082:管理迷宮02
敵が来た、、ソロの魔術師
ここに居ると言うことは相当な実力なのだろう
しかし、所詮はひとり対処法は呪文を唱える前からの速攻!
剣を抜きつつ目配せをする、絶えず攻撃を行え!
シーフがクロスボウからボルトを放つ、連射式だ!
メイジがウィンドカッターを放つ、見えない刃が魔術師を襲う!
ヒーラーが光の呪文で部屋を照らす、、ん?
「にゃ!」
肩に黒い影とそこからおかしな声がする、なんだ?
横を向くと、影が小さな手をこちらに伸ばす所だ
チッ!、なんだこいつは、振り落とすか!
その小さな手から伸びてくる爪を赤い目で睨みつつ肩を揺する
ふわっと、浮く影、、飛べるのか!
目を見開きつつ思う、この爪はどこまで伸びているのだろう?
斬!!!
後頭部まで突き抜けている鋼鉄の爪を抜きつつ、
もう片方の前足で首を掻き切る、トッっと落ちる頭に着地し
ドンッ!
べしゃという頭が吹き飛ぶ音を聞きつつ次の獲物へと向かう
もうひとりの戦士が剣を振り下ろしてくる所だ
ギャン!
耳障りな音と共に剣がその半ばで斬られる、斬ったのは鈍く光る爪
「なまくらだな!」
宙を飛ぶ剣先に着地した影が言い放つ!、ドンッ、斬!!!
「きゃ!」
「む?」
なんか格好つけているクロを意識しつつ残りの後衛を倒していたら
高速で剣の先だけが飛んできた、何とか糸で軌道を逸らしたけど
「クロのバカー!」
「ごめんなのだ?」
疑問形で謝りつつすりすりしてくる
「斬った剣に乗って喋ると、かっこいいとか思ってやったでしょ?」
「別に思ってないのだ!」
するするとローブのフードに逃げ込もうとするクロを捕まえる
「はーなーすーのーだー!」
じたばたするクロ君
「もっと周りを考えて戦闘しないとダメだからね?」
「わかっているのだ!」
捕まえている手をかみかみしてくる
「カーサとか藤原君とかとも一緒に潜る事もあるからさ」
「カーサのときは気をつけるのだ!」
藤原君のときは気をつけないのね、まあ両方前衛だからいいけどさ
15Fの転移カードを拾い、階段を降りる
「人型の魔物が増えてきたね」
ゴブリンのような人間タイプは今までもいたけど
見た目がそのまんま人族の魔物が出るのだ、違いは目が赤いだけ
「あいつ等は魔族と言うやつなのか?」
クロが聞いてくる、けど
「違うみたいよ、魔物としかでないから」
「ふーん、魔族とか強いっぽいからあんな弱いとがっかりだしな!」
魔族の存在は確認されているけど詳細は不明なんだよね
人が成ると言う話もあるし、高位の魔物が進化した姿とも言われる
ひとつ、冒険者の間でまことしやかに話される噂がある
レベル100になると選択肢が出ると言うのだ
魔族に進化しますか?、と
魔族に成るとステータスが数倍になるという
その代償としてレベルが無くなる、つまり成長しなくなる
これはあくまでも噂、しかし具体的過ぎる噂
続きがある、魔族にならず人のままレベル1000になると
神に進化しますか?、とでるらしい
流石にここまで来ると人族内で信じるものは無くなる
寿命的に無理なのだ、しかし、エルフ族等の長寿の種族ならば?
「進化しますかとか良い感じにいっても、人間やめますかだもんね、選んだ人はどういう思いでその後どうしたんだろうね?」
「ふふふ、秘密にしていたが我がその神なのだ!」
「凄いね?」
「凄いのだぁぁぁぁ!」ぐりぐりぐり!
20Fボス部屋:
白い貫頭衣を着た子供がいる
抜けるような白い肌とキラキラと輝く金髪の女の子
サラサラの茶色がかった髪と小麦色の肌の男の子
皆、可愛い盛りの子供たち、保護欲をかき立てるその容姿、だが!
その瞳は赤く手には血に濡れたナイフやハサミを持っている
その子供たちの真ん中に倒れ伏す、赤い貫頭衣の子供
元の色は白だったのだろう、かすかに上下するその小さな胸
まさに虫の息だ、助けなくては!!!
