曇り空、夕焼け、虹色
青空、青空。
どんなにきれいに晴れていても。
天気に恵まれているときよりも。
少し、曇って。
少し、霞んで。
空気の中が、ゴミだらけで。
息苦しい時の方が、夕焼けがきれいに見える。
空が、オレンジ色に染まる。
透き通っていたはずの空が、色が変わる。
いつ見ても、綺麗だと言える。
澄み渡った空気よりも。
遠くまで見渡せる空気よりも。
目が、利かなくて。
前が見通せないとき。
きっと、濁った眼の方が。
世界が綺麗に見えるなんて。
皮肉もいいところだ。
綺麗なものが正義なら。
濁った眼が、きっと正義で。
曇りのない眼で、なんて。
悪者しか口にしないんだろう。
真実を見通す目?
目の前に、アクリル板を置いて見ているんだ。
水族館だって。
魚が綺麗に見えるのは。
アクリル板が、間にあるからだって。
だから、時折虹が見えて。
そこで、ようやく気付くんだ。
今日の空。
西の空。
夕焼けが、見えるでしょう?
きっと、人が生まれる前には。
夕焼けなんて、今よりも、綺麗じゃなかったんだ。
イマノホウガ、イキグルシイデスカ?
ねぇ、余裕って、何だろう?
見たくない部分まで、見えることかな。