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high  school friend's

作者: 恋夢

僕は今、クラスで孤立している。

別に、好んで一人でいるわけじゃ無い。

ただ……、僕が唯一話せる親友、城崎良太とクラスが離れてしまっただけなのだ。

昼食は良太と一緒に食べてるし、学校自体は楽しくない訳では無い。僕自身は自由に学校生活を送っている。ただ、前に良太に言われたことが気になっていた。前にこんな会話をしたことがあった。

『お前、新しいクラスではどうなの?』

『相変わらず馴染めないでいるよ』

『ほんと、変わらないな。孝介は』

『そうだね』

『いや、そうだね。じゃないから!変わろうとかクラスメイトと仲良くしたいとか、思わないの?』

『お、思うけど……』

『けど?けど、なんだ?』

『上手く話せないというか……、何というか……』

『はぁ……、それはお前が今一番努力しないとダメなとこだろ』

『でも……』

『でも、じゃないって。やらないとダメなの!わかった?』

『はい……』

僕のことを心配してくれてのことなのはわかっているけど、どうして僕のためにそこまで熱くなってくれるのだろうか?僕にはよくわからない。

昔、同じようなことがあった時に聞いたことがあるけど『お前が心配なだけだよ』ってはぐらかされたし……。

今回も聞いたってどうせはぐらかされる。そう、決めつけて僕はネットの世界に引き籠もる。

_やっと、学校終わったぁ。これから帰る。

こんなどうでも良いツイートをする。しばらくすれば、『お疲れ様』『おつかれー』等のリプが送られてくる。

別に普通のことなのかもしれないけど、僕にとっては非常に嬉しいものだった。

色んなツイート見ながら帰宅していると、あるツイートを見つけた。

_ちょっとしたアンケートします 学校って楽しい? アンケートに答えたら拡散お願いします。

 1.楽しい! 2.楽しくない

 これを見たとき僕はすごく悩んだ。こんなものに答えても、学校が楽しくなるわけじゃ無い。クラスメイトと話せるようになるわけじゃ無いから。

そもそも、もう絡む必要も無い。そう、割り切っていた僕にはすごく難しいアンケートだった。さんざん悩んだ結果、答えないまま放置してしまっていた。

ある時、クラスメイトの女子に話しかけられたことがあった。

『ねぇ、君が喜多君?』

『えっ?!あ、うん。そうです…』

あまりにも急に話しかけられて声が少し裏返ってしまった。僕の反応が面白かったのか、その子はクスクスと笑っていた。

『えっと……、あの、用件は……?』

『あ、ごめんねぇ。喜多君の反応が面白くって』

そんなことを言われてすごく恥ずかしかった。その子は悪気があってやってるんじゃ無いのはわかっている。けど、あまり良い気分にはなれなかった。

用件は、提出課題を集めているから出してほしいというものだった。ごく普通のことなのだろうけど、あまりこういうことはしてほしくないと思った。

あれからは提出課題は事前に出すよう心がけている。ただ、良太と話すネタになったのは良かったと思っている。

皆が何の気なしに送っている学校生活が僕には少しずつ苦痛に変わってきていた。

理由は簡単、話す人がいないからだ。あれだけ、絡む必要が無いと決めつけていてもやっぱり何処かで絡みたいと思っている自分がいる。

でも、上手くいかない。動くことが出来ない。そう、何かに怯え縋るように良太の所へ行く。こんなことの繰り返しだった。

何度も何度も繰り返しているうちに、僕は気がつけば学校に行くことをやめてしまっていた。

今、あのアンケートをもう一度見たならば、迷わず『楽しくない』に票を入れていただろう。

朝から晩まで一日中ネットの世界に潜り込んでいるような生活をしていた。

学校に行かなくなってから一週間くらいが過ぎた頃に一度良太に無理矢理学校に連れて行かされそうになったことがあった。家から、引きずり出されそうになったのだ。

『孝介~、学校行くぞ』

『行かない』

『お前、一週間も休んでたら流石にまずいだろ。しかも、無断で』

『別にいい』

『あー、もう!行くぞ、ほら』

『行かないって、ゆってるだろ!』

このとき僕は、子供が親に駄々を捏ねるように抵抗した。

『離せ!離せってばぁ』

服の襟元を引っ張って僕を家から出そうとする良太に必死で抵抗した。少しして良太は掴んでいた襟元を離した。

その時、僕は、床に後頭部を軽くぶつけた。

『痛っ、もう少し優しく離してよ』

後頭部を押さえながら文句を言う僕に対して、良太は見下したように鋭い目つきでこう言った。

『もう、お前のこと何か知らないからな』

それは、僕にとってすごく胸に突き刺さる言葉だった。

あの日から、良太と一言も話をしていない。話しかけても、相手にされなくなってしまったのだ。

それは、僕にとってはかなり、辛いものだった。なんとかして和解しようと思っても、良い案が全く思いつかなかった僕は、ネットに頼ることにした。

_こないだ、友達と喧嘩をしました。こんなことは初めてなのでどうして良いのか酷く混乱しています。和解する良い案があれば教えてください。

こう、呟いて、色んな人のリプに助けてもらおうと思った。でも、あまり良い案とは言えないような案ばかりだった。

『やっぱり、ダメかぁ……』

そう、ぼやき半ば諦めていた。

それから、しばらくして一通のリプが送られてきた。

_FF外から失礼致します。

 私も、以前同じようなことがありました。その時私もすごく悩んだことを覚えています。

 その時、私は喧嘩したときのことを思い出し、自分に非があったから揉めたんじゃないかと考えました。

 その、非があった所を改善しようと努力をしていると相手の方も自然と手を差し伸べてくれるようになっていました。

 もし、貴方に非がある所があるとすれば試して見てはどうでしょうか?

