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ネコと私  作者: 昼行灯
魔法の一族編
76/143

075:残炎

闘技場に到着する、思ったよりも時間が掛かってしまった

「報告を!」

足早に歩きながら出迎えた者に声を掛ける

「はっ!」

簡潔に報告がなされる、犠牲者が出た事、既にギルバートが来ている事


すぐ横をギルド職員が吹っ飛んでいく、ドゴンッ!、と凄い音がする

「なんですか、あれは?」

メイド姿のテレスが暴れている、相手は内通者という事ですが

「さあ、なんだか荒ぶってまして」

どうにかしてくださいギルド長、と懇願される

「殺してないようですし、そっとしておきましょう」

なんとなく係わりあいたくない

「いやいやいや、何人か死んでますから!」

それなら余計係わりあいたくないのですが、、ね


「テレス、会場へ行きますよ!」

「ダメギルド長じゃないですか、何をしていたんですか?」

ダメギルドじゃなくて、冒険者ギルドですけどね

「調整をしてきました、あなたこそいつからメイドに転職したんですか?」

「死にたいんですか?」

「似合っていますよ?」

「殺しますよ?」

「今度から貴女の制服はそれにしましょうか?」

シュ!、避ける

「何で避けるんですか?」

「何で殴ろうとするんですかね?」

周りの者達に勘弁してくれませんか、と泣きつかれる




試合場では私刑が行われていた、なんなんですかね?

「ギルバート、何しているんですか?」

周りの者が引いている中でひとり、にやにや見ている彼に声を掛ける

「審判じゃ!」

「審判なら止めるべきじゃないんですかね?」

「まだ生きてるし?」

「フリーザさんも一応冒険者です、死ぬまでやらせないでください」

「フジワラちゃんが回復しながら殴ってるから死なないじゃろ」

「余計駄目じゃないですか、貴方は長なんですからもう少し皆の見本になるような行動を、、」

「うるさいのぉ、で、そっちはまた裏で色々調整してきたんじゃろ?」

この男は有無を言わさずギルド職員を斬ったらしい

「いつも言ってますが、私の行動を前提で無茶はしないでください!」

「別におぬしが調整してなければ、派手に喧嘩するだけじゃし?」

「派手に喧嘩したいだけですよね?」

「いつもおぬしが穏便に済ませてしまうから、たまには派手にやりたいのじゃ!」

「皆殺しです!」

横にいるメイドまでもが不穏当な発言をしてくる


...私は貴方達を派手に殴りたくなってきたんですけどね?


試合終了宣言し魔道具を解除する

フジワラ、彼は今回エントリーしてないですよね?

ギルバートを睨む、グッと親指を突き出してくる

隣りでメイドが中指を突き出している、、


...本気で殴りたくなってきたんですがね!!!


今回の騒動の主犯フリーザとフレイア二人の敗退により

ランクアップ試験は決勝を行わず終了となる


後始末を行う、、




今回の犠牲者であるバスについて:

遺灰をリンさんが保管していると言うことで、そのまま任せる事にする

私の推測が間違っていなければ、これが一番確率が高いのだが

つまり、彼女はアイテムボックスまでも持っていることになる、、


お願いしますと言うと、はあ、と曖昧に笑いながら返された

あからさまに警戒されているが、しょうがない


彼女自身気づいているのだ、その捨てきれない甘さによって

私に蘇生とアイテムボックスがばれる、その可能性

彼女はある意味、昔の私に似ている



私が言える事ではないが、どうかそのままでいて欲しい




フレイアについて:

火の一族からの除名を伝え、正式な文書を渡す

今回の騒動に関する賠償として財産等全ての没収を行う旨も伝える

理解できなかったのか色々と騒ぎ立てたが、国からの正式な文書だ

ギルドなど潰してあげますわなどといっていたが、相手が違う


今回の件でギルドに何かしようものなら、国が動き出す

文書には、彼女の父である火の一族の長のサインも入っている

流石に理解したのか黙り込んだまま試合場を去っていくフレイア


流石にギルド職員(テレス)に手を出しては来ないだろうが

今回の文書に冒険者に関しては明記されていない

フレデリックが譲らなかった部分、貴族のガス抜きためだろう

このまま大人しくなればいいのだが


彼女は火の一族の主流だ、このまま政略の道具になればいいが

ほとぼりが冷めた後に再度貴族に返り咲く可能性もある


彼女を倒したリンさんには、護衛をつけたほうがいいか




フリーザについて:

