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序章 「風の鳴く日」


 騒がしい音が聞こえてくる・・・鎧が奏でる聞きなれた金属音

聞きなれてはいるが、何時までたっても好きになれそうにない音が

大量に押し寄せてくる   だが  ソレハ  タブン


 「まあ、なるようにしかならないか・・・」


 王座の前で一人つぶやいてそのときを待つ・・・いや独りではないか

足元で倒れている少女のまるで人形のように整った顔を眺める。

床に広がった金色の髪はそのまま光になって溶けてしまいそうに

なるほど輝いている。


 「あいかわらず見た目だけは女神だなこりゃ・・・」

と、本人が聞いたら怒り狂いそうな言葉を投げかける。

いや、「そうな」じゃなく、確実に、だ。


 そうしてしばらくその顔を眺めて続けていた。

耳にはどんどん大きくなっていく鎧の音を捉えながら・・・

どれほどの時間がたったのか感覚が曖昧になってきたころ

すべての音が一瞬消えさった。


 「ついに追っ手のお出ましか」


そう言葉にした次の瞬間王座の間の扉が勢いよく開け放たれた


 「祖国を裏切った大逆の罪人グレン・リヴェイユ!

  お前の企みもここまでだ!このレイス・ランカスト

  が姫様をお救いし、貴様に引導を渡してやる!!」


そう言って現れたのはこれまた金髪の騎士だった


 「その頭悪いひねりのない口上はどうかと思うぞ」


 「うるさい!裏切り者の言葉なんぞ聴く耳もたん」


(というか、最初に来たのがこいつとは・・・ついてるんだか、ないんだか・・・) 

(騎士団長のサイクスの爺さんとかだったら逃げるのは難しかったかもなぁ・・・)


 「聞く耳持たないのは昔からだろ・・・」


 「ともかく貴様の悪行もこれまでだ!おとなしく

  自分の罪を悔いながら私に斬られるがいい」


 「いや、それは無理」


 「何故だ!」 

 

 「男に斬られるなんて死んでもごめんだね」

  

 「はぁ!?」

 

 「まあそーゆーわけだから逃げるわ、俺」


 「は?ちょ、ちょっとまて」


 「あ、リース姫は置いてってやるから自分の手柄にしろよ」


 「い、いや、だから・・・」


まだ何か言おうとする騎士を尻目にテラスに向かって歩き出す

最後に少女の顔を一瞥しながら・・・


 「まあ、いろんな意味でさよならだ」


そして一気に加速をつけテラスから一気に飛び降りる!!


 「ま、まて!!」


騎士があわてて後を追いグレンが飛び降りたテラスに駆け寄り

下を覗き込む・・・


 そのとき風を切り裂くような咆哮が城全体を揺さぶった


 「あれは守護竜レイテヴァヌス・・・・」


騎士が見たのは翼を広げる白き荘厳な竜とその背に立つグレンの姿・・・


 「あいつめ、祖国を裏切っただけでなくわが国の象徴をも強奪して

  行く気か!!逃がしてなるものか!!


踵を返して後を追おうとした瞬間、床に倒れた姫の姿を見てあわてて踏みとどまる


 「まずは姫様を安全な場所にお連れせねば・・・」


姫のそばに駆け寄りそっと抱える、そして後続の仲間と合流すべく走り出した


 「しかしあいつめ必ず私の手で引導を渡してやる」


走りながらも決意を新たにする、そして・・・


 「やってやるぞぉぉぉぉぉ!!!」


と決意を新たにした瞬間、腕の中の少女が目を見開いた!


 「うるさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」


繰る出される右こぶし、避ける暇もなく騎士は夢の世界へいざなわれていった・・・








 「なんか聞こえたような・・・」


 グレンの耳に風に乗ってなにか届いたような気がした


 「まあ気のせいか・・・」


 風をきって飛んでいる今はそんなことはささいなことだ

この飛んでいる感覚は何にも変えられないほどすばらしいものだ


 「さあ、レイテ・・・どこに行こうか?」


足元の竜に話しかける


だが竜は人の言葉は操れない


しかし風を切り裂くあの咆哮で高らかに応えた 


 「まあ、とりあえず気の向くままいこうか」


それに対してグレンはそう応える


そしてそのまま一人と一匹ははるか大空へと羽ばたいていった 




 序章 「風の鳴く日」 完

お読みいただいた方ありがとうございました

世界観とか設定とかは今後物語の中で書いて

行く予定です

つたない文章ですがよろしくお願いします

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