腕立て伏せ
さてと、だいぶ目も慣れて来た。
うん、ここはどこかな?
うつ伏せになりながら
見渡す限り真っ黒な世界を見渡す
上下左右全てが漆黒に包まれてよくわからない。
かすかに遠くに青白い地平線が見えることから上下が分かる程度だ。
なぜ、こんなことになったのか?
自分の行動を振り返ってみる。
うーーん。
確か体が訛っていたから家で何となく腕立て伏せをしていたような。
そしたら、久しぶりにやったせいか徐々にヒートアップして
まだまだ、追い込める。
いける!、いける!
気を失ってもやれ!
いや、もっとやれ!とか思って
調子に乗ってやってしまったっけ。。。
そして、ほんとに気を失った
と思ったら今、ここにいるっと。。。
何か知らんが体が痛いから腕立てしてたことに間違いないだろう
つくづくアホだな。うん。
一人で勝手にそう納得しならがらそう思いながらうつ伏せの体を起こす。
今は治っているが所々無数の切り傷が目に入る。
20台前後の男性がそこにいる。
うん、たぶんここに来る時に怪我でもしたんだな。
そう思いながら20台前後の男性が頷く
さて、っっと!!
おっ!?
立ち上がる時に自分の尻に「棒きれ」を踏んづけていたことに気付いた。
とりわけ変哲もない、「ただの木の棒」だ。
装飾もなければ、人が手を加えたようすもない。
何となく目に留まったのは、この空間が漆黒で他に何もなかっただからだろう。
まあいい、辺りを探索するのに役立つかもしれない。
先程より慣れて来た目をこすりながら周辺を歩く。
漆黒だと思っていた世界はどうやら黒一色ではなかったらしい。
上空と思われるところには所々青白く光る砂が地面に向かって落ち
その下には光輝く小山をつくる。
そんな砂時計のような光景が
遥かかなたまで至るところで行われている。
綺麗だな・・・
ここがどこなのかも忘れて歩きながら見る。
3時間後
・・・どうしようか
ない、何もない。
いや、あったことはあったよ。
何かやたら枯れた大きな木がたまに生えてたし、
岩っぽいものもあった。
でも他がない。水も食料もない。
ここがどこかわからない以上、助けを待つまでの最低限のものは欲しいところ。
どうしようか?
と悩みながら枯れた大きな木の近くに腰かけて
暫く来た道を見ていると。
ポツッポツッと緑色の点が現れた。
・・・
なんだろう?
近くによってみると木の芽だった。
1cmくらいの小さなものだが、間違いない。
あれ?
こんなもの来た時あったかな?と思っていたが、
納得した。
自分の足幅に合わせてあることから
たぶん木の棒をついたところがそうなったのだろう。
そいえば、ステッキがわりにしてたっけ・・・
よし、そうか。
っと
手にある「木の棒」を掲げて黒い地面に思いっきり突き刺す。
「木でろーーーーー。」
半場冗談のつもりだったが、
思いっきりその場から木が生えた。
緑の木が思いっきり生えた。
ええ、生えましたとも
しかも結構でかい!
高さ15m弱はあるんじゃないだろうか・・?
え、この棒はもしかしてその類のものなんだろうか。
おーおー。
いいじゃないか!
それなら、生やしてやろうじゃないですか。
その後、ちょっと不思議な現象が嬉しかったので
木を生やしまくった!
生やして、
生やして、
生やしまくりました。
思いのほか楽しく
気づけばあたりが林になっていた。
しかも、もう夜っぽい。
上空には光る砂の周りに無数の星々が見える
あ。しまった。
食料問題とか解決してないのでは?
自分のはしゃぎ具合を反省しながら
その日は木を自分の周りに囲って安全を整えながら寝た。
次の日の朝
どうやら問題は解決できた。
生えた木の一部から丸い果物のようなものや、
水の塊のような透明な実をつける木があった。
試しに少し口に含んで時間をおいてみたが
特に体に異常はなかったので
たぶん、口にできるのだろう。
他に生物らしいものが自分しかいないので、自分で試すしかない。
さて、そうと分かったらやることは一つだ。
また、木を生やした。
これでもかというくらい生やした。
100m四方は森っぽくなった気がする。
そして、生やし続けて3日目・・・
この謎の棒について気づいたことが幾つかある。
木を生やすだけではないということ
「割と何でも可能」だということ。
何となく棒で生えた木に振りかざしてみたが、
豆腐のように何の抵抗もなく
木がすっぱり切れたときには驚いた。
他にも削ることや、鞣すことことも可能だ。
せっかくなので、安全な家でも作ってみようと思い
木を伐り、鞣し、木材にし、家みたいなものを作ってみた。
なかなか、立派なものではないだろうか?
他にも調子に乗って、簡易ベットやら、椅子を作った。
どうやら、この木の棒を持っていると力があがるみたいだ。
重たい?(そもそもこの木が軽いのだろうか?)木もすんなり運べて。
力任せに組直して作った。
強度は心配だが一度組んだものは、なかなか離れなかったので大丈夫だろう。
とりあえずのしのぎの場所だしな。
よし。これで住む場所と食料問題は解決だな。
そう思いながら出来立ての家のベットで寝た。