072:ランクアップ試験10
準決勝:
第一試合:フレイア 対 リン
試合場へ向かうフレイア様にレイピアを渡す
「ねえ、あの黒いネコ、ずいぶん大事そうにしてるわね」
「はい」
「もし、あの墨みたいな色のネコがいなくなったらあの娘慌てそうね」
「はい」
「ふふふ、慌て過ぎて灰になってしまうかもしれないわね」
「わかりました」
「行ってくるわ」
「ご武運を」
運なんて関係ないわ、必ず勝つんですもの、、
きれいに洗ったひのきのぼうを取り出す、こんっこん!
「じゃあ、行ってくるね」
(必殺なのだ!)
いやいや、殺す気無いからね?
「おぅ、がんばれよ、リ、リン!」げし!
しょうがねーだろ!、いいかげんにしろよくそねこ!
「リンさん、無理はしないで下さいね」
「勝てそうに無かったらすぐ棄権してよね?」
「ご武運をでござる」
かたじけのうござる!
フレイアとリンが、試合場に上がる、
準決勝からは、中央にある大きめの試合場を使う
ここは外から魔道具の発動が出来るため会場内に審判は入らない
「参ったか、気絶か、わしが負けと判断したら止めるから存分に戦うといいぞ」
ギルバートさんが、勝負条件の説明をする
フレイアが、レイピアに魔力を集中する
リンは、自分に大地の守りを掛ける
(んー、どうしようかなあ、普通の戦闘みたいにやろうかなあ)
「始め!」
開始の合図がかかる
タッタッタッ、一直線にフレイアへと向かい駆ける
「貴女、戦闘した事ありませんの?」
傲慢に笑うフレイア、、今の時点で仕掛けない方がダメ過ぎだよ?
トンッ、大きく跳ねる
「ふふふ、いい的ね準備が無駄になりましたわ!、燃え尽きなさい!」
レイピアを振るフレイア
「水の壁」
彼女の目の前に水の壁を展開する、ジュュュ!
「きゃ!」
凄い量の水蒸気がフレイアに向かい襲い掛かり
バキッ!
落ちる力と目一杯端を持ち遠心力を効かせたひのきのぼうで
フレイアのレイピアを持つ手の甲を殴る
コンッ!
そのまま持つ位置を真ん中に変え、半回転、剣の柄を下から打つ
手から飛んだレイピアが宙を舞い、地面に刺さる
スッ、
たたらを踏む彼女の膝裏にひのきのぼうを差し込む
ドスンッ
と受身も取れず倒れる彼女の横に移動し、ひのきのぼうを首に当てる
「参りましたか?」
ひのきのぼうでもこのまま突けばどうなるか、わかるよね?
「卑怯ですわ!」
と言いつつひのきのぼうを手で掴んでくる
グリッ!
ねじる事で掴んでいる手を外しながら軽く突く
「ぐっ!、止めなさい!、がっ!」
うーん、なにこのひと?
ひのきのぼうの先で少し気道を塞いで、放す
「がっ、はぁはぁはぁ!」
槍だったら死んでたよ?、わかるよね?
「はぁはぁ、治療士なのに武器を使うなんて卑怯よ!」
じゃあ、治療士は何で戦えばいいのさ?
気絶させようかな、、ひのきのぼうを振りかぶる
(リーンー、)
「ま、待ちなさい!、メ、メイドの、、はぁはぁ」
んー?、変な位置にメイド長さんが立って、なんか指差してる
指差す先、右のほうを目で追うと、
(なーに、クロ?)
(絶賛誘拐され中!)
(なにそれー?)
(右みてみてー)
観覧席の通路の死角でメイドが何かを持っている
(何してんのさ?)
クロが前足を持たれてナイフを突き付けられてる
(人質?)
(ネコ質じゃない?)
「ふふふ、わかったようねあの汚らしいネコが大事ならその武器を捨てなさい!」
なんかこの人、発想がとことん小物だなあ
(リンー、我、今凄い侮辱された気がしたのだが?)
(気のせいだよー)
(ところで、殺っていい?)
