23話
というわけで後日談。というか今回のオチ。
次の日。
昨日夜遅くまで宴会をしていた俺たちは、お昼ごろになってようやく全員が居間に集まった。
それにしても頭が痛い。これが二日酔いというやつなのか、絶対にこれからは酒を飲むまい。
そんな決意が固まったところで、俺はみんなが集まったちょうどいいタイミングだと思い、今になって疑問に思った事を口にした。
「確かにオークの集落を破壊したのは俺たちだ。オークを無残に殺したのも俺たちだ。まあ正確に言えばそこの能筋コンビだが……。―――でも、おかしくないか?」
「え? 何がですか? 別におかしいところなんてないように思うんですけど?」
俺の言葉にハテナを浮かべるアイリス。
「オークたちの進軍が確認されて俺たちが集められたのは今朝だ。そしてその時ギルドのお姉さんはこう言ったよな「いえ、正確には。ただ最近この近くにあったと報告のあるオークの集落がとてつもなくひどい方法で壊滅させられ、なおかつ大量のオークが目も当てられないような倒され方で倒されているのが原因ではないかと私たちはにらんでいます」って」
「そうね。でもやっぱりおかしなところなんてないと思うけど?」
リリーナが俺の話を聞いてもなお疑問符を浮かべている。
アイリスもミカも同様に頭にハテナに乗っけたままだ。
そう、なにも知らない分にはなにもおかしくない文章。
内容も、確かに俺たちのやったことに合っている。
オークの集落をとてつもなくひどい方法で壊滅させたし、それ以外にもオークたちの討伐の際には結構ひどい倒し方をした。
まあその大半はリリーナとミカによるものではあるが……。
「ギルドのお姉さんはこう言ったよな? 「ここ最近この近くにあったオークの集落がとてつもなくひどい方法で壊滅させられ」って。……これおかしくないか?」
「ふぇ? ふぇつにおきゃしくなんきゃにゃいとおほうひぇど?」
「だから口にものを含みながら話すな! ……で、話を戻すけど、俺たちがオークの集落を壊滅させたのはロレンスの件の少し前、つまり一カ月は前のことだ。それを『ここ最近』なんて表現するか?」
口にものを含んだまま喋るミカに注意をしつつ、ことの問題点をみんなにわかるように投げかける。
「確かにおかしいですね……。一カ月も前のことをここ最近なんて普通は言わないと思います。言うとしたら少し前とか、そんな感じになると思います」
俺の発言にみんなも顔をしかめる。
「それにおかしなことはまだある。あの時オークの集落を壊滅させて以来、俺たちはそんな派手なオークの倒し方をしていない。となると……」
「となると? どうなるんですか? ユウマさん」
「俺たち以外の誰かが原因……ということになる。―――ん? どうしたリリーナ? なんかさっきから様子が変じゃないか? ずっと黙ってるし、なんかすっげー汗かいてるし、心なしか震えてないか?」
「エ、エ? ナンノコトダガゼンゼンワカンナイワヨ? ワタシ、コノマエノユウマトノオークヲドッチガオオクタオセルカショウブシタトキ、オークノシュウラクナンテハカイシテナイモノ」
「「「……」」」
明らかにバレバレな嘘をつくリリーナに俺たちは少しの間無言になり、そして―――
「お前がことの元凶かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「え、冤罪よ! これは冤罪だわ!」
「うっせー! てめーは憲兵につかまって牢獄でしばらくおとなしく反省してろ!!」
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今回のオチ、パート2!