「全部魔物なんで燃やしていいよ」
「うむ、極炎!」
転移カードを拾う
「なんか芝居がかってたね、ここのボスが人気無いのも何となくわかる」
「鑑定が無いやつは、思わず助けて起こした所で、グサッって感じなのか?」
「いやあ、流石にそんな間抜けな人はいないでしょ、みんなボス部屋入ったところで一緒に湧いてるんだし」
「でも、もしかしてとか思うんじゃないか?、わかってても殺した後に罪悪感にさいなまわれるとか?」
「あー、それはあるかも、たしかに真ん中の魔物目開けてなかったもんね」
鑑定が無いと赤い目でしか人間と魔物の区別が出来ない
「寝不足のやつとか間違って殺されてたりしてな!」
「それは白目の部分が赤いだけじゃん」
ここのレアボスって何が出るのかな?
買った情報にも載っていない、子供じゃなくて大人が出るとか?
うーん、なんかそれは違う気がする、まあ、確かめる気は無い
「じゃ、行こうか」
「うむ、もっとちゃんとした敵に会いたいのだ!」
そうだねえ、あんな光景は衝撃的過ぎて夢に見そうだよね!
25Fボス部屋:
「おー、レッサーデーモン、下級悪魔ってとこかな?、悪魔だって凄いね!」
「雑魚め!」
嬉しそうにクロが出て行く
「遊んでやる、かかって来い!」
前足でクイクイと手招きしている、まさに招きクロ!
「グォォォォ!」
叫び声と共に火の玉が出現し、クロへと襲い掛かる!
斬!
黒い炎を宿した爪に切裂かれる
「くっくっく、そんな温い炎じゃ我の爪は燃やせないぜ?」
「グオ?」
「グオじゃねぇぇぇぇぇ!、黒炎斬!」
いやいや、もしかして今ので会話が成り立ってるの?
というか、悪魔さん言語あるなら言語翻訳で会話できるのかな?
転移カードを拾い先に進む
21F以降は正確なMAPが無い、一応今までで解っているMAPを貰い
後は探索者が記述して行く形になっている
書かれている以外の隠し通路や部屋を見つけたら報告すると
MAPが完成し販売するようになった後、継続的に報酬が出るらしい
まあ、幾つか隠し部屋見つけたけど、報告する気は無い
もうお金には困っていないし、見つけた経緯とか説明したくないし
いらない詮索されるだけだし、面倒くさい
30F:
ここは、今までの迷路状な構造と違い一本の道が続いている
階段を降りるとそのまま真っ直ぐ道が伸びているだけ
しばらく進むとボス部屋がある
「怪しいでござる!」
「隠し部屋の予感でござる!」
「どこにも無かったでござる!」
「むう!、でござる!」
そう、糸で通路全てを探ってみたけど何も無い
だけど、どう考えても怪しさ満点
「まあ、悩んでもしょうがないボス部屋行こうか」
ボスはレッサードラゴン、下級竜?
「クロ君、どうぞ」
「うむ!、雑魚め!」
まあそうだね、既にアースドラゴンと戦闘したことあるし
ブレスをその伸ばした爪でふたつに斬りながら前進するクロ
「器用な事するね?」
「ふふふ、格好良いだろ?」
「モーゼみたい?」
「なにそれ?」
「えー、なんでもない」
「むう!」
懸命にブレスを吐くドラゴンの前にたどり着くと爪をさらに伸ばし
そのまま両断する、お見事でござる!
転移カードを拾う
「んー、悪魔と竜のレアと激レア狙ってみようか?」
「激レアは、グレーターデーモンと属性ドラゴンってところか?」
「たぶんねー」
「けどけど、属性装備が出るだけじゃないか?」
「アースドラゴンの時は大地シリーズが出たんだっけ」
「うむ、クソワラにあげたやつだな」
「悪魔からは何が出るのかなあ」
「悪魔シリーズ?」
「なんか悪そうだね!」
しばらく粘ってみたけど、レアしかでなかった
普通のデーモンと普通のドラゴン、問題なく倒せた
成果はレベルが2上がって、クロが水魔法を覚えた位かな
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名前:楠木 凛 種族:人族 性別:女 年齢:16
レベル:13(2up)
HP:190/190(20up) MP:360/360(40up)
STR:135(20up) VIT:150(20up) DEX:155(20up)
MND:150(20up) INT:360(40up)
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定
(技) 隠密5、罠解除1
(魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法4
火魔法5(1up)、水魔法5、雷魔法3、土魔法5(1up)
光魔法、闇魔法5
(自動)HP回復、クリティカル
装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄
聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復
白のローブ:INT20
素早さの靴:DEX10
魔力の腕輪:MP20
力の腕輪 :STR10
ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル
使い魔:クロ
スキル:(武技)格闘術4
(技) 隠密5
(魔法)炎魔法2(1up)、水魔法1(new)、風魔法5、鉄魔法3
光魔法5、闇魔法4
(自動)HP回復、クリティカル
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