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最弱ニートの異世界転生  作者: Rewrite
第一章
21/192

20話

昨日は私用により投稿できませんでした。

何の報告もなしに投稿せずにすいませんでした。

 

「もうこんな時間か」


 今日のクエストを達成し、伸びていたリリーナを背負いながら俺とアイリスはイニティまで戻ってきて、ギルドへの報告を済ませ、リリーナを宿まで運んでから一緒に食事を取り、今はもう宿で各自自由行動中だ。

 といっても、時刻はもう十時を回って外はそこそこの暗闇に包まれている。

 この世界では日本の様に技術が発達していない。そのためこんな時間になると外はもう真っ暗で、多少は周りの建物から光が零れてきているがそれも頼りない。

 この世界の明かりは電力によるものではなく魔力によるものらしく、日本で言う電球は魔石なんだそうだ。ここは日本と同じだが、秘められた魔力が多い魔石ほど光量と持続時間も長続きするらしい。

 

「やることやって暇だしもう寝るかな。明日もクエストあるかもだし」


 明日に備えて寝ることにした俺はベットにダイブするも、ふかふかなんてことはなく固い。それでもどこかの小屋でワラの上に寝るとか、外で地面に寝そべって野宿なんていうのよりはもちろん幾分もマシである。



 あれから随分と時間が経ったはずだが、いくら時間が経っても全然眠気がやってこない。

 まあ、それも当然と言えば当然だ。

 日本にいた頃の俺は、むしろこの時間くらいからが本来の活動時間だった。逆に朝や昼の方が眠かったくらいである。

 この世界に来て最初の何日かは俺も慣れない環境、体力を使う命がけのクエスト、そんな数々のことがあったため、体も早く休息を欲してこの時間には眠気がやってきていたのだが、さすがにもうこの世界に来て約一週間。なんだかんだでこの世界に慣れてきてしまって、こんな時間には眠気がやってこない。

 リリーナはあのまま街に来ても伸びたまんまだったし、アイリスなんかはいい子だから九時を回ったこんな時間にはもう夢の中だろう。


 それにしても暇だ……。……何かしたい。

 しかし、この世界には照明以外に自由に扱える電気がない。そのためもちろん、日本では当たり前の様にあった娯楽品。テレビ、ゲーム、パソコン、なんてものはないし、あったとしても使えない。だから宿に戻って来て俺ができることなんて寝るくらいしかないのだ。でも、睡魔はやってこない。


「……仕方ない、少しスキルのことでも考えるか。この前リリーナとアイリスに魔法を教えてもらったし、便利そうなスキルは取っておこう」


 結局眠気がいつまでもやってこなかった俺は、冒険者カードのスキル覧を眺めることにした。

 リリーナやアイリスに魔法を教わってから結局俺が取ったのはアイリスから教わった『フリーズ』だけだし、その前にザックから教わった盗賊系のスキルもまだ一つも取得していない。

 もうそろそろ新しいスキルのことを考える必要があるだろう。


 現在、俺の残っているスキルポイントは25ポイント。それに対し俺の覚えているスキルは『スプラッシュ』、『逃走』、『フリーズ』だ。『スラッシュ』のような武器系のスキルは熟練度による取得なのでスキルポイントを消費しない。


「……とりあえずは盗賊系スキルの『敵感知』と、『逃走』と使い分けができそうな『潜伏』辺りかな。『スティール』は今のところ必要ないだろうし、他のスキルも今取る必要はないかな」


 というわけで、早速4ポイント消費して、『敵感知』と『潜伏』を取得。これで敵から隠れて行動したり、敵を避けて行動することが可能になった。もし見つかっても『逃走』で逃げればいい。


「次は魔法だな、とりあえず初級の魔法は全属性取ってもいいだろう。なにかと使い分けが出来そうだし、使い方によっては弱い魔法も強い魔法を超えるしな。……アニメ知識だけど……」


 というわけで8ポイントを消費して既に取得済みの初級水魔法『スプラッシュ』を除いた、火、電気、風、土、の初級魔法を習得した。

 ちなみに初級スキルを覚えると、攻撃魔法とは別に魔力をそれぞれの属性のものに変えられるらしい。ただし、攻撃魔法とは別なので威力は全くと言っていいほどにない。

 例えば、火属性の初級魔法『ファイヤーボール』を覚えた場合、自分の魔力を火に変えることができるようになるらしい。簡単に言えば、ライターを自分の魔力で使えるような感じだ。

