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ネコと私  作者: 昼行灯
魔法の一族編
75/143

074:氷の勇者

とぅ、、くるくるくる、、げし!


「何名前で呼んでんの?、死ぬの?、殺してやろうか?」

空中で三回転し器用に後ろ足蹴りをしたクソネコが俺の耳元で囁く


てし、と俺の額に前足を置きグググと押すクソネコ

「小僧、そのままで聞けよ」

負けじと額をグググと押し返す

「なんだよ、クソネコ?」

尻尾で、ある人物を指し、ネコが言う

「あそこにいるフリーザと言うやつの屋敷でリンのクラスメイトを殺した」

「はっ?」

何言ってんのこのネコ?

「リンには言っていない、」

「どういうことだよ?」


水の一族に売られた勇者の話を聞く、、


「名前は?」

「しらん、聞くの忘れた」

「なんだよそれ?」

「すまんな、そんな空気じゃなかったし、あいつも言いたくなかったんだろう、リンの事もお前の事もよく知ってたぞ?」

だれだ?


「知りたかったら自分で聞け」

「どういうことだよ?」

「お前がフリーザを殺せ!」

「は?」

ネコがその小さな顔を近づけて囁く、翡翠色の瞳が怒りに燃えている

「勇者が使えなくなったから、代わりにリンを使うといったフリーザを殺せといったのだ、わかるな?」

ああ、なんだ

「わかった、殺す」

「殺すと言う意味はわかっているな?」

「ああ、あいつの存在を殺すんだろ?」

スキル強奪でな、なんだよクソネコ自分がやれないのが悔しいのか?


「取りあえず先に、、、お前がシネヤーワレー!」

ちゃきーん!

「うぉ、クソネコなにすんだてめー」


ほんとにここはクソッタレな世界だな、、、、俺にはお似合いか?





準決勝:

第二試合:フリーザ 対 フジワラ


試合場に上がる、

「くくく、よろしくお願いしますね」

フリーザが氷のような瞳で、挨拶してくる

「ああ、よろしくな、フリーザさん」


魔道具が起動し、試合場が周りの世界と隔絶する瞬間に

「始め!」

開始の合図がかかる、これで話声が外に漏れる事はない


絶対強者の余裕か、こちらが動くまで何もする気もないフリーザ

「なあ、聞きたいことがあるんだけど、いいか?」

丁度いいので色々聞いておこうか

「時間稼ぎですか?、くくく、付き合いますよ」


「お前のところに勇者がいるって聞いたんだけど、本当か?」

「おやおや、どこから聞いてきたんですか」

「あんたのとこの関係者みたいなのが話しているのを聞いたんだ」

「彼等にも困ったものですねぇ、本当です、宮廷魔術師殿に譲っていただきました」


「へぇ、そうなんだ、所で俺の知り合いに勇者が居るんだけどさ」

「?、、あぁ、冒険者になったと言う男性の勇者達ですね」

ん?、ああ、鷹山達か、、あいつらどうなったんだろうな

「ああ、知り合いかもしれないから近況のような事聞かせてくれると助かるんだけど」


「くくく、元気にやっていますよ、我が一族の花嫁としてねぇ!」

「へぇ、結婚したんだ」

「えぇ、我が一族とね!、今は一族の新しい子をその身に宿しています」

「へぇ、おめでたなのか」

「えぇ、順番から察するに、なんとわたしの子なのですよぉぉぉ!」

へえ、いったいなんの順番だ?

「そうか、幸せに暮らしているんだな」

「えぇ、最初の頃は暴れて大変でしたけど、今はお腹の子供のために静かな生活を送っています」

ふーん、動けず喋れず見れずか、たしかに静かだよな

「そっか、じゃあ幸せに暮らしてるのを勇者達に伝えておくわ、あ、所で名前はなんていうんだ?」

「?、、なんでしたかねぇ、、たしか、我が一族と同じ呼び方だった気が」

なんだよそれ、氷の一族だから、氷か?


