているようなものを視界の端でとらえてはいたが
怖くてすぐに逃げていたから遭遇しなかったのかもしれない。
さて、
ここの動物だが・・・
・・・
結構攻撃的だ!
いつも通り畑(木)を生やしていると
遠くの方で音がした。
こっちに異常な速さで近づいてくる。
何だろう?と思った矢先にはすでに目の前にいて
いきなり突進攻撃をしてきた。
うわ。
と思ったが
傍にいたペンギン両親がボッコボコにしてくれた。
ボコボコになった動物を見ると
水牛だった。
前の世界と同じくらいの大きさの水牛だが。
まず、顔が怖い。
でっかい牙も生えてるんだが?
これモンスターじゃないのか?
と疑ってしまうほどだ。
このまま放置しておくわけにもいかないので
家に持ち帰って焼いて食べた。
ちなみに火は原始的に木と木を擦り合わせて出している。
木?だよね?
擦り合わせる時、金属っぽい火花が散るんだが。
・・・まあ、いいか。
うん。なかなか美味しい。
が、やはり調味料が欲しいところだな。
ペンギン達も喜んで食べている。
あれ、君たちって草食系じゃなかったの?
うん、?
美味しそうだったから食べる?
よしよし。
じゃあ、こっちの肉もあげよう。
肉が美味しかったのか。
その日からペンギン達はふらっと出かけて
水牛やら何やらを狩ってくるようになった。
狩ってきた獲物を見ると水牛の他に
イノシシ・・ぽい生き物
羊・・・ぽい生き物
他
どれも「・・・ぽい」がつくのは
どれも顔が怖く、
爪が尖っていたり、牙が角があるからだ。
よく、こんな怖そうな獲物狩ってきたな・・・
もしかして、ペンギンって結構強いのか?
試しに俺もペンギンの狩りに参加させてもらった。
ペンギン達に見守られながら
突進してきた水牛を木の棒で叩く。
一撃で水牛はポックリいってしまった。
あれ、?
こんなに簡単に?
・・・あれかな?
もしかしてこの周辺の動物は相当弱いのかな?
それかこの木の棒が凄いかだな。
木の棒に感謝を送る。
華麗な倒し方だったのか、
ペンギン達が拍手を送ってくれる。
いや・・ありがとう。
ん・・?
一緒に初討伐の握手?
あ、いいよ。。。
うん。
握手をしながらよく見ると。
ペンギン達が握手の順番待ちの列を作っていた。
あれ、・・・?・・・
君たち結構・・・増えた?
・・・マジか?
確かに最近増えてきたなーという気はしていた。
家の拡張やらもしていたし・・・
帰ったら数えてみよう。
・・・
で、
数を数えてみた。
・・・
・・・
・・・・
200匹はいるよね?
・・・増えたね。
・・・凄い、増し増しだね。
ペンギン両親に出会ってから1か月くらいしかたってないような。
単純に1日に2個の卵で30日くらいだから60匹。
くらいだと思っていた。
食料の関係でわかりそうなものだが
最近、ペンギン達自分で獲物狩って食べてるからなー。
それに、ペンギンの数が増えてきてからだが
木の実を捥いでも一日ですぐに実が復活し始めたからなー。
たぶん、それでわからなかったのだろう。
そういうことにしておこう!
うん。
ペンギンもそうだけど、もう少し辺りを探索してみようかな?
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どこからか、このペンギン達を数える男性を見ている者がいた。
ブッ
老人のような男性がお茶を吹き出す。
「えっ!?・・・こやつらは何をやっているのかな?」
髭から滴るお茶をぬぐう。
「ん?・・・この映像合成か何かなのかの?」
近くにいた女性に話しかける。
「いえ、運よく、たまたま入手できた、本当の映像です。録画で申し訳ないのですが・・・」
「・・・机と水晶にもお茶がついています。拭いてください」
女性が指をさす。
「こんな空間わし知らんぞ・・・てかなんじゃ?この空間」
老人が机と水晶のお茶を吹きながら女性に聞く
「調べましたがよくわかりません。こちらの映像の録画も苦労して何とか入手しました」
「生き物が住めるような場所ではないと思うのですが・・・」
「ふむ。そうか」老人が髭をなでる
「どれ」
老人が映像が映し出されている水晶に手をかざす。
時間が少し遡ったようだ
男がはじめのペンギンに指を差したところを映し出す。
「なんと、これしか時間を遡れないとは・・・しかも断片的でよく見えん・・」
「わしも引退かのうー?・・・これしかできることがないとは」
「またまた、お戯れを神様」女性が言う
「それになんじゃこいつは・・・?」
男性を指さす。
「人間じゃよな?・・・なんでここで生きてるのかのう?」
神様と呼ばれた人が良く見ようと水晶を色々やっているが
どうやらこの場面しか映らないようだった。
「・・なんでヤバそうな空間で呑気にアンクロワイヤーブル=パンゴワンの数を数えているのかのう?」
「しかも、あのペンギンはー・・・」
「人間なんかが近寄ることもできないほど強くなかったかの?」
女性がペンギンを数えているところを再度映し出す。
「たぶん男性は顕在ですね。いい感じに男性の足に集まってじゃれてるみたいです」
女性が男性の両足にピッタリくっついてるペンギンを指差す
・・・
・・・
・・・
神様と呼ばれた老人が出かける準備をする。
「いえ、残念ながら行くことは不可能かと・・」
女性が老人を呼び止める
「私も何度か試しましたが、まったく行けませんでした。」
「それどころか、リアルの映像すらも移すことができませんでした・・・」
「なんと!?」
神様と呼ばれた老人が水晶に手を翳す
パッとどこかの城下町が映し出される。
「わしでもだめか・・・水晶の故障ではないようだしのー」
「ふむ・・・そうか、だから録画じゃったのか」
「それにしてもよく録画をとれたのー」
老人が女性に賛美の目を向ける
女性がその目を背ける。
「たまたま掃除してたら水晶を落としてしまいまして・・・」
「その時にこの映像が出たので録画しました」
「えっ・・・もしかして花瓶が割れてたのって、そのせいかの?」
女性は目をあわせようとしない
「わからないように、ボンドか何かで止めてあったみたいなんじゃが・・・」
「それは私ではありません。」女性が振り返り真顔で言う
「もしかしたら、歌いながら箒を振り回してしまったので・・・」
「もしかしたら・・・万が一にくらい・・・引っかかってしまったかもしれませんが・・」
「断固として私ではありません」女性がキッパリ言う
「うむ。」
「とりあえず水晶には注意してみてくれるかの・・・あと箒も・・」
「何か映るかもしれないしの」
「わかりました」