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1話 新たな世界へ。

皆様、初投稿となり、色々と拙いとは思いますが


宜しくお願い致します。

ん。


目を開けてみる。

なんだ?水?液体?液体の中に居るのか?


俺、多分死んだんだよな?生きてたのか。いやでもそうだとしたら、ベッドの上、何時もの白い天井が見えるんじゃ無いのか?

ヤバい、疑問だらけだ。しかし、この液体キモチ良いな、つーか呼吸どうなってる此れ。

取り敢えず、現状は問題?は無さそうだ。その判断もどうかとは思うが。


周りを見渡す。液体の中、目に前には薄い半透明の皮膜。

手は、動くみたいだ。


ブニ、ブニ、


ゴムの様な、シリコンの様な、そんな感じかな?皮膜の袋の中が液体で満たされ、その中に俺は居るらしい。半透明の向こう側に見えるのは、うーん、暗くてよくわからんな。


手は動く、足も、動くらしい。だが、まるでずっと動かしてなかったかの様に、固まった感じだ。

ほぐす様に手足をバタつかせ、皮膜を触ってみる。

破けるか?行けそうだ。いやでも、この液体から出ても良いものだろうか?

だからと言って、此処にこのままという訳にも行かない。

人の気配もしない。


出るしか、無いんだろうなあ。


グッと手のひらで皮膜を掴むと両手で裂く様に、引きちぎる様に引っ張る。


ダメだ、破れる気配がない。


力を込める。さっきより強く、掌に意識して力を込める。

ボウっと両手を包む様に光が灯る。


ん?なんだ?


バシャッアアアアア!!!!!


皮膜が手が触れていたあたりを中心に破れ、中の液体ごと地面に叩きつけられる。



「っう! かはっ、ゴホっ!ゴホっ!オエッ!・・・ハアッハアッ…

出れた?・・・よしっ出れたぞっ!」



息を整え、辺りを見渡す洞窟?でも無いな、石壁というか、10坪程度の部屋らしい。かなり暗い部屋だ、しかし周りは見える。光源を探す、投げ出された場所から少し、段差が上がった場所の地面が光っている。段差を上がり光ったその地面を眺める。


「コレは……魔法、陣って奴か?」


漫画やアニメで見る様な、薄黄緑色に光る魔法陣と呼ばれる様なものが、地面に広がっている

直径3メートル前後の魔法陣だ。周りを見る。俺が入っていた破れた袋が床に落ちている。もちろん床はびしょ濡れだ。


この魔法陣の上に浮いてたのか??何かがきっかけで、破れたらしい。


「そうだっ、さっきは掌を意識して・・・こうか?」


もう一度掌が光る。白い、とも違う色がない。そうだ色がないんだ、ただの光と言えば良いのだろうか?

なんだコレは、でも、この光で破けたんだよな?さっきの袋。しかし液体に包まれていたせいか外に出ると寒い。



「はっっくしょおおおん!」



おお、さむっ、って、俺服着てないじゃん!裸だ、勿論下半身も・・・・・

アレ?生えてない・・・?生えてないぞ!いや、男子の大事な部分は生えてるんだ。そっちはあるんだが、

毛がない。なんでだ?んー、ん?なんか視界が低くないか?掌も、さっきは気が付かなかったが、小さい気がする。


縮んでる、のか?



ガチャ



扉の開く音だ。なんだ扉あったのか、いやそれよりもだ。誰か入って来た、俺よりは身長は高そうだ。

メイド服を着た、透き通る様な薄い金色の髪。耳は横に長い、コレはエルフって奴か?

此処が別世界だとして、いやもう別世界なんだろうよ。まあ、この世界で目の前の人物が「エルフ」と呼ばれる存在かは置いておいてだ。

俺が読んだ小説や映像作品でエルフ、とそう呼ばれる様な見た目をしている。

顔は、うんまあ見た事がないくらい美人だ。


彼女は俺を視認すると少し驚いた顔をした後、表情を戻す。そして俺に向かって言葉を発したのだ。



「おはよう御座います。お兄様……いえ、クロガネ ワヒト様…」





◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎




「あー、黒鉄 倭人ってのは勿論、俺のことだとしてだ。そのお兄様ってのは、んー俺の事じゃないよな?」


「はい、正しくはお兄様ではありません、ですがそうであるとも言えます」


「ちょっと良くわかんないな、どう言う事か説明してもらうことは出来るかな?と言うか、君の名前は?」


「私の事は、ナデシコとお呼び下さい」



撫子、大和撫子か?花の名か?日本名だよな。此処は異世界だとしても、日本と似た様な文化なのか?

