表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコと私  作者: 昼行灯
ローラン城編
7/143

006:静けさ

「エリック邪魔よ、消えなさい!」

イレーヌ姫様ご機嫌斜めです

「イレーヌ姉さん、可愛い弟が午後のひと時を一緒に過ごしたい、

 喜ぶところじゃないんですか?」

にっこり笑う、怖いです


今朝も突撃朝ごはんしにきたエリック王子に昨日のことを話したところ

こうなりました、まる


「ほらクロ、肉だぞ!、おいで」

「クロちゃん、今日は新しいケーキを取り寄せてみたの、おいで」

(リン、どうにかしろ!)

(だが、断る!)

(むきぃぃ!)ばふっ!

おぉぉ!クロが服の中にもぐりこんできた!

「やめろ、バカネコ!」

「「リン!、バカネコなどというな!」」

なにこれ、こういうとこだけ姉弟なの?


私の胸元から頭だけ出したクロに、姉弟が交代で食べ物を与えている

(学生服これしかないんだよ?、汚れるじゃないか)

(自業自得?)

(どういう意味なの?)

(ひみつ?)

すごいね?


「リン、服が汚れてしまったね、替えの服を用意させよう」

エリックさんが、肉汁を垂らしたんだけどね?

「リン、私の服をあげるわ、エリックから服なんかもらわなくていいわよ」

エリックさんとイレーヌさんの睨み合いが続きます

(リン、肉だ!)

(黙れバカネコ!)

(むきぃぃぃ!)ばたばた

服の中で暴れるなぁぁぁぁ!




疲れた、

結局お姫様のドレスをいただくことになった、非常に歩きづらい

何が楽しいのか、クロがスカートの部分にぶら下がっている、重いぞ!


「楠木、パーティーでも行くのか?」

藤原君だ、貴様もしや隠密持ちか!

「学生服が汚れてしまったので、服をいただきました」

じろじろ見んな!、なんだ露骨に目をそらせて、挙動不審だぞ貴様!

(殺るか!)

(殺らん!)

藤原君は、相変わらずボロボロだ、なんだか彼の根性には敬服してしまう


「お前も食べてないよな?」

なんだか、直球で来るなあ、どうするかな

(殺るか!)

(黙れ!)

「うん、」

どこまで踏み込むか迷うな

「俺は、スキル強奪だ、お前はアイテムボックスと鑑定か?」

やり辛いな、いきなり全部の札晒してきたよ

「あー、はいよく気づいたね」

「アイテムボックスは俺も持っているからな、使われればわかる、で?」

「うん、個別に出る食事に何か混ざっているよ、毒の類ならそれとわかるから

 おそらく精神系に作用する何かだと思うけど、詳しくはわからないんだ」

なんだろうな、会話が楽だ、考え方が似てる?

「おそらく意志力低下と感情高揚だろう、人を殺すことの忌諱をなくす

 次の探索あたりで盗賊か奴隷もしかすると俺達の中で要らないやつを殺すのかもな」

へビィだな、しかし奴隷まで分かっているのか、侮りがたし藤原!

(殺る(飯抜きにするよ?)か、むう!)

「そいつ、分かっているよな?」クロを指差している

うっは、マジか、ヤバイフジワラヤバイ!

(殺るべきだリン、こいつ勘が良過ぎる!)

クロが地面に降りる、藤原君も距離を置く

「ダメだよ、2人ともやめて」

(利用されるぞ?、現状だと消すほうが安全だ)

(いい、まだ平気だから、それに彼ならわざわざ接触する必要も無かったはずだし)

(どういうことだ?)

「次で消えるってことだよね?」

「ああ」

頷く、そして少し怖い目で言う

「いつか力をつけたら、鷹山を殺す」

それは、別に私に言わなくてもいいんじゃない

「本当にその覚悟と意思はあるの?」

言われた以上、聞いとく

「ある」

なに、もしかして覚悟完了的なやつ?、なんで私に言うことで完了なの?


私、鈍感系じゃないよ、無関心系なだけだからね?、まあいいか

「じゃあ、これ餞別」

この前殺した騎士をアイテムボックスから取り出す

「!!!」

死体くらいで動揺してたら人殺せないよ?

