084：秘密の迷宮02
名前：ジェーン 種族：魔人
HP：600/600 MP：0/0
STR：150 VIT：300 DEX：100 MND：300 INT：100
スキル：（特殊）念動力、魔眼
魔人？
魔族と言うことだよね、意思の疎通が出来るのかな
いや、けどもう敵対行動取っちゃったし無理か
それにおそらく、あの念動力と言うスキルはやばい
空間ごと圧縮と言うか握りつぶしている
そして魔眼、
拘束のために放った糸、魔力を通していないのに気付かれた
こちらの世界に来てから扱いも熟練してきたつもりだ
ステータスの上昇に合わせて練度も上がっていた
つまり魔眼で単純に見られたと言うことだろう
「暗闇！、クロ！」
闇魔法の暗闇を発動する、目眩ましにもならないかもだけど
取りあえず、握りつぶされるのはまずい
「うむ！」
ドンッ！、クロが空間に火の玉を浮かべながら移動する
「無理はしないでよね？」
私は魔人と反対方向へ逃げる
「うむ、まかせろ？」
まかした？
我と同じ爆裂歩法でリンが移動していく、ふふん
何だかんだと言いながらリンもこれがお気に入りなのだ
我の方が速いけどな！
「色が同じでわからないー、ネコちゃんどこー？」
ぎゅ！
暗闇が圧縮される、あれはどれほどのものなのだろうか
ぎゅ！
移動先の空間が歪む！
「むむむ！」
まぐれ当たりか？
ズガンッ！
魔人の行く手を阻む障害物のつもりで置いた火の玉を足場に
爆発も加味し無理やり方向転換をする、ちょっと痛いのだ！
しかし、爆発からの移動とか、かっこいいのだ！
まさに爆裂歩法！
後ろで爆発ごと空間が圧縮される
薄っぺらい人型が四方から魔人に殺到する
リンの式か、心配しすぎなのだ
けど、利用しよう
風の刃を複数作り出し魔人へ向けて放ちつつ、隠密発動！
「わ！、わ！、なにこれ、紙？」
殺到する人型を空間ごと握りつぶしていく魔人
連続で発動できるが、複数発動は無理な様だな
発動条件は、手を握っているが違うな、あれは癖だな
すると、、視線か、見える範囲しか発動できていない
後は、リンの糸も見れたあの目、我の隠密も無効とするのか
するすると、音を立てずに近づいていく
右の人型を握りつぶした魔人、次は後ろか左か
そのまま後ろを振り向く、では前から行くぞ？
音も無く人型を駆け上がり、宙に舞う
首を狙う、一撃だけだ、成功しても失敗しても離脱する
鋼の爪を伸ばし振りかぶる、周りから先ほど出した風の刃が殺到する
空間が歪む！
「えへへ～、ネコちゃん捕まえた！」
左手を握りつつ、こちらを振り向き右手を握る魔人
「同時発動できたのか、なぜ我がわかった？」
凄い力で我ごと空間が圧縮されていく
「魔力？」
「なんだ、目だけに頼ってるわけじゃないんだな、一本取られたのだ！」
我の体が淡く光り、その圧縮される空間から消える
貴重なクロ君の犠牲を糧に小部屋にたどり着く
途中で式を放っておいた、人型と蝶だ
囮程度だけどクロなら役立てるだろう
蝶は戦いを見るため戦闘圏外で舞って貰う
扉を開け、糸を放ち中へと入る
先客がいるようだ、4匹の魔物、糸で倍の8個になってもらう
さて、どうするか
転移で脱出するか、この部屋にロックをかけるか
いや、この部屋に立て篭もるのは得策じゃないか
空間ごと握りつぶしているあれは小部屋では危険すぎる
ロックをかけて小部屋に立て篭もり扉越しに交渉とか、、無理だ
意思の疎通が出来るからといって、お友達になれるわけでもない
流石にその様なお花畑な思考は持ち合わせていない
交渉失敗の時、ロック状態の部屋から転移は出来ない
その時点で詰んでいる
魔人と言う者の思考もわからない、
姿形が同じだから思考も同じと思うのは浅慮だろう
この迷宮にいると言うことは
次元の迷宮に、探索に来た彼女と転移先が同じだったか
もしくは、彼女がこの迷宮の主という事かのどちらか
確率的には後者、それはつまりそういうこと
そして、転移による脱出
出来ない気がする、これはただの勘
転移魔法、発動にはそれなりの時間が掛かる
出来なかった場合、時間的に無策の状態で対面する事になるだろう
あちらは、山場に差し掛かっている
彼女、MPが0だからか魔力にも鋭いみたいだ
上手くいきそうだったクロの作戦、鋼の爪で魔力を使った事で失敗した
「召喚！」
クロが私の腕の中に召喚される、ご苦労様
「悔しいのだ！、リベンジ希望なのだ！」
頭をぐりぐりしてくるクロを回復する
「どうするのだ？」
クロがその綺麗な翡翠色の瞳で見つめてくる、、、さて、