 他にも水魔法を覚えれば、手からちょっとした水を出せるようになるし、風魔法を覚えればドライヤーくらいの風を起こせるようになる。

 これで、外でばれない様にスカートをめくることが……ゲフンゲフン。


 それはともかく俺の残りスキルポイントは13ポイント。とりあえずはパッシブスキルも魔法も取ったし、このくらいでいいかもしれない。

 そう思っていた時に、俺のスキル覧に今までなかったはずのスキルがあるのを発見する。


「『緊急回避』? なんだこれ? ……今までなかったよな? 名前的には危ないときに使うと、少しだけど一瞬で移動して攻撃を回避、みたいな感じだよな? だとしたら便利そうだが……」


 ゲームとかだと結構便利な奴だ。ゲームだとスキルじゃなくて初期から使える操作の一つだが、この世界ではスキルの一つなのかもしれない。

 しかし、本当にどうしたものか。ゲームなんかでは移動した後に少しの硬直時間があったり、移動距離が極端に短かくて範囲の広い攻撃には無意味だったり、そのゲームによって使い勝手の良さが大きく変わるスキルだ。

 この世界でスキルポイント振り直しがあるとも考えにくいし、何かの魔道具でスキルポイントがアップするとも限らない。

 そう考えるとすぐに取ってしまうのも少し早計な気がする。


「……とりあえず保留でいいか……。もうそろそろ眠らないと明日がヤバいしな」


 そう結論付けて、俺は眠気が来るのをベットの上で待った。


 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


「なあ、アイリス、リリーナ。昨日スキルを見てたんだが、『緊急回避』って言うのが取得できるようになってたんだけど、……このスキルって便利なのか?」


 次の日、俺は昨日取得可能になっていた『緊急回避』の能力が気になって朝ご飯を宿の中で食べながら、アイリスとリリーナに質問をしていた。


「『緊急回避』……ですか。んー。私もそのスキルはよく知らないんですが、前にパーティーをご一緒させていただいた時に聞いた話ですと、確かに一瞬で少し動けるけど移動距離短すぎて役に立たない。スキルレベルを上げれば距離が増えるかもしれないけど、実戦で使い道がないから結局レベルも上がらないダメスキル。なんて聞いたことがあります」


 そうアイリスが説明してくれた。


「私は見たことあるわ。確かに移動距離が短いわよ。確か人間の大股一歩分くらいしか移動しなかったと思うわ。それにその後に少し動けなくなるみたいよ。正直アイリスの言うとおりダメスキルね。あんなのにスキルポイントを割く奴の気がしれないわ」


 と、リリーナ。


 なるほど、確かに人間の大股一歩分くらいしか移動できないのなら使い勝手が悪そうだ。それにレベルも上がりにくいってアイリスが言ってるし、周りの冒険者たちからもそんなに低い評価のスキルに2ポイントも消費する必要もあるまい。

 それに俺には『逃走』スキルに『潜伏』スキルがある。『敵感知』もあるし、『緊急回避』を使用しないといけないまでヤバい状態になることなんて、そもそもないだろう。

 完全にないとは言い切れないが、そんな状況にならない様に立ち回らないと俺はこの世界で生きていけない。


 他の日本から来た連中たちは自分の一番高い能力に合ったチートを与えられている。そんなチート連中は少しのミスはチートという名のゴリ押しでどうとでもなるかもしれないが、俺には何の間違いかなんにもチートが与えられていない。

 ……俺に突出した能力がないとかそんなんじゃないはずだ。

 ……ないはずだっ!!


「まあ、そんなわけだからユウマもそんなダメスキルなんて取らないで、私の教えた魔法の一つでも取った方がいいわよ。そっちの方がよっぽど利口だわ」

「ん? ああ、初級魔法なら昨日全属性取得したよ」

「え? そうなんですか? ユウマさんて結構スキルポイントをお持ちだったんですね」


 なんだろう。アイリスがやたらと驚いている気がする。

 確かに俺のスキルポイントは職業冒険者にしては高い方だとはギルドの受付のお姉さんに聞いていたが、そんなに驚くようなことなのだろうか?


「なあ、俺のスキルポイント最初が30ポイントだったんだが、それってそんなに高い方なのか? ギルドで受付のお姉さんが高い方だって言ってたけど、他の人の初期ポイントを知らないからわからないんだが……」

「そうですね。職業冒険者にしたらかなり高い方だと思います。少なくとも私は職業冒険者で最初から30ポイントなんて聞いたこともありません。すごいですよユウマさん」

「私もないわ。……ユウマ、冒険者にしたらあんた相当高いわよ」


 アイリスとリリーナがこういうのだから本当のなのだろう。

 そうか、俺ってそこまで落ちこぼれではなかったのか。

 この世界に来て、日本から来た連中で俺だけチートがもらえなかったり、ステータスが以上に低かったりと、俺ってやっぱり落ちこぼれなんじゃないかと心配していたのだが、そうでもなかったらしい。

 もしかしたらチートの方も、何か隠された力があるのかもしれない。マンガなんかの主人公みたく、ピンチになったら覚醒して圧倒的な力で敵を倒したり、なんかの条件を満たしたらステータスが爆発的に上昇したり、そんなことがあるかもしれない。

