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最弱ニートの異世界転生  作者: Rewrite
第二章
25/192

1話

長らくお待たせしました!

今日からまた最弱ニートの異世界転生(仮)の更新を再開します。


一応毎日更新をしていくつもりですので、これからもよろしくお願いします。

ブックマークとか、感想とかをいただければ飛んで喜びます。

あと、こういう内容の話を書いてほしい。なども大歓迎です!!

 


 拝啓、日本に居るであろうお父さん、お母さん。僕は元気です。


 幼馴染に無理矢理学校に連れてかれたと思ったら、いきなり異世界に飛ばされて、しかも魔王を倒してほしいとか女神さまに頼まれ、周りはチートを貰ったのに僕だけもらえませんでしたが、僕は元気です。

 ほとんど毎日クエストで命を掛けながら戦うことを強いられていますが、こんな僕にも頼もしい仲間ができました。

 ほら、見てください。あの、魔法使いなのに魔法も使わず、勇敢に魔物の群れに一人突っ込んでいく女の子を。

 そして結局歯が立たず、魔物たちに良いように弄ばれる女の子を。

 彼女の名前はリリーナ。僕より少し背が高くて、胸が大きくて、綺麗な赤い長髪で、まるでルビーのような瞳をした。ちょっとアホな女の子です。


「さあ! 未来の大魔法使いリリーナ様の華麗なる戦闘の始まりよ! 私に勝てると思う魔物は一匹ずつ私の前に出なさい! ……ちょっ!? 一匹ずつって言ったでしょ!? ちゃんとルールは守りな……きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 ……。


 それに僕にはもう一人頼もしい仲間がいます。

 ほら、見てください。少し離れたところで僕にバレない様に姿を隠し、僕が見ていないのを確認すると、僕が弱らせた魔物に笑顔で回復魔法を掛けている、あの可愛らしいく優しい女の子を見てください。

 彼女の名前はアイリス。僕より背が小さくて、光を反射しそうなほど綺麗な銀色の長髪、小動物を思わせるようなクリクリとした青色の瞳に、一つ一つの言動や動作がいちいち可愛い優しすぎる女の子です。


「……よーし。これで大丈夫だからね。……痛かったよね? 本当にごめんね。……ほら、早くあっちに行かないとまたイタイイタイになっちゃうよ」


 ……。


 少し変わってるけどかわいい女の子たちに囲まれ、僕は異世界をエンジョイしています。少なくとも日本に居た頃より楽しく暮らせています。外にも出るようになり、働く(クエスト)の辛さも知りました。

 でも、一つだけお願いがあります。


「……ふう。ユウマさんには悪いけどあの子も回復してから逃がしてあげたし、これで大丈夫。……あ、もうそろそろ戻らないとユウマさんにバレちゃう! 早く戻らないと。……あっ。あそこにも弱ってる魔物がいる! 早く回復してあげないと」

「なんなのよあんた達! 一匹ずつって言ってるでしょ!? それなのに集団で私を弄んで、もう怒ったわ! 食らいなさい! 私の華麗なる杖捌きを! ……って、もう囲まれてる!? 待ちなさい、ちょっと話しあいましょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


 どうか僕のパーティーに少しでもいいのでまともな人をください。

 出来るなら可愛くて、胸が大きくて、僕にライクでラブで従順で、家事とかもできちゃう感じの、ザ・お嫁さん。みたいな女の子をよろしくお願いします。


 ……本当によろしくお願いします!!


 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


「……まったくリリーナ。お前は何回魔物の群れに突っ込んでいけば自分が物理では魔物には勝てないことがわかるんだよ。普通に少し離れたところから魔法を撃てばいいだろうが。リリーナは詠唱時間減少のスキルも持ってるし、中級魔法だってほとんど詠唱いらずだろうに」


 俺たちは今日のクエストを終え、始まりの街、イニティに帰ってきていた。

 今はそのクエスト終了の報告のためギルドに向かい報告を済ませ、俺とアイリスとリリーナの三人で今日もお疲れ様的な感じでギルド内の食事スペースで飲み物を飲んでいる。

 今日受けたクエストは前にも受けたことのあるコボルトの討伐依頼。一匹千ギルで倒した数だけ報酬がもらえるタイプのクエストだ。

 最初の内は順調だった。俺がちゃんと二人を見ていられる内は順調だったのだ。

 俺が『潜伏』を使ってコボルトに不意打ちを仕掛け、一発で仕留め損ねたコボルトをアイリスかリリーナが魔法で仕留める。または俺が『逃走』スキルで相手をかく乱してる間にアイリスかリリーナが魔法でとどめ。

 最近では俺たちの基本となったこの立ち回りで、安全かつ確実にコボルトを討伐できていた。

 しかし、少しすると俺は違和感を感じ始めた。なんか俺がダメージを与えたはずのコボルトの生存率が高いことに……。

 アイリスとリリーナがいるんだから火力とスピードは問題ないはずだ。俺だって数が増えてきたら逃げに徹して攻撃を止めたりしている。それなのになぜかダメージを与えたはずのコボルトの数が増えてきている。


 それはなぜか……?