同じ内容を伝えたが、彼については没収する物が既に無い

テレスがゴミ掃除をしましたと、しれっというので確認したところ

屋敷自体がなくなっていた、火の一族が何かしたのか

そこは、凄まじい火力で燃やされていた


テレスを追及すると、ゴミだけによく燃えたんでしょうねと笑うだけだ

水の一族に関してはイリスの件を考えればわからなくも無いが

ギルド職員の自覚が足りない、少しお灸をすえる必要がありますね


何もなくなった以上、今後の脅威は、フリーザのみに限定される

氷魔法と言う脅威もある、彼に何人かつけておきましょう




ギルド内部について:

ギルバートが首をはねた者を筆頭に、内通者の数は数十名になった

内通者といってもギルドの情報収集のため潜入したものや

血縁の関係で協力せざる得なかった者など様々だ


潜入者には破滅してもらう、その家族諸共だ、容赦の入る余地は無い

今回の一件は全ギルドに伝達される、見せしめも兼ねるのだ

他の者は行った行為でそれぞれ罰を与えるが基本お咎め無しだ

だが、行為の大小に係わらず何名かには破滅してもらった


ギルド職員にはある程度のスキルが要求される

それは詰まる所、そういう者達が必ず必要になるからだ

だから選ばせる、血筋だからと頼まれるその行為が

親や妻や子が巻き込まれ死ぬほどの事かと


恨みは残らない、それを思う者は諸共破滅するのだし

破滅を逃れたものは安堵し恐怖するだけ


と、広まる、

シナリオを作ったが我ながら酷い話だ

実際は血縁関係の破滅者は家族諸共他の国へ移動してもらった

血縁の一切無い他国への移動も酷いが、死ぬよりはいいだろう

情報も伝わりにくい、伝わっても噂程度にとどまる




今回の件、


我が儘な子供と、力に溺れた愚か者の愚策と判断したが

犠牲者を出してしまった、まだ読みが甘い、だが、まあ、、


上々の結果だ







水の一族フリーザの屋敷:

「くくく、なにもありませんねぇ」

焼け跡に佇むフリーザ、そこへ近づく一団が、、


「おやおや、皆さんおそろいでお出迎えご苦労様です」

今回の件に加担しなかった水の一族の者達がいる

「フリーザ様、新しい屋敷をご用意いたしました」

跪く水の一族の長、フリーザの父親だ!


一族を除名されたことなど関係ない、何を持って力とするか

氷魔法の使い手、これだけでいいのだ、到達した者


至高の存在!


揺るがない!、今までもそうだったのだ、これからも変らない!


満足げに頷き、歩き出すフリーザ、



しかし!!!


「フリーザ様」

水の長から声が掛かる!


「今回の事で皆力を落としています、」

振り返るフリーザ、そして顔を上げる水の長!


「ここはぜひ、奮起を促すために、」

その後ろに控えるのは、司祭と見覚えのある者達


「皆に氷魔法を披露して頂ければと!」

にこやかに笑う父!、嗤う司祭と男達!


「い、今は調子が悪いので、また今度にしましょう」

引きつるフリーザの顔!

「そういわずに、今から水魔法を放ちますので凍らせてくださいよ、フリーザさん」

男が歩み出る

「く、くく、さん、ですって?」

「ええ、フリーザさん、いきますよ?」

宙に水の刃が発生する、、、全然わからない!!!


愕然とするフリーザ!

魔力が感じられないのだ、以前なら水の刃が出来る前にわかった

それが、まったく感じられない!


「ウベァァ!」

水の斬撃で吹き飛ぶフリーザ!


痛い痛い痛い痛い、怖い怖い怖い怖いそれだけが頭を駆け巡る

「ひぃぃ、た、たすけて!」

頭を抱えうずくまる



「あっ!」

気づいたときにはもう遅い、周りを見ると跪くものはひとりもいない

ただただ、見つめられる、その目は今まで自分がしていた目だ

氷のような目、蔑んだ目、ゴミをみる目

「あ、あ、あ、」

「本当だったのか、フリーザ」

ゴミをみるような目で見つめる父親


「父上、、」

久しぶりに発するその単語

「...役立たずに父親呼ばわりされるいわれは無い」

水の刃で攻撃される!

