21話
昨日は理由があって投稿しませんでした。
報告をしなかったのは申し訳ありません。すっかり忘れてしまっていました。
あと、今日はいつもの時間にも投稿いたします。
なので今日は二話投稿する形になります。
「ふう~。今日も私の魔法のおかげでクエストが楽に終えられたわね。ほら、ユウマ。そんな有能な私に何か言うことはないの?」
アイリスと仲直りをした俺は、今日も適当なクエストを受けてアイリスとリリーナと共にクエストを無事に達成して街まで帰ってきていた。今はギルドへクエスト達成の報告に向かう途中だ。
最近は本当に命の危険を感じることが少ない。スモールゴーレムなんて最初の街にしては化け物染みた魔物と戦って勝利してしまったせいか、それともただ単に俺たちの戦闘スキルが上がっているだけなのかわからないが、けがをすることがほとんどない。
アイリスが回復魔法が使えなくて落ち込んでしまうほどに怪我がない。
まあ、ないに越したことはないのだが。
俺たちの戦闘スキルは確実に上昇してきている。
基本的な戦闘スタイルは前と変わっていない。俺が前衛で『逃走』スキルを使って素早く敵に軽い物理攻撃を仕掛け、ダメージを負わせてから俺は逃走。そしてそのダメージを負った魔物をアイリスかリリーナが魔法でとどめを刺す。
簡単なコンビネーション技だが、これが意外と効果的だ。
アイリスの他にリリーナが加わったので、俺が『逃走』スキルを使って、バンバン敵に攻撃を仕掛けていっても、二人も魔法攻撃ができれば十分に手が回る。
俺も攻撃した後はその魔物のことを気にしなくて済むし、俺が囮役も担っているので、リリーナとアイリスも魔法詠唱中に魔物に攻撃される心配がない。実に理に叶っている。
問題があるとすれば、前も言ったと思うが俺に経験値が入らないことだ。この世界では経験値は倒した冒険者の総取り。つまり、最初にダメージを負わせただけの俺には全く経験値が入らない。
おかげで、こっちの世界に来てからもう一週間以上経つのに、俺のレベルは一のままだ。
スキルはたくさん覚えたし、武器の熟練度も少しずつとはいえ確実に上がってきているのだが、レベルだけは上がらない。
その点アイリスやリリーナは敵を倒しているのでレベルが上がってきている。アイリスは俺と会ってからレベルが三も上がりレベル九。リリーナは最初からレベル十だったのに、スモールゴーレムを倒したり、雑魚の魔物の一掃などで経験値を稼ぎ、今やレベル十二。
俺、一。アイリス、九。リリーナ、十二。
何この数字、なんで主人公ポジの俺が一番レベル低いの?
弱っている魔物に回復魔法を使うアイリスや、魔法使いなのに敵に突っ込んでいく脳筋魔法使いリリーナのサポートをして、前衛で一番頑張っている俺が一番レベル低いのおかしくない?
「ほらほらユウマ。なにか言いなさいよー」
理不尽なこの世界に質問をぶつける俺にリリーナが横から何か言ってくる。
仕方がないので俺は口を開いてやることにした。
「……『エアー』」
俺が口を開いた瞬間。リリーナのローブが下からめくれ上がる。
……口は開いた。ウソは言っていない。
ローブを風でめくらそうになっているリリーナが大声で叫ぶ。
「こ、このヘンタイ! 早くこの風を止めなさい! 確かに私のような美しい女性の下着が見たいのはわかるけど、そういうのはいけないと思うわ!」
「仕方がない」
そう言って俺は『エアー』を止める。
すると、アイリスが俺の目の前にやってきた。
ヤバい。またアイリスに怒られちゃう。
あー。でもアイリスに怒ってもらえるなら俺は何度だってリリーナのローブを捲れる。一石二鳥という奴だ。ただやり過ぎは本当にアイリスに嫌われてしまうので気をつけないといけない。
「……あ、あのユウマさん。……今日の朝、私とも仲良くしてくださいとユウマさんにお願いしましたが、私にはこういうことしないでくださいね。……恥ずかしくて外に出れなくなってしまうので……」
そんなことを顔を真っ赤にしながら言うアイリス。
なんだろう。この少し虐めたくなるようなこのかわいい生物は何?
これが小学生男子が好きな女の子に悪戯をしてしまう気持ちなの? そんな気持ち俺今日初めて知ったよ?
……あれ? よく思い出せば小さい頃はよく美香のスカート捲ってた気が……気のせいだな! うん!
だって、じゃないと俺が美香のを好きだという事になってしまう。あいつに対してLikeはあってLoveはない。うん、大丈夫。美香を思い出してもユウマドキドキしない。
「大丈夫だよアイリス。こんなことリリーナにしかやらないから。俺はアイリスの悲しむ顔は見たくない」
そう言って俺はアイリスの頭をなでる。銀色の長髪が柔らかく気持ちがいい。アイリスも俺に撫でられるのが気持ちいいのか顔をふにゃりと歪めている。
俺とアイリスがそんな幸せなひと時を過ごしているというのに、空気を読めない脳筋魔法使いがまた突っかかってきた。
「ユウマ、そう言うのは平等じゃないわ。アイリスがいつも頑張っているのは認めるけど、同じくいつも頑張っている私にもご褒美は必要だと思うの」
「なら、いつも魔物になんの考えもなしに突っ込んでいく脳筋魔法使いの尻拭いをしている俺にも何かあってもいいと思うの」
リリーナの口調を真似て言ってやった。こういうのが一番腹が立つのがわかっているからだ。
小学生のときとかにいなかったか? 自分の言ったことをマネするだけで他には何も言ってこない奴。
しかしリリーナは俺の挑発に気づいていないのか、それとも素でわからないのか、何言ってんだコイツ? みたいな目で俺を見ている。
「それはいつも私を虐めて楽しんでるんだからそれでいいじゃない。そ、それに私のししし、下着とかもみてるんだから……」
そう言ってスカートを抑えてもじもじしながら、いつになく恥ずかしそうにしているリリーナ。
や、やめろよ! なんかいつもは意識しないであんなことしてるのに、今になって恥ずかしくなっちゃうだろ!
「そ、そんなことよりほら。何かあるんじゃないの。いつも頑張っている私にもアイリスと同じような何かがあるんじゃないの?」
そう言ってリリーナが胸を張って自慢げにしている。
俺はそんなリリーナにアイリスを撫でていた手を向け、その手をリリーナに近づける。
「……ねえ、ユウマ。手の位置がおかしくないかしら?」
「は? だってリリーナの胸はここだろ? 胸を張ってるってことは胸を撫でればいいんだよな?」
「違うわよバカ! 変態! ロリコン! 誘拐犯! 変態!」
「おいこらっ! なんで変態を二回も言った! 俺は変態でもロリコンでもねえ! ましてや誘拐犯なんて言いがかりもいいとこだ!」
睨みあう俺とリリーナ。朝とまんま同じ光景である。
そんなもう日常になってきているリリーナとのいがみ合いをしている時、出会いたくない連中に出会ってしまった。




