異世界と普通な高校生
更新するかは分かりませんが、読んでくれると嬉しいです。
何の変哲も無い普通の日常。それを俺井上保人は望んでいる。何の変哲も無いというのは少し語弊があるかもしれないが、まぁ世間でいう一般的な日常を望み、過ごしていたわけだが、今現在俺は荒野にいる。
「何じゃこりぁ〜〜〜〜」
何もない広大な荒野にはその叫びはひどく虚しく響くばかりで当然返事は返ってこない。
「ここはどこなんだ」
一度冷静になって考えてみるが、いくら考えてみても何の見当もつかない。
「どうしてこうなった」……
俺井上保人は高校二年生のどこにでもいそうな普通の高校生だ。クラブには入っておらず、彼女もいないが、友達はそこそこいる。外見は黒髪で、少しつり上がった目が特徴的で身長は170㎝くらいある。そんな普通な俺だが今日も現国の何の面白さもない授業を聞き流し、家に帰っている途中、ふと道端に落ちていた一冊の本が目に入った。
「何だこれ」
なんだか古臭い本だと思いつつ、好奇心に駆られ本の中身を確認して見たのだが、何も書かれていなかった。
「何も書かれてねぇじゃねぇか」
そう呟いたその時、突然本が光り出したのだ。
「まぶしっ」
その光に呑み込まれ、俺の意識は暗転した。
「あの光に呑み込まれてから記憶がないから、多分あの本が原因で起こったことに間違いないな。」
分かったことはそれだけであり、解決の糸口もつかめていないのが現状である。これからどうすればいいのかと、一人荒野で唸りながら考えていると、遠くの方から音が聞こえてきた。
「考えていても、拉致があかないとりあえず行ってみるか」
そういって踏み出した一歩が彼のこれからの人生を大きく変える一歩だということをその時の彼は知る由もなかった。