095:鑑定
ムラマサブレード:STR100、VIT50、DEX50、クリティカル
攻撃時、追加効果:裂傷と呪いを100%発動
この武器は呪われています
「村正って、妖刀云々のあれかな?」
「違うのだ、本物は呪われていないのだこれは偽者なのだ!」
「えー、なにそれ?」
村正は刀工さんの名前であって刀の名前じゃないと思うんだけど
「まあいいや、取りあえず解呪してみよう」
「も、」
「も?」
「もったいないのだ!、フジワラに装備させるのだ!」
「呪われてるんだからダメだよ?」
「問題ないのだ!」
「いやいや、ダメでしょ?」
「あいつなら喜んで装備するのだ!」
「えー、なんでさ?」
「侍の本懐なのだ!」
「藤原君、侍じゃないと思うんだけど」
「心は侍なのだ!」
なにそれ?
ま、実際凄い性能だけど、やっぱり呪われているのはダメ
どのような呪いかもわからない、呪いは発動して初めて種類がわかる
殺人をしたくなる呪いとかだったら目も当てられない
実際これをドロップした暗黒侍さんはそんな感じだったしね
「解呪して壊れなかったら藤原君にあげようね?」
「呪われないのならあげなくていいのだ!」
なにそれー?
「解呪!」
ボロボロと崩れていくムラマサブレード
「あらら、やっぱり無理か、残念!」
「おぉぉぉ、むらまさぁぁぁ!」
叫びながらどこかにいってしまうクロ君
んー、そうするとこれも全部壊れちゃうのか
暗黒の人達がドロップした装備品を見る、ひとり1個落としてくれた
「取りあえずしまって置こうかな」
光魔法がユニーク化した事で解呪も特殊な効果が出るかと思ったが
特に変化も無い、無駄に性能のいい装備を壊すなら取っておこう
「呪い装備は基本的に性能が良いよね」
「うむ、ハイリスク、ハイリターンだな!」
穴二つってやつだね!、魔石がテーブルに置かれる
ちなみに現在は、管理迷宮の最下層で休憩中です
安全地帯などと言う便利なものが設置されているので
有効に活用させてもらっている
魔物の影が見えるたびに喜んで狩りに行くクロ君
狩った魔物の魔石をコロコロ転がし持ってくる
あんまり遠くに行ったらダメだからね?
「クロー、お茶にしようー!」
「うーむー!、おやつくれくれ!」
凄いスピードで戻ってきた、ゲンキンだね!
血まみれのクロをお湯の玉の中でひと泳ぎさせ綺麗にする
「ふいてふいてー!」
ふよふよと空中を移動してくるクロを大きなタオルでキャッチする
「むにゅにゅ~!」
タオルの中でぐりぐりと暴れるクロ君
「拭き辛いー!」
「むふふ~!」
テレスさんも無事でご機嫌さんなんだね?
カラン、とジュースに入れた氷がなる、氷魔法です!
超便利です、貢献してくれた暗黒の人達に感謝です!
がりがりがりがり!
凍らせたジュースをがりがりと食べているネコさん
「美味しいの?」
「がりがりがり!」
「わかんないって、」
まあ、氷魔法で一瞬に凍らせたジュースだから濃さに偏りが無い
それはそれで、美味しいのかもしれないね
食べ過ぎるとお腹冷えちゃうからね?
背中を撫でる、がりがりがりがり!
もー!
一方その頃、
忍術の研究に余念が無いフジワラ!
「火遁の術!」
ボボボボボ!、派手に広がる炎!
「やっぱ、触媒が必要なんだな」
火遁や水遁にはそれに対応した属性の触媒がいる
今は魔石にその属性の魔法を付与して触媒としているが
「これじゃ、普通に魔法使ったほうが楽だよな」
触媒さえあれば魔力を消費しないので便利なのだが
「奇襲とかには役立つかもなあ」
魔力感知されないのは強みだ
「空蝉の術!」
.........何も起きない
無属性の魔石かと思ったんだが、違うのか
「あー、わかんねー!」
もしかして空間魔法の属性とかだったりするのか?
いやいや、それは無いな上忍も普通に使ってたし
魔物は触媒いらないとかか?
「楠木か魔道具屋のばあさん辺りが知ってそうな気がするわー」
楠木はなんか変な知識持ってるからな、特殊な家系っぽいし
カーサってばあさんもなんかいろいろ知ってるんだよなあ
ふたりとも鑑定持ってるし!
「説明書欲しいわー!、ちくしょー!」
魔物に八つ当たりするフジワラ、最低の男だ!
「お色気の術!」
..................
「べ、別に言って見ただけだし!」
誰に言い訳しているのか、下種な男だ!
「変化の術!」
..................
誰に変化しようとしたのか、死ね!
「なんか俺すげー侮辱されてる気がする!」
気のせいだ、死ね!