 答えは簡単だった。

 アイリスが弱ったコボルトに回復魔法を掛け、リリーナが役割を放棄して自分一人でコボルトの集団に向かって行ったからだ。

 そりゃあ俺が攻撃した後誰も止めを刺す人がいないんだから、ダメージを負ったコボルトばかり増えるわけだ。

 ……なんつーパーティーなんだよホント……


「何言ってるのよユウマ、あれは少し油断しただけよ? ユウマだって見てたでしょ? 私が一匹ずつかかってきなさいってアイツらに言ってたのを! なのにアイツらときたら私の言うことを無視して集団で私を襲うのよ! ルールを守らないなんて本当にクズだわアイツら!」

「……魔物にルールとか求めんなよ」


 ……ダメだ。コイツ、真正のバカだ。正真正銘の脳筋魔法使いだ。

 ……もう手遅れだ。


「……ううっ……くそ……」


 俺が仲間の頭があまりにあれなのを可哀相に思い、目頭が熱くなって涙を流す。


「……ねえユウマ? なんで涙を流してるのかしら? ……ねえ、なんで無言で肩を叩いてくるのかしら!? ……ねえ!? なんで何も言うな的な目を私を見てるのかしら!? ねえ!? ユウマ!?」


 俺はなにやら隣で騒いでいるリリーナを放ってアイリスの方に向き直る。

 するとなんですか? という目で俺を見てきた。


 可愛い。


 アイリスと俺の身長は結構な差がある。

 俺は高校生の平均身長くらいなのに対し、アイリスは小学生の高学年くらいの身長だ。確か年も十二歳とか言ってたし、三つくらい離れている。

 そしてその身長差のせいで、アイリスが俺の顔を見る時自然と上目遣いになる。これが本当にヤバい。

 こんなかわいい女の子に毎回上目遣いで見つめられたら俺……死んじゃう。

 そんなことを考えながら鼻血が出ない様に祈りつつアイリスに話しかける。


「アイリスは本当に可愛いなあ。最近は弱ってる魔物を回復する回数も、一回の冒険に三回くらいまでに収まって来てるし、本当に成長してるよ」

「本当ですか! 嬉しいです。……ふにゃ~」


 そう言って俺はアイリスの頭をなでる。

 アイリスは頭を撫でられると気持ちよさそうに目を閉じ笑う。

 俺の方もアイリスを撫でると自然と癒される。綺麗な銀髪が柔らかく、撫でるたびに心なしかいい匂いまでする。

 きっと今の俺は、さぞだらしない顔をしていることだろう。

 でもそんなの知ったことか! 周りの目なんて気にしてたまるか!

 あっ! でも、ロリコンじゃないんです! ただ、子供が好きなだけの紳士なんです!

 ……ホントだよ!!


「ユウマさん頭撫でるのお上手ですよね」


 俺がもはや無我の境地でアイリスの頭を撫でていると、アイリスがそんなことを言ってきた。


「そうかな?」

「はい~。 だってユウマさんに頭を撫でられると気持ちいいですもん。……ちょっと恥ずかしいですけど」


 少し頬を赤らめるアイリス。

 俺はもっとアイリスを恥らわせたいという、小学生男子が好きな女の子に悪戯をする気持ちを全神経を持って抑え込む。

 沈まれ! 俺の右腕ーっ!


「もうそろそろアイリスの頭撫でるの止めなさいよユウマ。……まったく、これだからロリコンは困るのよ」

「おいこら。誰がロリコンだって? 俺はロリコンじゃねえぞ。れっきとした紳士だ!」


 俺は俺をロリコンよばわりにするリリーナに意義を申し立てる。


「なにが紳士よ。紳士って言うのはユウマみたいに変態でもロリコンでもなくて、礼儀正しく女性にやさしい、そんな清い心を持った人のことを言うのよ。ユウマなんて紳士とは真逆の存在じゃない」

「よーし、表に出ようかリリーナ。俺がどれだけ紳士か見せてやる。俺の右手が風吹くぜ!」


 俺はそう言って手をワキワキさせる。

 リリーナはそれだけで俺が何をするつもりなのか悟ったのか、ローブの裾を抑えながら少し後ろに後ずさったが、それでも折れることなく俺に言い返してくる。


「そうやってまた私のローブを『エアー』でめくる気でしょ! そうはいかないわよ!」


 なにやら強気なリリーナは自分のローブの裾を洗濯バサミで挟み、風で下からローブを捲れないようにした。


「ふふん。これでユウマの『エアー』は利かないわよ。筋力だって私の方が上だし、魔法は論外ね。ほーらユウマ、いつもみたいにやってみなさいよ、ほらほら」


 勝利を確信しているからか、リリーナが洗濯バサミで裾を止めているローブをひらひらとさせている。

 クソ! 姑息な奴め! これじゃあリリーナの今日のパンツの色が確認できないじゃないか!

