ハイスペックな木の棒
この風変りな木の生活にも慣れてきた。
あれから、家の他に倉庫や簡易トイレを作成。
他にも机、椅子、食器・・・エトセトラ
身近なものはとにかく作った
作っているうちに匠な根性が芽生えたのか
妙に装飾を凝ったものを作ってしまったが。。。
・・・正直、日常使いには不便満点だった。
コップの裏側に隠し掘り!
とかいって幾何学的な模様を入れたが
水を入れても飲むときに変な方向にこぼれて飲めないし。
今ではインテリアとして大事な役割を果たして頂いている。
外敵?いるのだろうか?
わからないが。
獣に備えて家を中心にぐるっと柵を巡らした。
先端を尖らして5M程の柵だろうか
多少の動物なら入ってこれないだろう。
満足げに柵を見る
・・・
今、気付いたのだが。。。
木をそのまま生やした方がよかったのでは?
その方が断然楽だったのでは?
せっかくなので柵の周りに更に木を生やした。
10m前後の木がビッチリと綺麗並ぶ光景は
さながら、木の砦っぽくなっている気がする。
安全に越したことはないからな。うん。
ちなみに木の棒の使い方に慣れて来たのか
10mと15mくらいの高さの木の調整はできるようになってきた。
これらの作業で2週間程かかった。
生活環境を整えたところで
木を生やす以外に他の植物も生えないだろうか?
試しに棒で地面を耕して
「木以外の芽生えろー」と地面に差してみた。
何と次の日には小麦っぽいものが生えていた。
木の棒を付いた周辺1M前後に小麦が生えている。
まだ新しく作った場所なので周りが黒い地面で
黄金色がより際立つ。
しかも、良い感じに実って借り入れ時だ。
1日でここの植物成長するけど、おかしくないか?
時間の概念も違うのかもしれない。
まあ、いいか。
小麦畑でも作ろう。
辺りの地面に1m間隔で木の棒を差しまくる。
気づけば夜が過ぎ朝になっていた。
強めの光が木漏れ日のように差し込む。
初めは上空も真っ黒だと思っていたが。
最近は朝は空が明るいことに気付いた。
目が慣れてきたのかな・・・?
そんなことを考えながら
ホクホク顔でできたばかりの小麦を借り入れる。
が、
小麦を刈ったのはいいが粉にする道具がない。
試行錯誤で粉にするに至ったが
3日もかかってしまった。
小麦は面倒なので
他の何か楽に食べれて保存効くものをお願いしますと思い。
畑を作ってみると
次の日には山芋のような細い食べ物ができていた。
軽く木の棒で掘ってみると
これまた、金色の芋山芋ができていた。
そもそも、芋なのかも怪しいしが・・・
食べても大丈夫だったので良しとしよう。
そういえば、大抵の食料の色は金色だな。
水っぽい果物の木(天然水と名付けている)も
若干キラキラ光って
ラメっぽいし。
果物も表面の色は違っても種とかが金色だった。
緑の木もたまに夜見ると金色に発光する時があるんだけど
あれは何なのだろう?
この場所と何か関係があるのかな?
まあ、考えても今わかるわけではないからな。
よし。さすが木の棒だ。
ただ、
・緑の木たまに謎の光あり
・小麦
・山芋
・果物の木(3種類くらい)
・水っぽい果物の木(天然水と名付けている)
のみしか、いくら試しても他のものは生えることがなかった。
まあ、これだけ生えれば十分だろう。
ちなみに・水っぽい果物こと天然水は
本当に水が丸く宙に浮くような感じで木から実を付ける。
それを幾つか木の壺のようなものに保存して
水として飲んでいる。
原理はわからないが暫く木の壺に入れておくと
丸い果物ような輪郭がなくなり、純粋な水になる。
とても便利だ。
ちなみに、謎の木の棒だが
「家生えろ!」
とか。
「道生えろ!」
とかは無理らしい。
想い付く限りの言葉を選んで試したが
だめだった。
もちろん、一日かけて試したのだが
いろんな体制で試してみたりしとことは秘密だ。
あれだけやって成果がないのはちょっと恥ずかしい。
うん。仕方がない。
それに、木の棒を手にもっていると力が湧いてくるようで
体力が減らない気がする。
気がするだけかもしれないが・・・
今の機能でも十分ハイスペックだからね。
木の棒君。
よしよし。
・・・・
さて、
今、この世界に来て初めての
植物以外の生き物と対面している。
いつも通り柵を出て、木を生やしに行こうとしたら
そこにいた。
それはペンギンだった!