コン、コン！
扉をノックする音がする
コンコンコン！
．．．．．．
ドンドンドンドンドンドン！！！
．．．．．．
．．．．．．
．．．．．．
ガンッ！！！
「あけて～？」
ガンッ！、ガンッ！、ガンッ！
「おねえちゃん、いるんでしょ？」
ガンッ！、ガンッ！、ガンッ！
「ネコちゃん、あそぼ～？」
ガンッ！、ガンッ！、ガンッ！
「何して遊ぶの？」
ガンッ！、ガッ
「おにごっこ～！」
「誰が鬼なの？」
「わたし～、えへへ！」
「捕まったらどうなるの？」
「きえちゃうの～」
．．．．．．
「他の遊びがいいな」
「え～、じゃあ、おにごっこにする？」
「おままごとがいいな」
「いいよ～、じゃあ、わたしが鬼ね？」
「別のものがいいな」
．．．．．．
「わたし魔力無いから効かないよ？」
光魔法の洗脳を言霊にのせてみたが効果が無いらしい
「帰りたいな」
「かえれないよ～？」
「捕まりたくないな」
「やだ～」
「私も捕まえていい？」
「いいよ～、捕まえっこだね！」
．．．．．．
．．．．．．
カチャリ
小さな音を立てて扉が開く
部屋の真ん中に、ネコを抱いた少女が儚げに揺れている
「せんせいこうげき～！」
部屋全体が圧縮される、クシャと潰れるネコと私
「反撃なのだ～！」
通路の角から隠密で近づいたクロが背中に爪を刺す
刺した後に、爪に鋼の魔力を通し伸ばす！
「かふっ！」
驚いた顔で振り向く魔人
「なんで？」
口から血を流しながら聞いてくる
「部屋の中にいなかっただけだよ」
部屋に私とクロの式を残しロックの魔法をかけた
私達は通路の角で隠密、視覚に入らなければ魔眼は関係ない
視覚に入らず魔力を使わなければ隠密は気付かれない
「リベンジ成功なのだ！」
私の腕の中に戻ってくるクロ、私も、ね
「もうやめない？」
一応意思の疎通が出来るのだ、確認をしておく
「なにを？」
血を流しながら笑みを浮かべる口、前に差し出された手が握られる
ぎゅ！
空間が歪む寸前に、移動する
なかなか強力な吸引だけど、、糸に魔力を通し切れない様にする
私達より先に彼女に絡めた糸が圧縮される空間に吸い込まれ
「あっ！」
と声を発し、魔人の体がばらばらと崩れていく
自身の強力なスキルにより切刻まれる彼女
魔眼は視覚に入らなければいいのだ、
隠密で隠れている私達に背を向けてた時点で終っている
よく見れば自分に絡められた糸を見つけられてだろう
クロの奇襲で気が動転さえしていなければ、ね
彼女のいた場所に魔法陣が浮かび上がる、脱出用の魔法陣だ
コロコロ！
クロが巻物で遊んでいる、なんだろうね？
念動力の巻物！
「ユニークスキルの巻物出ました！」
「くれくれー！」
クロが飛びついてくる
「んー、そうだね、クロもユニークスキル欲しいって言ってたし」
「欲しいのだー！」
巻物にぶら下がっているクロ君、ぶらぶら～
「むやみに使ったらダメだよ？」
「フジワラの心臓をぎゅってするだけなのだ！」
「ダメじゃんー！」
「問題ないのだー！」
クロは念動力を覚えた！
ぎゅっとしたらダメだからね？
首をきゅっとするのだ！
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名前：楠木 凛 種族：人族 性別：女 年齢：16
レベル：15(1up)
HP：210/210(10up) MP：400/400(20up)
STR：155(10up) VIT：170(10up) DEX：175(10up)
MND：170(10up) INT：400(20up)
スキル：（特殊）言語翻訳、アイテムボックス、鑑定
（技） 隠密5、罠解除1
（魔法）召喚魔法(式神)、空間魔法4
火魔法5、水魔法5、雷魔法3、土魔法5
光魔法、闇魔法5
（自動）HP回復、クリティカル
装備：普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄
聖なる糸 ：HP50、VIT25、MND25、HP回復
白のローブ：INT20
素早さの靴：DEX10
魔力の腕輪：MP20
力の腕輪 ：STR10
ウサギの尻尾：DEX20、クリティカル
使い魔：クロ
スキル：（特殊）念動力(new)
（武技）格闘術4
（技） 隠密5
（魔法）炎魔法2、水魔法1、風魔法5、鉄魔法3
光魔法5、闇魔法4
（自動）HP回復、クリティカル
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