常盤(ときわ)ジャッジ
足跡が伸びて
道ながらに進み
いつの間にか
くだらない現実で
立ち止まり
嘆き叫びながら
仙人掌になる
枯れ難いとは
人にしてみれば拷問か
最後の最後まで生かされる
無条件に存在しろと
突き付けられる
唯一 出来る事は
誰かに刺さる様に
棘を作るだけか
忘れ去られた
茶色の植木鉢
取り残された
最後の植木鉢
此方を向いて
棘を出す
此方の為に
棘を出す
塊が遠くに見え
近づけば
道端に良くある
肉の塊に成り果てた
生き物の形
人によって殺されても
人の近くでしか過ごせない
そんな人間も
たまに見るのだが
あれと何が違うのか
世界一狂暴な生命体は
人間以外に居ない
もう知っているという顔が
どれだけ並ぶだろうか
失われた物が
生命体として
大切な部品なら
失われた物に
替えはきかない
人殺しには
ならなくても
僕等は
きっと殺し屋だ
動物を殺し
植物を殺し
稀に
人を殺し
罪人を殺し
悪人を殺し
たまに
自分を殺し
心を殺し
身体を殺し
最後に
与えられた時間を殺して
自分自身を
棚上げしている人間を
僕は何人も見た
僕は何人も見た
「それでも」と言える理由を
あなたは
持っているだろうか
それは
必ず光になる
大切な灯りになるから
もしかして
仕方ないと思っているのか
それでも構わない
それは必ず
あなたの首を締めるから
僕はこの目で見た
あの苦しそうな顔を
誰も助けない
悲しい顔を