!!!


「水野?」

「あぁ、そんな呼び方でしたね」


水野か、

自分の意見を言えない、優柔不断なやつ、、そんな印象だった


なぜ知ってたかって?

俺が楠木をよく見ていたように、あいつも見ていたからだ

その視線は、憧れだったのか、友達になりたかったのか

女同士なのだから気軽に声を掛ければいいと思ってたものだ


俺が楠木に声をかけようものなら、いじめが10倍になってたよな


ま、同じ視線を向けてる者同士、どちらもその存在に気づく

俺のこともよく知ってたはずだな、、、


「水野かぁ、、、、あいつは何か悪い事でもしたか?」

「?」

「たしかに、あいつの性格じゃこの世界は生き辛いよなあ」

「どうしました?」

「あー、クソネコもっと強引に助けてればよかったんじゃねーの?」

無理か、クソネコだってわかってたよな



あー、もー



「あれは今とても幸せですよ?、孕んでいるのはわたしの子です、もしかしたら最初から氷魔法を使えるかもしれないのですからねぇ!」


うるせーなー

水野のことをあれ呼ばわりするなよ、物じゃねーんだぜ?


「まあ、もうこれ以上は使えそうにありませんので、生んだ後は処分するつもりですがね」


あー


「なんなら、その勇者の方達にお譲りしても構いませんよ?」


もー


「あそこに次の花嫁候補もいることですしね、ほっほっほ!」

と、楠木を指差す


ぶっころしてー!



魔力を高める!

「取りあえずお前さ、」

「ほぉ!、なかなかの魔力ですねぇ!」


ボッ!

砂煙を巻き上げ、試合場を包む


「なんですかこれは、痛くも痒くもありませんよ?」

周りから見えなくしただけだからな


アイテムボックスから、大地の剣を取り出し火を纏う

「魔法剣ですか、すばらしい!」


「では、わたしも攻撃しますよ、死なないでくださドンッ!」

クソネコの爆裂歩法により一瞬でフリーザに接敵し

「死んどけ!!!」

剣を胸に突き刺す!


「なっ!」



スキル強奪発動!、、、、失敗


「ま、一発で取れると思って無いさな、蘇生!」

フリーザを生き返らせる


「よっ!、お帰り、そして逝ってらっしゃい!」

「なにを、」

首をはねる!


スキル強奪発動!、、、、失敗


蘇生!

「フリーザ・アロー!」

生き返った瞬間。いきなりの魔法攻撃、狙っていたのか

おっと、あたった部分から体が凍っていく、斬!

凍った部分を切り落とし、回復魔法で回復する

「すげー、すげー、いいなそれ、よこせよ!!!」

勝ち誇っていた顔をぶん殴り、、殴り殴り殴り、殺す!


スキル強奪発動!、、、、風魔法取得!


お、、なんだよ、なんで風魔法持ってんだよ!

首をつかみ持ち上げる、蘇生!

「グッ!、ガァ!」

生き返った瞬間、首を折る!


スキル強奪発動!、、、、失敗


顔をつかんで、大ジャンプ、蘇生!

「!」

グシャ!、地面に叩きつけて殺す!

なんか弱くなってきてないか?


スキル強奪発動!、、、、氷魔法取得!


よし、ゲットだぜ!


蘇生!

「クッ!」

フリーザが飛び退き距離を取る


「ごめんな、何回も殺しちまってさ、もう殺さないから安心しろよ」

最高の笑顔でフリーザに謝罪する

「なめるなよぉぉぉ、ゴミ虫がぁぁぁ!!!」


フリーザ・アロー!!!