「ろくな装備もらってないんでしょ、こいつの使えばいいよ、ちなみにこいつは

 私を犯そうとした騎士ね」

「!!!!!」

大丈夫なの?、動揺し過ぎだよ


「あと、スキル増えても過信しない方がいいよ、あれはあくまで自動で出る技だからね

 藤原君は今剣術ないけど、この騎士の剣を持って戦えるし人を殺せる

 剣術1スキルを持ってもずっと剣を使ってきたスキル無しの熟練者には勝てない

 おそらくだけど、日本独自の合気とか柔術とかの技はここのスキルには無い

 逆に魔術とかはここしかないから有用だね」

頑張ってね

「楠木は、魔法も持っているのか?」

女には秘密があるものさ!

「召喚魔法?」

藤原君が肩を竦める、格好つけてるな!


じゃあね、と言ってわかれる。




王子の再遠征ももうすぐというし、迷宮組みも出かけるし藤原君も消えるし

そろそろかな?


「リン!」

待機組みの部屋の廊下に、女子が集まっている、正直関わりたくない



中瀬(ナカセ) 由貴(ユキ)

面倒見が良く正義感の強い娘だった

スキルも火魔法1と光魔法1、迷宮組みに入るように進められたが

スキルを1つも取得できなかった子達を置いていけないと待機組みに残った

しらない世界、守ってくれる大人もいない、ほとんどの子が彼女を頼る


彼女のスキルに期待した国もある程度の主張を受け入れる

スキルなしの子は5人で1部屋だったのを1人1部屋になった

食事も皆と同じものを取れるようになった


そして自分達が安全だと分かると、主張が増える

元の世界に帰りたい、城から出たい、生活の保障をしろ、お金を支給しろ

彼女はよくまとめた、出来る限りの主張を適えるように努力した


そして消えた、


国の許容限度を超えたのだろう

同じように、彼女の後を次ぎ集団をまとめる者が次々と消えるかレイプされた

役立たずが調子に乗るなと言うことだ、分かりやすい


それでも分からない人もいる

「あなたイレーヌ姫と親しいのでしょう?、少しお願いを言って貰えるかな」

「エリック王子の遠征に連れて行ってもらえるようにお願いして」

「私、外に出たいのこんなところにいたくない、どうにかして!」


「わかったわ、今度相談してみるね」

「ほんと、お願いね!」

「明日結果を教えに来てね!」

「お願いね!」

しるか!、自分でやれ!

貴女達が彼女を追い込んだんだよ、自覚も無いんだね自分でどうにかしなよ


スキルない子は他の人よりステータス高いんだよ、確認したの?


スキルない自分は可哀相とか思ってるだけ?


スキル無いから守られて当然とか思ってるの?


藤原君見た?、いじめられてるのを優越感を感じて見てるだけ?

彼も今はスキル無しと同じなんだよ、それでも逃げ出して生き延びるつもりだよ

訓練場での彼を見た?、腕が無かったよ、足も無かったよ、それでもあそこにいるんだよ?

治ってるからいい?、腕千切れたときの痛みってわかる?


彼がどうしてもと頼むなら、私は手伝うよ

彼も私が頼むなら聞いてくれるのかな?


貴女達は、自分は頼んでも私の頼みは無理の一言で終わらせそうだね?




「あーもーつかれた」

ベッドに倒れこむ、何も考えたくない

「リン、お疲れだな、肩を揉んでやろう」

クロが肩の上でごろごろしている、それ違う!


クロを抱いて布団の中にもぐりこむ、ドレスを脱ぐのもめんどくさい

型が崩れそうなものだけ脱いで布団を被りクロを抱いて寝る、クロ暖かいね

クロが頬を舐めてくる、くすぐったいよ、、、、優しいね





数日後、エリック王子が遠征に出発した

「イレーヌなど関係ない、一緒に出てしまえば問題ないから行こう」

と、強引に誘われたけど、丁寧に断った、ごめんね


さらに数日後、迷宮組みが出発した、意外なことにイレーヌ姫も同行するらしい

王が当日に決めたとのことで姫様も大慌てで支度していた

「リンも来なさい」

と言っていたが、待機組みの同行は認めないとの命も同時に出ていたらしく

私の同行も許可が下りなかった

藤原君頑張ってね、姫様ごめんね、鷹山君姫様守ってあげなね


みんな、ばいばい




わかりやすい命令を出したけど王様、待機組みを処分するのかな?

--------------------------------------------------------------------------------------

名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:1

HP:20/20 MP:100/100

STR:5 VIT:5 DEX:5 MND:5 INT:100

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (魔法)召喚魔法(式神)、水魔法1、光魔法1


装備:ドレス

お金:0


使い魔:クロ

スキル:火魔法1、風魔法1

--------------------------------------------------------------------------------------


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