こんな、内容のリプだった。僕は、これだ!と思った。やっぱり、頼って良かったとほんとに思った。

早速実行に移そうと思った。こんなに直行動し始めることが出来るのも理由は明白だったからだ。

このリプを送ってくれた、奈々さんにフォローと返事をして明日から行動に移そうと思った。

_丁寧に教えてくださってありがとうございます。

 すごく参考になりました。もしよろしければ、色々と助言をもらいたいです。

 あ、後フォローさせて頂きました。

返事をして直にフォローと『いいですよ、こちらこそよろしくお願いします』という返事が返ってきた。

朝、遅刻しないように起きて学校へ向かった。久しぶりに入る教室はすごく緊張した。

教室に入った瞬間クラスがざわつき始めた。あちらこちらから『喜多君がきた』『お、喜多だ』と言ったように僕の名前が飛び交っていた。

約二週間程度学校に行ってないのだから当然だろう。しかし、こんなにも注目を集められるのは居心地があまり良くない。

ホームルームが終わった後、何人かのクラスメイトに話しかけられたが、あまり上手く話すことが出来なかった。

『喜多君、久しぶり。元気してた?』

『う、うん……。まぁ……』

こんな具合に会話が終わってしまうことばかりだった。良太と話しているときは普通なのに人と話すのがこんなにも難しいとは思ってもいなかった。

何度か良太ともすれ違ったが思うように話しかけることが出来ない、話しかけようとするとあの時のような鋭い目つきで僕のことを見てくるから、それに怯えて話しかけることが出来なくなっていた。

それからは、奈々さんの助言やアドバイスを聞き色々なことに挑戦してみた。例えば、知っているゲームの話をしている人達の話に割って入ってみるとか、勇気を振り絞って色々なことを試して見た。

少しずつクラスの輪に入れるようにはなってきたが、まだ上手く話せないでいた。

ある時、奈々さんとこんな会話をしていた。

「最近、どうですか?仲直り、出来ましたか?」

「いや、まだ出来てないです。ただ、クラスメイトとは少しずつ仲良くなれているような気がします」

「そうですか……。まぁでも、クラスメイトと仲良く出来ているのは良いことじゃないですか」

「そうですね。今度、話しかけてみます」

こんな風にクラスメイトとも会話が出来たらなぁと、最近こんなことばかり考えるようになっていた。

クラスメイトに、昼食を一緒にどうかと誘われた。良太と意外に昼食を食べるのは初めてで何故か緊張してしまっていた。

『喜多さぁ、最近明るくなったよな』

『そ、そう?』

『最初に比べたらだいぶ明るくなったと思うぞ』

こんな風に言われるのが嬉しくてしょうが無かった。良太と仲直りするためにとかそんなんじゃ無くて純粋にクラスにいるのが楽しくなってきていた。

僕にとって衝撃的なことが起こった。

同じクラスの、岡崎さんとぶつかってしまった。彼女は、『きゃっ』と小さな悲鳴を上げて携帯を落としてしまった。

『あ、ごめん』

僕は、謝りながら彼女の携帯を拾った。その時、少しだけ画面に映っているものを見てしまった。

そこには、『奈々』というTwitterの名前が表示されていた。

ま、まさかな……。僕は頭の中で勝手に否定を始めた。その日はそのことで頭がいっぱいだった。

あまりにも気になったから、翌日彼女に聞いてみた。

『あ、あの……岡崎さん。ちょっと……、いいかな』

『どうしたの?喜多君』

『じ、実は昨日岡崎さんの携帯拾った時に画面のかな少し見えちゃったんだ……、それで、このアカウントに見覚えない?』

僕は恥ずかし気に自分のTwitterのアカウントを見せた。

彼女はびっくりしたような反応を一瞬見せたが直に冷静になったようで

『ごめんね、見覚えないかな』

少し不機嫌そうに答えた。

『そっかぁ、僕の勘違いだったのかな。ごめんね、変なことを聞いて』

そう言い残して、僕は自分の席へと戻った。

戻り際に、彼女のことをちらっと見たが、そっと胸をなで下ろしているようにみえた。そんな風に見えたのも僕の勘違いだろう。そう割り切った。

それから数日後、良太ともちゃんと仲直り出来た。

新学年が始まってからと見違えるように僕は周りに対して明るく振る舞っていた。

始まった当初はクラスメイトとは一言も話せ無かったのに今じゃクラスの色んな人と話せるようになっていた。

良太とも前みたいに一緒に登校するようになっていた。

『お前、変わったよなぁ』

『そんなこと無いって』

『そんなことあるから言ってるんだ』

変わったよな、この一言が僕にとって一番嬉しい言葉だった。

朝、教室に入れば『おはよう』と言われる。これも、今までには無かったことだった。

『お、おはよう……』

未だに僕が言うのは慣れないでいた。

そんな、ぎこちない挨拶でも周りの人はちゃんと返してくれる。

このクラスの人達が好きになっていた。僕の学校は2年から各系列にクラスが別れているらしく、クラス替えが無いらしい。だから……。

これからの1年と半年の高校生活は楽しくやっていけるそんな気がした。

初めまして恋夢らむねです。

この度、ここで書かせて頂くことになりました。

以前もここで投稿させて頂いていましてそのアカウントを引き継いでいるのですが、名前を変えましたのでこの名前で投稿するのは初めてになります。短編書くのは初めてなので、まだまだ下手ですが読んでいただけていると幸いです。これから定期的に投稿していくつもりですのでよろしくおねがい致します。

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