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最弱ニートの異世界転生  作者: Rewrite
第一章
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1話

とりあえずは毎日投稿を志しながら行こうと思います!

しばらくは書き溜めがあるのでご安心ください。

 

「ったー……。お、おい……どこだよここ……」


 目を覚ますと、そこは見たこともない街だった。


 木組みの家と、石でできた家、ビルのような高い建物はほとんどなく、少し離れたところに教会のような高い建物が見える。

 地面を見てみると、そこはアスファルトではなく石畳。

 おまけに文字も見たことのない文字だ。少なくとも日本語や英語などでは絶対にない。イメージとしては象形文字に似ているのかもしれない。

 まあ、象形文字なんてほとんど知らないのだが。


 そして、驚くのはこれだけではない。周りを見てみると、さらに俺は驚愕することになる。周りには俺と一緒居た美香の他に、恐らくクラスメイトだと思われる連中が三十人近くいたのだ。

 そいつらは、みんながみんな似たような反応をしている。


「なんだよここはっ! なんなんだよっ!」

「うわーん! おかあさーん!」


 この訳のわからない状況に困惑して怒鳴る男子、怖くて年甲斐もなく泣いている女子、その他の連中も似たようなことを叫んだり、泣き崩れたりしている。

 そんな奴らを見てしまったせいか、俺は冷静さを保つことができた。

 というより―――


「マジかよ! ここ異世界っ!? 本物!? アニメとかラノベとかでよく見る異世界っ!? 来ちゃったよー。俺、異世界に来ちゃったよー!!」


 異世界に来れたことに喜んでいた。


「わあーっ! なに? この世界なら俺、魔法使えるの? 英雄とかになれちゃう? あー神様、俺この世界でなら頑張れる気がしますっ!!」


 終いには神に感謝し始める俺。

 我ながら順応が早すぎる。


「……ねえ、勇魔。ここどこ? さっきから何言ってるの?」

 

隣を見ると、さっきから黙っていたので無視していた美香がようやく口を開いた。


「たぶんここは……」

 

 俺が自分の予想を美香に話してやろうとして口を開くと、急に頭の中に誰とも知れない声が響いた。

 周りの連中を見ると、周りの連中も変な声が聞こえるって言ってるから、恐らくここにいる日本から来たやつら全員に聞こえているのだろう。


(みなさん、聞こえますでしょうか? 私は女神。女神ラティファ。この度は皆さんにご協力してほしいことがあります。それは―――この世界を救ってほしいのです)


 え? 女神様? なに? この世界女神様までいんの?

 そんな場違いなことを考えながら俺は女神様の話に耳を傾ける。


(この世界は現在魔王軍に攻められ、非常に危険な状態にあります。今みなさんがいるこの街は比較的に安全な方ですが、他の街は被害を受けているところもあります。それで、その危機を救ってほしくて、皆様を召喚させていただきました)


 なるほど。この世界は魔王軍に攻められている、それを異世界から召喚された選ばれし者たちが救う。王道だな。

 ってことはきっと……。


(皆さまを選んでしまったのは本当に申し訳なく思います。ですが、私からせめてもの皆様への贈り物として、皆様には特別な能力を宿らさせていただきました)


 それきたっ!

 こういうのは大抵何かしらの能力が与えられる。

 そりゃあ、いきなり異世界なんてところに俺たちのような平和ボケした一般人が連れて来られたところで、そこらの雑魚の魔物にやられてしまうのがオチだ。

 もし、それを運よく乗り切ったとしても、この中に到底魔王を倒せるような逸材がいるとは思えない。

 だからこういうのは、なにかチートみたいな能力を与えられたり、チート級の武器をもらえたりするもんだ。


(能力の内容は皆さんの一番優れている能力を基準に考えさせていただきました。例えば、力持ちな人は怪力を、火を扱うのが得意な人には発火能力を、このような基準で決まっております)


 なるほど、ってことは俺はどんなチート級能力が与えられるんだ?

 ちなみに俺のスペックは成績はそこそこ、運動神経も並みぐらいだ。得意なことなんてゲーム全般くらいだし、後は記憶力くらいか? 二次元に限るけど……。

 あれ? 俺の優れてるところって……どこ?


(それと言い忘れましたが、魔王を倒せば皆さんは元の世界にお戻りになれます。魔王を倒された方には元の世界でも特別なご褒美が待っています。でも、この世界で死んでしまった方は本当に死んでしまうので注意してください。皆様には特別な能力が宿っているので、そう簡単には死ぬことはないでしょうが、くれぐれもお気を付けください。それではみなさん、女神ラティファの名において、健闘をお祈りいたします)


 言いたいことだけ言うと、女神さまの声は聞こえなくなった。

 なるほど、今のがゲームで言うところのチュートリアルか。


「お、おいっ! 冗談じゃねえぞ、魔王を倒すまでここから帰れない? ざけんなっ!」

 