 フフッ……。俺も捨てたもんじゃないな。


「そういえば、アイリスやリリーナは最初どれくらいスキルポイントがあったんだ?」


 俺はアイリスやリリーナに褒められたことで少し自分に自信がついていたので、少し誇らしげにアイリスとリリーナにそう聞いてみた。


「えーっと。私は最初は50ポイントでした。いろいろスキルを取りましたけど、レベルも上がりましたし、今は40ポイントくらいです」

「……。……リリーナは?」

「え? 私? ……私は80ポイントくらいだったと思うわよ。今は攻撃系の初級魔法と中級魔法全部と、魔力アップや、詠唱時間短縮なんかに割いちゃったから。……もう30ポイントくらいしか残ってないわね」

「……」


 なんだろう。さっきまでの誇らしさはどこに行ってしまったのだろう。旅行にでも行ってしまったのだろうか。そしてそのまま帰りの飛行機が墜落して帰ってこないのだろうか。

 あれ? 目からなにかしょっぱい液体が……


「でも、気にすることないと思います。普通の冒険者はスキルポイントが10くらいが普通なので、その三倍ならユウマさんは冒険者としてはすごい有能な方です」

「あ、アイリス……」


 俺がアイリスのフォローに感動していると、リリーナが続けて口を開いた。


「まあ、だいたい冒険者なんて職業に就く奴はすぐに冒険者を諦めるか、必死にパーティー内の荷物持ちなんかを頑張ることになるんだけどね。ユウマは精々、そうならない様に頑張りなさい」

「……。『フリーズ』! 『フリーズ』! 『ファイヤ』!」


「ちょっ! なにすんのよユウマ! あーっ! 私の朝ご飯が! お肉が! スープが! パンが! ちょっと、私の朝ごはんどうしてくれんのよ!」


 俺の魔法によってリリーナの朝ご飯は大きく変貌した。

 まず、お肉は初級の火属性魔法を覚えることで自動的に覚える『ファイヤ』で焦げ焦げにしてやった。次にスープは暖かいものだったが、リリーナがいちいちいち、ふうふう、と息を掛けて冷ましていたので『フリーズ』で冷たくしてやった。パンは少し柔らかいかなー、と思ったので『フリーズ』でカチンコチンにしてやった。

 これが匠の技。まさにビフォーアフター。

 ……ふう。いい仕事をしたぜ。


「初級魔法を覚えることによって自動的に魔力を属性のものに変えられるとか、どう使うんだよって思ってたけど、こうやって使うんだな、ありがとうリリーナ。まさか自分の身を挺して教えてくれるなんて思わなかったよ」

「違うわよ! 普通こんな使い方誰もしないわよ! ほんと私の朝ごはんどうしてくれるわけ!」


 リリーナが立ち上がり俺の胸倉をつかんでくる。


「おいおい、暴力はよくないぜ。それに今の俺にそんなことしていいのか?」


 俺の胸倉をつかんだままのリリーナに俺は余裕の笑みを浮かべる。


「な、なによ。……お、脅しても無駄よ。こんな場所であんたも大したことはできないでしょ。それなら魔法使いでもレベルの差で筋力が高い私の方が有利よ」


 リリーナが俺の不敵な笑いを見ても臆することなく反論してくる。

 俺はさらなる嫌らしい笑みでそれに答えた。


「……いいんだな。今ならまだ許してやるぞ」

「やれるもんならやってみなさい。私は逃げも隠れもしないわ。正々堂々戦ってやろうじゃない」

「……それなら見せてやろう。『エアー』!」


 俺が初級風魔法を覚えてことにより覚えた風を起こす魔法を唱える。

 瞬間―――


「きゃーっ! なにすんのよヘンタイ! こら! この風を止めなさい! 後でひどいわよ!!」


 リリーナのローブが下からめくれ上がった。

 そう、俺がやったのは風魔法によるスカートめくりだ。


「ハハハハハハ。いい眺めだなー! ほら、なにかしてみろよ」


 一生懸命ローブの裾を抑えるリリーナを笑ってやった。

 リリーナは悔しそうに俺を見るが、両手をローブから離せないこの状況では杖を持つこともできないし、こちらに手出しも何にも出来ない。

 俺がそんな状況を楽しんでいると。


「ユウマさん! 魔法をこういう使い方をしたら、メッ! って言いましたよね! 私も怒るときは怒るんですよ。リリーナさんもユウマさんが気にしていることを言わないであげてください! ユウマさんはなんだかんだ私たちをいつも助けてくれてるじゃないですか。わかったならお二人ともお互いに謝ってください!」