かっこ悪い魔法名だけがこだまする


「お前ってネーミングセンスないよな?」

「なっ!、フリーザ・アロー!、フリーザ・アロー!」

バカなやつだな


「自分のスキル確認してみろよ?」

「...なん、だ、と!」

絶句している、スキルなくなってるんだもんな


「お前のところってスキル至上主義なんだろ?」

「なぜ?、いったい?」

「スキル無しって、どういう扱いうけるんだ?」

「死んだからスキルが消えたのか?」

「ああ、それ以前にお前の帰る場所とか残ってるのか心配した方がいいのかな?」

晴れた砂埃の向こうでは、貴族街のギルド長ウィリアムだっけ?

が、じじいと口論している、なんかあっちは楽しそうだな


「いったい、なにが、ひぃ!」

近づいてきた俺に怯えるフリーザ

「まだ試合中だぜ?、俺も魔法使わないから殴りあいしようぜ?」

真正面からフリーザの顔を殴る


ペキッ!

その高い鼻がへし折れる音がする

「ウベバァ!」

変な声を上げて吹き飛ぶフリーザ

「変身しろよ?」

「ぺんぴん?」

ちゃんと喋れよ、腹を蹴る

「ウブゥォ!」

吹っ飛び、膜にぶつかるフリーザ

「変身して、今のわたしは氷魔法2ですよぉぉぉ、とか言えよ!」

「ひぃぃ、たじげで!」

おいおい、貴族の誇りとかないのかよ?

膝を蹴り砕く、「ガァァァ!、痛いイタイイタイ!」

お前もしかして殴られた事ないのか?


時間回復の魔法を掛ける

光魔法4の時間回復だ、回復量も多い

「これで殴られても回復するだろ?、水野の痛みは俺にはわからないけど、それの何分の一かくらいはその身で体験しとけ」

蹴る、グシッ!、と何かが潰れる音がする

「ギャァァァァアア!、たまが、たまがあああ!」

下品だな、グシッ!、ともうひとつも潰れる


痛みに関して尋常じゃない経験を受けてきた藤原による制裁

にやにやとその光景を眺めているのはギルバートのみ

ほかは皆、ドン引き状態!


審判であるギルバートが止めずににやにや見てるだけなので

ウィリアムが試合終了を宣言するまでフリーザの地獄は続いた


司祭の元に運ばれるフリーザに声を掛ける

「恐怖でスキルが消えてなければいいな、フリーザさん」

「ひぃ!」

顔を見合わせる搬送人達、お前等ちゃあんと確認しろよ?


まあ、がんばれよフリーザさん、

お前の地獄は今から始まるんだからさ




こうして、

準決勝第二試合は、フジワラの勝利で幕が閉じた






しばらく前、

藤原君の会話を見る、、、、水野さん?


「ねえ、クロ」

腕の中で丸まっているクロに聞く

「なんだ?」

クロも今の会話を理解できている


真っ直ぐにその翡翠色の瞳がこちらを見つめる


そうなの?


「ううん、なんでもない」

クロを撫でる

「そうか」

ぐりぐりと頭を押し付けてくる


甘えん坊だね!




ありがとね

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:11

HP:170/170 MP:320/320

STR:115 VIT:130 DEX:135 MND:130 INT:320

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 隠密2、罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法3

        火魔法2、水魔法3、雷魔法2、土魔法2

        光魔法4、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10

   ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル


使い魔:クロ

スキル:(武技)格闘術2

    (技) 隠密4

    (魔法)火魔法5、風魔法4、鉄魔法1

        光魔法3、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル



名前:藤原(フジワラ) 秀平(ヒデヒラ)

種族:人族 性別:男 年齢:16

レベル:15

HP:200/200 MP:165/165

STR:175 VIT:175 DEX:145 MND:145 INT:155

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪

    (武技)剣術5、槍術3、格闘術2、弓術3

    (技) 隠密5、罠解除4

    (魔法)火魔法5、氷魔法1(new)、風魔法5

        土魔法5、光魔法4、闇魔法4

    (自動)気配察知3、HP回復5、統率3


装備:大地の剣:HP20、STR10、VIT20

   騎士の剣:STR20

   緋色のローブ:MP20、INT10

   大地の籠手:HP20、VIT10

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