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最弱ニートの異世界転生  作者: Rewrite
第四章
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23話

 というわけで今回のオチ。


 ヴォルカノを討伐した次の日。

 今日の夕方にギルドの方からヴォルカノを倒した報酬を配るとの連絡を受けた。

 今日のお昼頃に到着した王都の連中は、ギルドのお姉さんたちの説明を受けて、「ありえん!」、「そんなはずはない!」なんて俺たち始まりの街の冒険者をバカにした言葉を吐いたらしいが、ヴォルカノが住んでいた城の跡地を見て、言葉に詰まったそうだ。

 いい気味である。

 結局、骨折り損だった王都の連中はこの街の連中にドヤ顔をされ、ただただ怒りだけを募らせて帰っていった。

 ほんと、プギャー! である。

 そしてヴォルカノを討伐した俺たちはというと―――


「ちょっとユウマ! それ私のプリンじゃない!」

「いや、お前のじゃねえから! お前はさっき食っただろ! これは俺んだ!」

「私の物は私の物。ユウマの物は私の物でしょ!」

「何そのジャイアニズム!?」

「いいからよこしなさい!」

「それならお前のプリンちゃんよこせや!」

「全く……。ユウマとリリーナはいつも喧嘩ばかりだねアイリスちゃん。私たちはゆっくりプリン食べよ」

「はい。そうですねミカさん。……でも、あのお二人の言い争いを見てると、なんだかホッとします」

「そうだねー。なんか日常って感じがっ!? あー……。私のプリンが……」

「私のを半分あげますよミカさん。はい、どうぞ」

「ありがとうアイリスちゃん! アイリスちゃんはほんとに天使みたいな子だね。かわいいし、いい子だし、かわいいし」

「えへへ。なんだかミカさんユウマさんみたいです」

「え? そうかな?」


 こんな感じで何事もなかったかのように元の日常へと戻っていた。




 そして時は進み、場所も変わってギルド。


「それではみなさん。今回のヴォルカノ討伐の報酬をお配りしたいと思います。今回はヴォルカノを討伐したユウマさんパーティーの他に、みなさんには違う形での報酬を出したいと思います」


 ギルドのお姉さんがお金の入った袋をいくつも乗せた台車を運んでくる。


「それではこれからお一人ずつ名前を呼びますので呼ばれた方はこちらの方まで来てください」


 ギルドのお姉さんの指示通り、みんなが呼ばれたらお金をもらいに行く。


「なあ、この人込みに紛れて『潜伏』スキルで金取れねえかな?」

「なに言ってるんですかユウマさん。そんなことしたらメッ! ですよ!」

「全く、相変わらずユウマは外道だね」

「ホントね。救いようのない外道だわ」


 そして待ちに待った俺たちの番が回ってくる。


「それでは今回のヴォルカノ討伐の第一人者であり、討伐者であるユウマさん御一行は前までお願いします」


 ギルドのお姉さんに呼ばれ、俺たちは四人そろって前に出る。

 学校の全校集会でこんな目にあったらただの晒しもんだと思っていたが、今はそんなことよりお金欲しさが勝った。

 特に緊張することもなく前へとたどり着く。

 ただミカだけは予想通り途中でいったん転び、俺たちが前に並んだ少し後に何事もなかったかのような顔をして横に並んだ。が、少し鼻の頭が赤い。


「えー。今回もユウマさんパーティーには大変ご迷惑をおかけしました。特にユウマさんには前回同様冒険者達のリーダーもやってもらい、まことに感謝しております」


 ギルドのお姉さんの社交辞令の様な言葉がギルドに響く。


「これからもユウマさんたちにはたくさんの困難が待ち受けているとは思いますが、それを我々ギルド一同は応援したいと思っております」


 長い。もうそろそろ飽きてきた。というか、はよ金よこせ!

 とは言えず、ただただ黙って立ちつくす。


「それでは今回のヴォルカノ討伐の報酬を手渡したいと思います」


 キタキタキタ! 待ってましたよ!


「それでは代表者としてユウマさん一歩前へ」


 ギルドのお姉さんの言われるままに一歩前へ。


「それでは今回の魔王軍幹部、灼熱のヴォルカノ討伐、大変お疲れ様でした。こちらがユウマさん御一行の報酬です」


 そう言って差し出されるお金の入った袋をもらう。


「これでやっと借金が返せる……あれ?」


 もらった袋の中身を確かめようと中を覗くと。


「あの……お姉さん。中身は……?」


 中身が入ってなかった。


「何をおっしゃっているのですかユウマさん? ちゃんと中身は入っていますよ?」


 お姉さんにそう言われて改めて中身を覗く俺。


「およ?」


 お姉さんの言う通り中身は空っぽなんてことはなく、紙が一枚入っていた。

 俺はそれを取り出し、書かれている内容を確認する。


「なになに……」


 俺が紙の内容を読み上げようとすると、アイリス、リリーナ、ミカも待ちきれないとばかりに俺の横に並んできた。


 そして、その紙に書かれていた内容とは―――


「城の補修代一億一千万ギル」


 書かれている内容を見て、絶望する。


「あの……お姉さん。これはどういう……」

「実はあのヴォルカノの住んでいたお城なんですが、この街のとある貴族の物だったようで、ヴォルカノが出て行ったのはいいが、城がなくては意味がない! 弁償しろ! とおっしゃいまして……」

「はっ!? だってあの城誰も住んでなかったじゃん! 元からあんなにオンボロだったじゃん! 幽霊屋敷だったじゃん!」


 俺はあまりにもな話にお姉さんに抗議する。


「すいませんユウマさん。私たちも仕事ですので」

「鬼っ! 悪魔っ! ひとでなし!」

「そんな~。ユウマさんほどじゃないですよー」

「「「「「うんうん」」」」」


 ギルドのお姉さんの言葉に首を縦に振る冒険者一同。


「うんうんじゃねえよてめぇら! 自分たちは金もらったからって好き勝手言いやがって! なあ! お前らも何とか言ってやれよ! おかしいって! こんなのぜったいおかしいよって!」


 俺は後ろの冒険者たちは味方ではないと一瞬で見限る。

 そして信用における俺の仲間三人の方を見る。


「まあまあユウマ。いいじゃん。私たちにはお金持ちより借金こさえてるくらいの方が似合ってるよ」

「そうよ。私はともかくユウマは借金を返すために惨めに働く方がよっぽど似合ってるわ」

「少し言葉がキツイですが、お二人の言う通りだと私も思います。ユウマさん。またみんなで頑張りましょう」


 三人は俺とは違いなんか納得してしまったようで、結局文句を言っているのは俺一人。


「こんなの絶対おかしいよーーーーーーーーーーっ!!!」


 俺の悲痛な叫び声がギルド中に響き渡る。


 あれだけ頑張ったのに、俺たちは借金を返せぬまま終わってしまった。それどころか借金がさらに一億増えて二億になり、天下一武闘会で稼いだ一千万ギルすらも持ってかれた。

 どうやら俺の借金生活はまだまだ続くらしい。


「ほんと……ついてねぇ」


 

これにて第四章終了です。

前回通り少し感覚を空けてから五章の投稿を再開したいと思います。

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