「オブァ!、や、やめて!」


攻撃される、


そこにいる全ての者に攻撃される、、


そして、取り残される、ただひとり取り残される

全てを失った男がただひとり、取り残される

「ど、どうしたら、、」

誰も答えるものなどいない


氷の貴公子は死に、フリーザと言う男だけが残される

ここで終わるかどうかは、フリーザ次第


哀れに死ぬか、また力を手にするか


フリーザの活躍は、まだこれからだ!!!








火の一族の屋敷:

「おお、フレイア!」

「お父様!」

抱き合う親子、微笑ましい光景だ!!!


「大変だったね、怪我は無いかい?」

「ええ、大丈夫どこも怪我していないわ」

「そうか、よかった、さ、こっちへおいで」

フレイアの屋敷が没収された為、この屋敷で一緒に住むことになった


可愛い娘が帰ってきて、火の一族の長である父はうきうきだ!


「お父様、私、火魔法が4になりましたわ!」

「おお、その歳でもう4になったのかい、これなら確実に炎まで到達できそうだね」

「ええ!、お父様から頂いた装備で威力もアップして、下賤な冒険者をひとり蘇生不能な状態まで燃やす事に成功しましたわ!」

「おお、素晴らしい!」

もしフレイアが炎魔法に到達できたら、子供を作ろう!


「でも、、」

可愛いフレイアの顔が曇る

「どうしたんだい?」

「私、準決勝で、冒険者の卑怯な策略で負けてしまいましたの」

「正々堂々と戦わないなど、所詮は下賤な冒険者だな!」

「ええ、魔法戦で正々堂々勝負しようといいましたのに、いきなり殴りかかってきて、、野蛮でしたわ!」

殴りかかるなど!、子供が生めない体になったらどうするつもりだ!


「許せんな!」

「私も許せませんわ!」


しかし、王の前で制約した以上、冒険者には手出しできん


いや、まて!

「フレイア、誓約書を持っているかい?」

「こちらに、」

メイドが持ってくる、フレイア付きにしたメイド、優秀だったが

「お前にも罰が必要だな」

「お父様、彼女への罰は私がもう与えてありますわ、ふふふ」

妖艶に笑うフレイア


内容を細かく確認する

「フフフ、そうか!」

「どうしましてお父様?」

「フレイア、その卑怯な冒険者に罰を与えることが出来そうだよ」

「そうなんですの?」

冒険者ギルドの職員に手出しは出来ないが、冒険者はその限りではない


「水の一族が欲しがったから、手加減して負けてしまったけど、もうそんな事も関係ありませんし、あの生意気な小娘にきつくお仕置き出来るのね」

水の一族が欲しがった?

「その冒険者はスキル持ちなのかい?」

「ええ、光魔法と水魔法を使いますわ」

火魔法が無いのが下賤な証だが、丁度いい


水の一族が氷に到達したと言う方法、それをその娘で試してみたい


メイドに命令する


「心を折った状態でつれて来い!」

「生きてれば状態はどうでもいいわ!」

「かしこまりました」

闇に消えるメイド、フフフ、ふふふと聞こえる笑い声


炎が静かに燃え上がる

--------------------------------------------------------------------

名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:11

HP:170/170 MP:320/320

STR:115 VIT:130 DEX:135 MND:130 INT:320

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 隠密2、罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法3

        火魔法2、水魔法3、雷魔法2、土魔法2

        光魔法4、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10

   ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル


使い魔:クロ

スキル:(武技)格闘術2

    (技) 隠密4

    (魔法)火魔法5、風魔法4、鉄魔法1

        光魔法3、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル



名前:藤原(フジワラ) 秀平(ヒデヒラ)

種族:人族 性別:男 年齢:16

レベル:15

HP:200/200 MP:165/165

STR:175 VIT:175 DEX:145 MND:145 INT:155

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪

    (武技)剣術5、槍術3、格闘術2、弓術3

    (技) 隠密5、罠解除4

    (魔法)火魔法5、氷魔法1、風魔法5

        土魔法5、光魔法4、闇魔法4

    (自動)気配察知3、HP回復5、統率3


装備:大地の剣:HP20、STR10、VIT20

   騎士の剣:STR20

   緋色のローブ:MP20、INT10

   大地の籠手:HP20、VIT10

--------------------------------------------------------------------

次で魔法の一族編は完結

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