 天使アイリスが降臨した。

 俺とリリーナはアイリスに怒られたことにより冷静さを取り戻す。

 そして俺たちはお互いに謝罪をした。


「……悪かったわユウマ。ユウマはいつも魔物に突っ込んでいく私を助けてくれるものね。さっきは言い過ぎたわ」


 リリーナが頭を下げた。


「いや、いいよ、俺も悪かった。俺もいつもひどいことしてごめんな。……なんかリリーナは年が近くて話安いし、反応がいちいち俺のツボだからついついからかいたくなるんだ。よかったらこれからも適度に俺とこんな会話をしてくれ」


 俺もそう言って頭を下げた。

 まあ、実際は悪かったなんてミジンコほども思ってないんだが。


「いいわよ。私もユウマとのこんなやりとりは楽しいし、お互い節度を守って楽しみましょ」


 そんな俺の心情を知ってか知らずかリリーナが手を差し出してくる。どうやら握手を求めているらしい。すぐに意図を察した俺もすっと手を前に出す。俺たちは握手を交わした。

 リリーナの手は俺の手より少し小さくて、女の子特有の柔らかさを持ち、なんだか少し暖かい。それにドキドキする。

 なんだろう。これはリリーナルート突入フラグなのか?


「……むうー」


 ラブコメの波動を感じていると、アイリスが頬をリスみたいに膨らませていた。


「どうしたアイリス? 俺たちちゃんと仲直りしただろ? なにか不満なのか?」

「そうよ、私とユウマはちゃんと仲直りしたわ。まだ何か問題があるの?」


 アイリスの反応を不思議に思った俺とリリーナがアイリスに問いかける。

 だって俺たち仲直りしたよ? 表向きだけだけど。

 するとアイリスは。


「……ズルいです」

「……え?」

「リリーナさんばかりズルいです。……ユウマさんとリリーナさんはいつも仲良しです。私だけなんだか蚊帳の外な気がします。ユウマさんは私とはそういう会話をあんまりしてくれません。でも、リリーナさんとはあんなに楽しそうにしています。……ズルいです」


 え? もしかしてこれって嫉妬? 嘘、美少女の嫉妬ってこんなにかわいいものなの? くせになりそう。

 なんて感情を表に出すわけにはいかず、心の中でアイリスの反応に悶えていると、アイリスの言い分にリリーナが口を開く。


「そんなことないわよアイリス。私、アイリスのこと大好きよ。可愛いし妹みたいだもの」


 リリーナの意外な思いに続き俺も言う。


「リリーナの言うとおりだぞアイリス。俺もアイリスのこと好きだぞ。妹にしたいと思ってる。なんならお嫁さんになってほしいまである。むしろなってください。どっちにも」


 ああ、言ってしまった。勢いで本心をアイリスに言ってしまった。アイリス妹になってくれるかなー? お嫁さんになってくれるかなー? 俺の妹嫁になってくれるかな?


「……ユウマ、あんたそんなこと思ってたの? 流石にちょっとやばいわよ……」


 そんなことを思っていると、なぜかリリーナが俺から距離を取り、引いていた。

 なんなら危ない人から小さい子を庇う様にアイリスを胸に抱きながら引いていた。

 ちょっと待ってほしい。その反応はちょっと待ってほしい。


「ちょっと待て、リリーナだってアイリスを妹みたいに思ってるって言ってただろ。俺のもそれと似たようなものじゃないか。なんの問題がある」

「いや、発言全部が問題でしょ。ユウマが言ったらちょっとした犯罪よ……」


 くそ! リリーナも俺をロリコン扱いするのか! 俺はただ小さくて可愛い女の子を愛でていたいだけなのに! 紳士なのに!


「そ、そんなこと言ったらリリーナだって妹みたいって言ってただろ。俺とほとんど同じなんだからリリーナも犯罪だ!」

「違うわよ! 私のはユウマのとは違うのよ!」

「なに違うんだよ!」

「なによー!」


 睨み合う俺とリリーナ。

 顔が近いとか、よく見たらまつ毛長いなとか、唇柔らかそうだなとか、綺麗な瞳だなとか、今はそんなのどうでもいい。

 ……どうでも……。

 よくないよ! 見てらんないよ!

 というわけで俺が先にリリーナから目を逸らす。

 そして、その逸らした先には―――


 再びリスの様に頬を膨らますアイリスがいた。


「ふん! もうユウマさんなんて知りません。私とはふざけた会話をしてくれないユウマさんなんて、私もう知りません。リリーナさんとだけ楽しく遊んでてください。私は一人で頑張ります!」


 そう言って頬を膨らませたまま一人朝食を取り終え、立ち上がるアイリス。


「ちょ、ごめんアイリス! アイリスともふざけた会話するから! ちょっと待ってー!」


 この後、俺がアイリスにまともに口を聞いてもらえるまで一時間かかった。

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