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ネコと私  作者: 昼行灯
管理迷宮編
93/143

092:マスターニンジャ

「ふんふんふ~ん!」

スキップをしながら鼻歌を歌っている男は他人からどう映るのだろう?


「おっちゃん、はい、ギルドカード!」

「お、おぅ、う、嬉しそうだな、何か良い事でもあったのか?」

「え、そう見える?、へへ、次のデートが待ち遠しくってさ!」

迷宮探索はデートじゃないのだ、と突込みが入りそうだ

「しかも、かわいこちゃん2人とだぜ、いいだろ?」

「お、おぅ、そりゃすげーな」

それデートじゃなくね、と思った受付の男だが黙っておく


我を数に入れないとはいい度胸だ殺してやると聞こえてきそうだ


「頑張ってレベル上げて、驚かせちゃおっかなぁ」

頑張ればレベルが上がるのだろうか、言っている事がおかしい

この少年はまたひとりで迷宮に潜るのだろうか?

もう少し緊張感を持ったほうがいいと忠告しようか?


迷っているうちに、少年は行ってしまう

「ふぅ」

何を思っているのだろう、ここは自己責任の管理迷宮だ

小さく首を振り少年の背を見送り自分の仕事に戻る




ふと、気がついて周りを見回す

「なんだ?」

管理迷宮待合所の雰囲気が変わっている...

じじいや楠木たちとの付き合いで強い奴の匂いが判る様になった

その匂いが濃くなっている、高レベルが増えているのか?


視線を感じるが誰が見ているのかは判別できない

鑑定ではない、ただの値踏みの視線だ、居心地がよくない

「じじい達の探索といい、こいつ等といい、何かあるのか?」

しばらくその場で突っ立っていたのだが、誰も絡んでこない

「ま、そりゃそうか、」

相手の実力も測れないような雑魚はあらかた掃除した

ここにいる奴等も掃除する側の人間のほうが多そうだ


「迷宮いこっかぁ!」

クソネコが自慢してたが、楠木とレベルは同じなのに

俺はステータスが大幅に負けているらしい


「取りあえずスキルのレベルを上げようかね」

迷宮の入り口へ向かおうとした所、脱出用の転移魔法陣が光り


見知った顔が現れ、、違う!

この前と面子が微妙に違う、白ずくめの、、忍者か?

全然忍べてない忍者とはこれ如何に?

ああ、もっと特徴的なものが目に入る

「赤い目だとよ、なんだそりゃ?」


隠密を発動し、その場から消える





「お前も一緒に来い!」

テレスの叫びとともに軽い浮遊感、そして光が消える


レイピアを抜き

「オォォォ!」

剣術スキル、10連突き!


上忍の体が紙のように突き抜かれる、、紙のように、

空蝉の術!

突き破られた人型の紙から闇が吹きあがる、

暗闇の術!

「くっ!、ギル閉鎖を!、テレス、サラをお願いします、風よ!」

風魔法で闇を払う!

「ウィリアムさん!」

サラの叫びが聞こえる、聞きたくない!

「ギルド長命令じゃ、迷宮の入り口を閉鎖しろ!」

ギルド職員と冒険者の対応は迅速だ、

転移で魔物がまぎれることは初めてではない


管理迷宮の建物は入る冒険者を制限するためだけではなく

魔物が逃げ出さないための物でもあるのだ!


迷宮の入り口の扉が閉まり、建物の入り口も冒険者で固められる


闇から手裏剣が飛来する!

「グァ!」

冒険者が倒れる

「レベルの低いものはこちらに集まれ!」


「隠密か!、気配察知があるやつは居るか?」


「入り口の近く、あそこだ!」

くぐもった誰かの声に皆が振り返る、違う騙されるな!


火遁、業火の陣!

炎が巻き上がる、、水よ!、雨よ!

空かさず水魔法が唱えられ、消化される


「ギル、追い詰めます手伝ってください」

「おぉぅ!」

「ウィリアムさん!、テレスさんが居ません!」

解っている!

転移の瞬間、彼女が消えるのを見た!


もう結論は出ているのだ、今すぐならば間に合うかもしれない

だがその手段は無い、設置した転移魔法陣の起動装置はここに無い

もし救出に向かうなら35Fの転移カードで転移する事になる


間に合わないのだ、どうやっても今すぐにあの場所へ戻れない


安全地帯ならばあるいは?

だがこいつらは、そこにいた我々を襲ってきたのだ

おそらく助かる方法はひとつだけ、それも恐ろしく低い確率だ


それは、

奴等との戦闘を回避し、ボス部屋に挑む

おそらく通常のボスならば奴らと戦うより勝てる確率が僅かにある

勝てさえすれば、宝箱を開けずに転移魔法陣に乗れば脱出できる


彼女の装備が万全ならばあるいは...

解呪させたのは私だ、万全でないのも解っている


なぜ!


なぜなぜなぜ!


「行きましょう、ギル」

焦るほど冷静になっていく自分を呪いたくなる

「お~、いくぞい!」

貴方は、変わりませんね、、感情を切り離す


防御の一切をギルに任せ、気配察知スキルを最大発動する


飛来する手裏剣をギルの剣が弾き、スッ、と指差す方向へ

「オラオラオラ!」

スラッシュが乱れ飛ぶ


そのまま、進む


「オラオラ~!」

建物を破壊しながら、上忍を追い詰めていく


戦いに集中する


詰めで逃げられたら意味が無い


スキルに集中する、チャンスは一度、それに賭ける


「オラオラ~!」

まだだ、まだ、いてぇ、糞じじい!


動きが鈍くなってきている、もう少し、指を差す

「オラオラ~!」


来た!、気配察知に反応があった


静かに、確実に、二本の剣を両脇から斜め上へスッと通す


肋骨の隙間を通り肺を破り心臓に到達し刃先が逆の肩へと抜ける



スキル強奪発動!、、、、忍術取得!



「サンキュ!」

隠密を発動しその場を離れる

「オラオラ~!」

背後で死体が弾け飛ぶ、ご苦労さん


忍術とか、なんか格好いいな

分身の術とかあるのかな~?


その日、にんにんと言いながら魔物を狩る変人の噂が立つ


フジワラは、レベルが上がった!

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名前:藤原(フジワラ) 秀平(ヒデヒラ)

種族:人族 性別:男 年齢:16

レベル:17(1up)

HP:280/280(10up) MP:215/215(10up)

STR:225(10up) VIT:255(10up) DEX:165(10up)

MND:165(10up) INT:175(10up)

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪

    (武技)剣術5、槍術3、格闘術3(1up)、弓術4(1up)

    (技) 隠密5、罠解除4

    (魔法)炎魔法1、氷魔法1、風魔法5、土魔法5

        光魔法4、闇魔法4、忍術1(new)

    (自動)気配察知3、HP回復5、統率3


装備:大地の剣:HP20、STR10、VIT20

   騎士の剣:STR20

   大地の鎧:HP30、VIT30

   緋色のローブ:MP20、INT10

   大地の籠手:HP20、VIT10

セット効果大地:HP30、MP30、STR30、VIT30

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