オークの大群を討伐してから三日。
俺たち冒険者はギルドに集まるように招集を掛けられていた。
「これは報酬フラグだな。金なら有り余ってるからいまさら少し増えたところでって感じはするけど、もらえるもんはもらっておこう」
「さすがユウマ! げすいね!」
「おいミカ、お前それ褒められてねえぞ。褒めるならちゃんと褒めろ」
そんな俺たちらしい会話をしながらギルドへの道のりを歩く。
そしてギルドに着き、事は始まる。
「みなさん。先日はオークの大群討伐という緊急クエストお疲れさまでした。まずはギルド一同より、心よりお礼を申し上げます」
そう言ってギルドのお姉さんたちが一斉に腰を曲げて礼をする。
「今日皆様にお集りいただいたのは、緊急クエストの報酬を皆様にお配りしようというものです。これから皆様のお名前を一人ずつお呼びしますので、お一人ずつこちらに来てください。それでは―――ザック様」
報酬が配られ始め、最初に呼ばれたのはザックだった。
そして他の冒険者たちの名前も続々と呼ばれていく。
その最中、俺のことを見た冒険者たちが声をかけてくれたり、手を振ったりしてくれた。
日本では考えられない光景だ。
「それでは最後にユウマさんパーティー御一行。みなさんは少し特殊ですので、パーティーの皆様全員でこちらまでいらしてください」
中々名前を呼ばれないと思っていたら、俺たちは最後だったようだ。
名前を呼ばれた俺たちは、『特殊』という言葉に若干引っ掛かりを覚えながらも全員で前へ。
「それではユウマさん御一行の皆さん。まずみなさんは各班の指揮官をやってもらったのと、ユウマさんが全体の指揮を取ってもらったということで、特別報酬が加算されています」
「え? マジで? マジでデジマ? チデジカ、ナウシカ?」
あまりに驚きの言葉に、自分でも謎の言葉を発する俺。
「おーい、ユウマー。そんなんもらったならなんかおごれよー」
「今日も宴会しましょー」
「ウェーイ!」
そう言って冷やかしてくれるのはこの前の宴会から仲良くなった冒険者たち。
その中にウェーイ勢が混ざっていたような気もするがそれはスルーで。
「それじゃあ、今日も宴会すっかーーーっ!!」
「「「「うおおおおおおおおおい!」」」」
俺の言葉に全員が片手を上げてやる気を見せる。が―――
「……盛り上がっているところ本当に申し訳ないのですが、ユウマさん。――――これを……」
なにやら神妙な顔でギルドのお姉さんが俺にある物を手渡す。
それは賞金の入った袋ではなかった。
他のみんなは賞金の入った袋をもらっていたはずのなのにこれはなんだ? これもさっき言っていた『特殊』というのと関係があるのだろうか?
「まあ中を見ればわかるか」
そう思ってもらった封筒の頭の部分を破き、中から一枚の紙を取り出す。
折りたたまれたそれを開き、アイリス、リリーナ、ミカ、の全員でそれを見る。
そこには―――
「誠に申しわけないのですが、ユウマさんには街の前の草原の修復代と、その爆風によって少し壊れてしまった街の入り口の門の修復代を払ってもらわないといけませんので、今回の報酬は全部そちらへ―――。それからの残りが、それです―――」
その紙に書かれていたのは―――
-1000000000ギル
マイナス十億ギル。
それだけだった。
「―――マジで?」
さぞかし今の俺はアホな顔をしているだろう。そんな俺の質問にギルドのお姉さんは―――
「はい、マジでございます!」
そう、笑顔で言ったのだった。
「うそだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 嘘だと言ってよバーニィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!」
ギルド中に俺の悲惨な叫び声が響き渡った。
今回で『最弱ニートの異世界転生』第三章終了となります。
どうだったでしょうか? たくさんの人を動かすのって難しかったので、みなさんに楽しめてもらえたか正直少し不安です。
でも、そんな私の心を癒してくれる人がいるって私は信じています。
そう。例えば感想とか、レビューとか(チラッ
話を戻しまして、『最弱ニートの異世界転生』第四章はまた少し期間を空けてから更新を再開しようと思います。再開の際は活動報告にてしっかりと報告させていただきますので、気長にお待ちください。
今回の第三章は突然の熱のせいで途中で毎日更新を止めてしまったりと迷惑をおかけしてしまいましたが、四章はそうならないように頑張ります!
それでは『最弱ニートの異世界転生』第四章にて再開しましょう!
ではではっ!