 誰が言ったのか、俺と同じくこちらに飛ばされた奴の一人が叫ぶ。それを境目に他の奴もわめきだす。


「そうよ! 早く帰しなさいよっ!」

「な、なあ、俺達ちゃんと帰れるんだよな?」

「ゆ、夢だよね? これって悪い夢なんだよね?」


 これだけの大人数がいきなり街の真ん中に現れたというのに、女神さまが何かをしたおかげか今までなにも不自然に思われてなかった俺達だったが、これだけ騒いでいれば嫌でも周りの人の視線が集まる。


「……ね、ねえ勇魔、どうしよう? 私たちどうしたらいいの? あれ? 勇魔っ!? どこ行っちゃったのよ、勇魔ーっ!」

 

 周りがわめいている中、俺は意気揚々とその輪の中から外れて駆け出した。


 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


「さてと、まずは俺のステータスの確認。どうやって見るんだ? 叫べばいいのか?」


 俺と同じくいきなりこの世界に連れて来られた他の連中から距離を取って、俺は早速そこら辺で自分のステータスの確認をしようとした。

 しかし、その肝心のステ―タスの開き方がわからない。

 ゲームなんかだとスタートボタンとかで簡単に開いてみることができるが、この世界は異世界であるだけで、あくまでも現実世界の一種だ。そんなものがあるとは思えない。

 だとすれば、古典的ではあるかもしれないが、やれることはやっておくべきだ。


「出てこいっ。ステータスっ!」


 気合を入れて叫ぶ。すると、ステータス画面が目の前に……




 ―――現れなかった。




 周りの人たちの視線が痛い。

 俺はそそくさとその場を後にした。


「くそ、どうやったらステータスが見れるんだよ。チュートリアルが足りないっすよ女神さん」

 

 そんな罰当たりなことを口にしながら、俺は街の中を歩いてみる。

 今更だが、周りを歩いている人たちがすごい。

 ゴツイ鎧を着ている人や大きな剣を持っている人、背中に弓を背負っている人や、魔女風のローブを着て杖を持っている人。

 人間以外にも、背の小さくおっさん顔のドワーフ、耳の尖がっていて美男美女ばかりのエルフ、犬や猫の獣耳の付いた獣人。

 そんなゲームの中でしか見たことのないような人たちがたくさんだ。

 街並みも異世界物の定番の中世風だし、なんというか、ザ・異世界! みたいな感じだ。


 杖を持っている人がいるからこの世界には恐らく魔法があるのだろう。そして剣を持っている人もいる。

 二次元好きの奴なら誰もがきっと一度は憧れる異世界。剣と魔法の世界。

 俺は、何も知らないうちにここに送られてきてしまったのだ。

 心躍らないはずがない。


「そういや、美香おいてきちゃったけど大丈夫か? ……まあ、あいつも仮にもチート持ち、他の連中とパーティーを組むだろう。俺と組むよりアイツにはその方がいい」


 俺は、一緒にここに連れて来られた連中とパーティーを組んだり、協力するつもりは微塵もない。連中もきっと同じことを俺に対して思うだろう。

 女神様からもらったチートがあれば、この世界でもある程度は一人で楽して生きていけるだろう。

 そんな考えの俺と一緒にパーティーを組むよりは、美香は同じく日本から来たチート連中とパーティーを組んだ方が絶対にいい。

 この世界で生きていく覚悟さえできれば、チート持ちが数人もいれば楽に生きていけるはずだ。もし、帰ることを考えるにしても、俺と二人よりはチート持ち四人とかで組んだ方が安全だ。

 そう、なにをどう考えても、美香は俺とパーティーを組むより、他のチート持ちとパーティーを組んだ方がいい。

 一人で勝手に結論付け、俺はステータス確認の次にやるべきことを実行する。


「すいませーん。ちょっといいですかー」


 俺は近くにいた優しそうな軽装の剣士に話しかける。


「すいません、俺、勇魔って言うんですけど、この街に来るの初めてで、もしよかったらこの街の名前と、ギルド的な場所を教えてもらえませんか?」


 そう、ステータス確認の前にやること、それはこの街のギルドの把握。

 この街にギルドがない可能性もあるが、クエスト場とか、それに近いものはあるだろう。

 俺のそんな初心者丸出しの質問に、優しそうな剣士さんは一瞬驚いたような顔をしてから笑顔で教えてくれた。


「そうなんだ、それは大変だね。この街の名前はイニティ。通称始まりの街って呼ばれてるよ」


 なるほど、始まりの街、いかにもそれっぽい感じだ。

 そんな感想を抱いていると、剣士さんはそのまま話を続ける。


「それでギルドなんだけど、この街の中心に大きな建物があるんだ。ここの道を真っ直ぐ行けば着くはずだよ」

「そうですか、それはどうもありがとうございます」

「ギルドに行くってことは君も冒険者になるのかい? それならまたどこかで会うこともあるかもね。その時はよろしく頼むよ」

「そうですね、そん時はよろしくですよ」


 そう言って剣士さんと別れて俺はギルドに向かって走り始めた。


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