(ダメですー)
「聞こえないの!、この汚らしい平民!」
うるさいなあ
(リンー、我、今怒りが有頂天になったのだがー?)
(んー、けどクロは暴れちゃダメだよ)
(じゃあじゃあ、どうするのだー?)
(んー、多分今後ろにいるメイドさんが助けてくれるよー)
(んにゅ?)
いつの間にかメイドが増えている、
「!!!」
増えたメイドがナイフの刃をつかみ、クロを持つ手の手首を握る
パキッ、ゴキッ!
ナイフが折れ、手首も折れる
スタッ!
華麗に着地するクロ、見上げる先にはメイド服を着た、、、テレス!
「にゃ?」
ゴンッ、ゴキッ!
頭を殴られ動かなくなるメイド
(リン、ゴキッって音したぞ?)
(うーん、こっちからみても首がおかしな方向向いてるね)
(それより、メイド服のテレスはレアだな!)
(うん、なんでメイド服着てるんだろうね?)
テレスは服が切り刻まれて仕方なくメイド服を着ているのだ!
しかもメイド姿でフリーザ屋敷からここまで走ってきたのだ!
その少し上気している頬は走ってきたからではなく
恥かしかったからなのだ!!!
だが、安心しろ!
恥かしさを紛らわすために全力で殴ったのではない
クロを虐めるやつはその場でデストロイなのだ!!!
(流石テレス、パーフェクトだ!)
「なに?、どうなっているの?」
事態を理解できていないフレイアさん、メイドがメイドを倒したしね
けどなあ、あれがクロじゃなくてサンド君達で
テレスさんも間に合わなかったらどうなっていたかな?
(殺ってしまえ!)
(どうせ生き返るじゃん?)
「ねえ、フレイアさん」
レイピアを拾いにいくところを転がす
「私に武器を持たせないようにするなんて卑怯よ!」
セット効果がなければ威張れないような実力なら、威張るな
「自分がどういうことをしているか自覚が無いようだから、それをどうこう言う気はないの、だけど次は無いと言うことだけ伝えておきますね?」
まあ、今の時点であれなんだけど、これが終われば接点なくなるし
もう手を出してこないなら、ね
ちょっと色々やることあるし、ウィリアムさんの采配に期待
コンッ、っと首の後ろを叩く、安全なやり方じゃないけどいいでしょ
あっさり気を失うフレイアさん、ギルバートさんを見る
両手を挙げ、やれやれという感じで首を振り
「勝負あり!」
試合が終了する
気絶しているフレイアさんを運ぶメイド長さん
「もう会わないことを祈ります」
声を掛ける
「...」
無言で立ち去っていく
表立ってどうこうする気も、実力を明かす気もないから
ウィリアムさんがきちんと手を打ってくれる事を期待してるのだけど
甘いかなあ?
激甘なのだ!
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名前:楠木 凛 種族:人族 性別:女 年齢:16
レベル:11
HP:170/170 MP:320/320
STR:115 VIT:130 DEX:135 MND:130 INT:320
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定
(技) 隠密2、罠解除1
(魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法3
火魔法2、水魔法3、雷魔法2、土魔法2
光魔法4、闇魔法2
(自動)HP回復、クリティカル
装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄
聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復
白のローブ:INT20
素早さの靴:DEX10
魔力の腕輪:MP20
力の腕輪 :STR10
ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル
金貨:26225
使い魔:クロ
スキル:(武技)格闘術2
(技) 隠密4
(魔法)火魔法5、風魔法4、鉄魔法1
光魔法3、闇魔法2
(自動)HP回復、クリティカル
名前:藤原 秀平
種族:人族 性別:男 年齢:16
レベル:15
HP:200/200 MP:165/165
STR:175 VIT:175 DEX:145 MND:145 INT:155
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪
(武技)剣術5、槍術3、格闘術2、弓術3
(技) 隠密5、罠解除4
(魔法)火魔法5、水魔法5、風魔法5
土魔法5、光魔法4、闇魔法4
(自動)気配察知3、HP回復5、統率3
装備:大地の剣:HP20、STR10、VIT20
騎士の剣:STR20
緋色のローブ:MP20、INT10
大地の籠手:HP20、VIT10
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