 俺の毎日の日課だったのに!


「……あはは。今日もお二人は仲良しさんですね」


 アイリスはもう俺たちの言い争いを止める気もないのか、それともただ単に呆れているだけなのかわからないが笑っている。

 そんなアイリスを見て俺も大人しく座っていた席に座る。

 リリーナは俺が大人しく座ったのが不思議だったのか、綺麗な赤色の瞳を何度もパチクリさせていた。


「……どうしたのよユウマ? いつもならここでお得意の悪知恵を働かせて私のローブを意地でもめくるじゃない。……もしかして今日のクエストで頭でも打ったの?」


 ……コイツが普段俺をどういう目で見ているのかわかった。

 しかし、そんなリリーナの戯言を聞いて、俺のことを心配したアイリスが杖を構え始めた。


「……ゆ、ユウマさん。お怪我をしていらしゃったのなら言ってくだされば……」


 そう言って若干涙目になりながらも回復魔法を掛けてくれようとするアイリス。


「大丈夫だよアイリス。怪我なんてしてないから。……俺さ、今までリリーナに嫌な事ばっかりしてたから少し反省しようと思って……」

「ゆ、ユウマさん……」


 今にも泣きだしそうな顔で俺を見るアイリス。

 俺は完全に落ち着きを取り戻し、自分の頼んだ炭酸のようなジュースを飲む。

 そんな意気消沈している俺を見て、リリーナは少し物足りなさそうにしながらも俺の言葉に納得したようだ。


「……まあ、いいわ。今日は私の勝ちってことでいいわよね? だってユウマは戦意を失ってるんだもの。これは私の勝利と言っていいはずだわ」


 そう言ってリリーナはローブの裾に付けていた洗濯バサミを外した。

 ―――外してしまった。


「フハハハハハ! バカめ! まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ! 『エアー』!」


 俺はリリーナが洗濯バサミを外したのを確認してから、どこぞのデュエリストのようなことを言いながら、お得意のスカートめくり魔法を唱える。

 リリーナは俺が魔法を唱えてから、やられた! と言いたそうな顔で急いで再びローブの裾を洗濯ばさみで止めようとしたが、もう遅い!



「……ひ、卑怯よ! ユウマさっき負けを認めたじゃない!」


 リリーナは俺の放った風魔法から自分の下着を守るために必死になってローブの裾を抑え込みつつ言ってくる。


「誰がいつ負けを認めたよ? 俺はアイリスに少し反省しようと思って、って言っただけだぞ。改心するなんて一言も言ってないし、ましてや負けました。なんて一言も言ってない!」

「く、クズだわ! この男真正のクズだわ! この前のアイツらが言ってたことは本当だったわね!」


 既に半泣きのリリーナが叫ぶ。

 リリーナの言うこの前のアイツらとはたぶん、公衆の面前で男同士でキスをするという偉業を成し遂げたあの伝説のリア充二人のことだろう。

 えーっと確か春巻きに、ま、ま……マザコンだったっけ? 覚えてないや。


「……ゆ、ユウマさん……」


 や、やめてくれアイリス。アイリスにそんな目で見られるとお兄ちゃん辛いよ……。

 それに心なしか周りの女性冒険者たちの視線が痛い。

 クソ! それもこれも全部俺を誘惑するリリーナのパンツがいけないんだ! そんなところに隠されてたら男としてトレジャーしたくなるだろうが!

 あと周りの男性冒険者たちはリリーナを見るな! あのローブの中に隠されたお宝は俺んだ!

 俺はアイリスや周りの女性冒険者の視線に耐えリリーナに話しかける。


「今回も俺の勝ちでいいよな?」

「い、いいわけないでしょ! 私はまだ負けを認めていないわ!」


 負けを認めれば楽になれるのに強情にも負けを認めないリリーナ。


「……そうか。それじゃあ風力を上げるしかないな。……あー、本当はこんなことしたくないんだけどなー。でも真剣勝負で手を抜くと後でリリーナに怒られるから仕方がない。『エア」

「ぎゃああああああ! 待って! 私の負けでいいから待って! これ以上公衆の面前でローブをめくらないでー!」


 結局今日も俺の勝利でこの勝負は幕を閉じた。


 しかしお宝トレジャーには失敗した。

 無念……。

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