まあ、その辺は目の前の彼女に聞けば良いか。


下から上へ舐める様に眺める。しかし、美人だ。可憐?清楚?だが何故、メイド服なのだろうか。

うん、でも記憶には無い自称妹だが、こんなに可愛い子にお兄様と呼ばれるのもそう悪くは無い。

まあ、何故か縮んだ俺よりも年上には見えるが。



「説明の前に、呼び方は、お兄様で宜しいですか?」


「ああ、まあそれで良いよ。君は、えーと撫子って呼んでも良いんだね?」



表情の乏しい子だと、思っていたのだが、薄く、口元、目元が微笑んでる様に見える。



「ええ、それでお願いします。では説明致します………」




◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎




彼女、いや撫子と呼ぼう。

撫子によれば、この世界はやはり異世界、らしい。俺が元いた世界とは違う。


魔法がある。俺が入っていた皮膜は、魔力に反応して割れる様に出来ていたらしい。

モンスターと呼ばれる魔族がいる。

科学と呼ばれる物は基本的・・・には無い。

時代は地球で言うところの中世頃。

しかし、地球とは違う世界である。

この世界に生きる生物は、大きく分けて


人種、妖精種、獣人族、魔族、竜人族


の5種族である。と言う事だ。人種はそのまま、人間族、

妖精族は、エルフや、ドワーフ、フェアリー、ドリアードなど。

獣人族は、狼人、獅子人が獣人族全体の8割を占め、他は種類が多すぎて把握出来ないらしい。

魔族は、多種多様。ツノあり無し、肌の色、など様々らしい。

最後に竜人族だが、竜人と、龍人タツビトと言うのに分かれると言う。


なるほど、まあ、この世界の事は段々わかってきたが。



「なあ、なんで撫子は地球を知ってる?科学を知っていたりさ、お前も転生者なのか?」


「いえ、私は転生者ではありません。私に異世界、お兄様で言う所の地球の知識があるのは私がお兄様とそう呼ぶ事に関係した理由になります」


「成る程、そこんところの理由って云うのはさ、勿論教えてもらえるんだよな?」


「勿論です。その為に私が居るのですから、その為に、私はお兄様を100年に渡りお待ちしていたのですから………」




◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎




その後、撫子は詳しい話は別の場所でしたいと、あの部屋を出て今案内を受け移動中で有る。

しかし、立ち振る舞い、歩き方、背筋が綺麗に伸び、とても綺麗だ。プロのモデルもビックリするんじゃ無いか?


周りを見ると坑道というかなんと言うか、薄暗い道、地面はキチンと整備されて居る室内の床といった感じなのだが壁などは坑道、石壁といった様相だ。


灯りはランタンの様な灯りが壁に等間隔に備え付けられて居る。だが、ずうっと、灯って居るわけでは無く、俺たちが歩くその場所だけいくつかの灯りが灯る様だ。まるでセンサーライトと言えば良いのだろうか。



「なあ、この灯りってなんだ?魔法ってやつか?」


「いえ、この灯りは発光ダイオードーと言う、地球の技術を進化させたものだと伺っております」


「えっ?」



科学は発達してないんじゃなかったのかよ。それって結局のところ、LED って事か?

伺っておりますって言うのも気になる言葉だ。



「科学は無いんじゃ無いのか?それに伺ってるって事は他にも誰か居るってことか?」


「基本的には、無いですね。いいえ、今現在は私とお兄様だけですよ?

………さて、着きましたこの部屋です」



扉の前で撫子が止まった、まあ良い、部屋についたんだ、説明してくれるだろう。


因みに俺はまだ、裸だ・・・・・寒い。




◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎




部屋の中に入ると事務的な机と、大きめのベッドとソファ。など少し広めの寝室と言った様子だ。

撫子は近くにあったタンスを漁ると黒いパンツとシャツ、パンツと同じ素材の黒のジャケットの様なものを渡してくる。


「此れをお召しになってください」




俺は渡された服に袖を通していく。

撫子は今度は机に近づくと引き出しを開ける、厚めの装丁の本を取り出し、俺の方に歩み寄る。


「この本を読んでくだされば、どうしてこの世界にお兄様が呼ばれたのか、私との関係、お兄様自身の事がわかります」



〝やっと、やっと取り掛かる事ができる。この世界にきて・・・・・・・20年、長かったがやっと取り掛かることが出来る。その記念に今日この日から記録をつける事にした。私の、私達の愛する息子、倭人をこの世界に転生させる為に。〟


日記だろう、そう始まっていた。



◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎



俺は今ベッドに腰掛けながらやけに豪華な装丁のこの日記を読んでいた、撫子は何故か俺の横に座って居る。近い、凄く、腿の部分が当たって居る。何度か撫子の顔を見るが目が合うと、「何か?」と言った様子で小首を傾げるのだ。チクショウ何も言えないじゃ無いか・・・

妹と言うよりは、お姉さんだ。しかも100年俺を待ったと言うくらいだ、100歳は超えてるって事だよな・・・最初に思った通りエルフ族らしいから長寿なんだろうな。



読み終わるのに2時間もかかった、ちょっとした小説だ。

かいつまんで言えば、まあ母の日記だった。俺の母の。

この世界にエルフ族として転生し、15で冒険者となり、その時、母と同時に転生していた父とやっと再会出来たらしい。

日記によれば父と母の転生には誤差があったらしく、地球の時間軸の50倍のスピードで、この世界は進んで居るらしい。向こうの一日が、こっちの世界では50日後と言う事だそうだ。


母は人族の父と、獣人、龍人とパーティを組んでいたそうで。なんやかんやでこの洞窟、いや正確にはこの世界の誰にも認識されていないダンジョンらしい。そこに移り住み俺を転生で呼び寄せる為に研究を続けていたらしい。

母はエルフ族の寿命を生かし400年研究を続けたみたいだ。

父は人族だった為70年で亡くなってしまったらしい。


因みに日記を読み進めわかった事だが、父と母は女神の力で無理に転生させられたらしく。

その詫びに一度だけ転生陣を行使する方法を教えてもらったらしい。

ただ父が亡くなり300年も過ぎた頃、母は何かのきっかけかは書いていないが俺が向こうの世界で死を迎えないと転生は為されないと言う事を知ったらしい。

こちらに来た父と母は体の作りが代わっており自分たちの遺伝子情報からは俺の遺伝子情報にたどり着けない事を知り。

俺の名と最後に俺がいると、母達が確認していた場所。つまり病院なのだが、そこからなんやかんやで、俺をたどり、死の際に放たれる存在を頼りに、範囲的に転生を成したらしい。ようわからんな・・・




親に捨てられたと思っていたが。まあ、なんか俺ってもしかしてだいぶ愛されてた。らしい。






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