「死なねーし!」
管理迷宮事務:
戦闘の後処理の指示をする
破壊の大半はギルバートによるものだが、やむなしだ
隠密に長けた高位の魔物を街に放つわけにはいかない
損害のあった商店は職員立会いのもと検証を行う
賠償金はギルド経費から支払われる
サラを筆頭にギルド職員が忙しく動き回る
ギルバートは迎撃に参加した冒険者に酒を振舞っている
飲み比べが始まっているが、本人はザルだし放っておこう
そのとき転移魔法陣が輝きだす、
直近の転移があれだった事もあり皆が一往に緊張する
現れたのは、その見事なプロポーションに小さめの服を着た女性
何かの罰ゲームかと思えるその姿は妙に扇情的だが
なぜか本人はその服をとても気に入っているらしい
いつでも戦えるようレイピアに手を掛けた状態で固まるウィリアム
「テレス?」
信じられない者を見たように目を見開く
「どうも、嘘つきギルド長こちらも終っているようですね」
テレスの姿を模した魔物かと思ったが、言動から本人とわかる
しかし、この姿はどういうことだ?
傷がユニークスキルの再生で完治しているのはわかる
しかしあの服装はどういうことだ?
「嘘つきとはまた酷い言われ様ですね、その服装はどうしたんですか?」
彼女は魔法の鞄に類する装備は持っていなかったはずだ
転移前に装備していたアベンジャー装備や服が変わるのはおかしい
「アベンジャー装備は壊れたので捨てました、これは念のために持っていた換えの服です」
平気な顔で嘘をつく、話す気は無いという事か
「テレス!」
気付いたサラがテレスに抱きつく、彼女も心配していた
「サラ、ローブか何かありませんか?」
騒ぎに気付いた冒険者達の注目を集めている
冒険者のほとんどは男性と言うこともありその扇情的な姿
しょうがないとはいえ、そういう視線もちらほらと見受けられる
「あ、うん、はいこれ」
男性冒険者の落胆のため息とともにローブを纏う
「ありがとう」
「誰か助けが来たの?」
サラの素朴な疑問
「どうやって戻ったのか教えてください」
ウィリアムの疑問、質問しておいて気付く迂闊だった
ローブから出された手、その指先に挟まれているカード
それは、ボスを攻略した証である転移カードだ、
記された数字は40!!
「うほっ!、まさかソロで40F攻略しちゃったのか?」
ギルバートが話に加わる、ざわめきがおきる
「代わりに装備が壊れましたけどね、当然経費で落ちますよね?」
「そうですね、取りあえず事務所へ行きましょうか」
このままここで話を続けるのは不味い
最下層なのか?
敵はどのような種類が出たか?
特殊な転移カードは出たか?
先にギルドで占有すべき情報が多々ある
しかし、
王都の管理迷宮の40Fをソロで攻略、この情報はもう隠蔽できない
面倒な事になりそうだが後悔しても仕様が無い事だ
隠せないのなら精々利用しよう
テレス説明中………
話を聞く限り、本当にソロで40Fボスを攻略したらしい
矛盾はそのままで報告が終る、その点本人も話す気は無いらしい
彼女が話さないと決めた以上、聞くだけ無駄なのだろう
ある少女の顔が浮かぶ
名前を出したら、
「何かするようなら殺しますよ?」
それが答えらしい困ったものだ、
彼女への依存度というか執着度が上がってますね
保護していた者が可憐な花ではなく破滅の爆弾だったのかもしれない
変わらないか、愚か者がそのスイッチを押さないよう保護するだけだ
先般、火の一族が触れてしまったらしいが彼女達は表舞台から消えた
どのような取引があったのか、調べようとすると邪魔が入る
特に実行部隊であったメイド達が全力で阻止してくるのだ
それこそ狂信者のようなそれは守る対象が火の一族ではない
やはり、彼女は王家とまだ繋がりがあるのだろうか?
まあいい、現在の関係が続くよう配慮しよう
彼女は不干渉が望みのようだし、なるべく係わらないように
40Fの情報と今回の手当てとしてテレスにはある程度の権限を与える
装備に関しては、これから始まる40Fの攻略で手に入った物の中で
彼女に合う物をギルドが買い取り譲渡する事とした
後は40Fの攻略に専念しよう、まだ調査の済んでいない冒険者もいる
国からも何組か参加の申請が来ている、貴族の私兵と王家か
治療班にも教会の司祭を何人か組み込んだほうがいいだろう
なるべく問題が起きないよう順番や配置を決めないと
ウィリアムの忙しい日々が続く
話しは変わるが、
あるところに、素晴らしく思慮深い賢者がいた
ある時、ある者が聞いた
「師はなぜそれほどの深慮に至ったのですか?」
賢者は苦々しく笑いながら答える
「周りに馬鹿しかいなかったからだ」
嘆かわしい!
冒険者リンにギルドから40階攻略の治療班参加の依頼が出る
依頼主の名は、ギルバート!
ウィリアム曰く、馬鹿の代表だ
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名前:楠木 凛 種族:人族 性別:女 年齢:16
レベル:18
HP:290/290 MP:560/560
STR:285 VIT:275 DEX:305 MND:275 INT:560
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定
(技) 隠密5、罠解除1
(魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法4
火魔法5、氷魔法1、雷魔法3、土魔法5
光魔法、闇魔法5
(自動)HP回復、MP回復、クリティカル
装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄
聖魔の糸+5:ALL100、HP回復、MP回復
白のローブ:INT20
素早さの靴:DEX10
魔力の腕輪:MP20
力の腕輪 :STR10
ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル
使い魔:クロ
スキル:(特殊)念動力
(武技)格闘術5
(技) 隠密5
(魔法)炎魔法2、水魔法1、風魔法5、鉄魔法3
光魔法5、闇魔法5
(自動)HP回復、MP回復、クリティカル
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