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ネコと私  作者: 昼行灯
魔法の一族編
68/143

067:ランクアップ試験6

排除しろ、、、と命令が下る



「フレイア様、これを、、」

メイドから、炎色の布に包まれた物が差し出される

「これは、、」

まさか、、慎重に包みを解く


これで揃った、、メイドを見る

「燃やし尽くせ、と」

そう、高みに至ったとしても所詮は水、諸共燃やし尽くせば良い

「ふふ」

抑えきれぬ激情が笑みとなってこぼれる






妹に会いたくないか?

「...は?」

思わず声が出る、何を言っているのだこいつは


水の一族と言う者が、フリーザが呼んでいると言うので出向いた

リンちゃんも一緒だ、どうせ私を引き離して何かしようというのだろう


出向いてみればフリーザと数人の魔術師風の男達

そして、第一声がこれだ


「イリスは私が看取った、知らないわけでもないだろう?」

水の一族の奴隷にされて、さんざん弄ばれた挙句不要と判断され

奴隷商に売られたところを私が引き取った


私のせいで奴隷になったイリス、

馬鹿で何も知らなかった私の身代わりになった妹、

私の全てだったあの子は、私の腕の中で静かに眠った


「お前が買ったものはクローンだ、オリジナルはまだ生きている」

は?

「実験材料にしたことは聞いているだろう?」

「我々の研究所とフリーザ様で分けたのだ、使い物にならなくなったコピーは奴隷商に売ったがフリーザ様の氷魔法の実験で使われたオリジナルはまだ残っている」

口々に魔術師達が言い

「わたしの作った氷の中で静かに眠ってますよ、くくく」

フリーザが締める


何を言っている?

イリスがまだ、いきて、いる、の?


(リン?)

(さあ、私もよく解らない)


今なら会わせてやる、と誰かが囁く

「いま、なら?」

イリスが、生きてる?

「そう、今なら、だ!」

イリスに会える?


なんだかローブの人達が女性を怪しい宗教に勧誘しているみたい

テレスさん見事に勧誘の術中に嵌ってますね!

(内容は解らないが、露骨に嘘だろう?)

(嘘だろうね、けど多分断れない)

(なぜだ?)

(テレスさんが私たちに固執する理由がこれって聞いたことがあるから)

(スキルが一緒だったっていう奴か?、妹だったのか)

(治療士になって欲しかったんだって、今の私が正にその理想)

(リンは身代わりか?)

(まあ、どうなんだろうね、今の話から推察すると贖罪?)

(なんだそれは、勝手だな)

(うーん、けどまあ、そういう理由で断れない)

(身代わりと本物どっちを取るかの選択か?、勝手だな!)

(うーん、、)

あの人達も形振り構ってられない事情があるのだろう

貴族様が搦め手とか、プライドが許さないと思うんだけど

いや、貴族様だからこんな手使ってくると言う考えもあるのかな?


(行ったらテレス殺されるのではないか?)

鋭い質問だね、正にその通り

(クロも付いてってよ?)

(にゃ?)

(にゃ?)

(リンのそばを離れる気は無いのだが?)

(テレスさん殺されちゃうかもよ?)

(テレスが妹を選ぶように、我もリンを選ぶのだが?)

(うーん、私は大丈夫だからさ?)

(だが断る!)

クロが服の中に潜りこんでくる、うーむ



(クロ、お願いだからさ)

(つーん!)

いいように踊らされている感があるから、気に入らないのも解るけど

(ピンチになったら絶対呼ぶからさ)

(つーん!)


(ピンチの時に現れるクロってかっこいいよね!)

(...)

(ピンチの時に颯爽と登場とか憧れちゃうなあ!)

(...)

(見てみたいなあ!)

(..にゃ)

にゃ?

(かっこいいんだろうなあ!)

(しょ、しょうがないにゃ!)

ちょろいにゃ!、てしてし!

(いたいにゃ!)

(ちょろいにゃとかおもったんだにゃ!)

(するどいにゃ!)

服から頭だけ出てきたクロを撫でる、なでなで


目を閉じて気持ちよさそうにしていたクロが

(テレスを助けた場合は、それでいいのだな?)

確認してくる、それはそれで色々と面倒な事になるからだ

(うん、まあ、しょうがないね)

なるようにしかならない、最悪旅に出ればいい、見捨てるよりましだ


もうそれをする準備は出来ている、レベルも上げたし食料もお金もある


クロが一緒ならそれでいい



「リンちゃん、、あのね」

テレスさんが、迷いながら声をかけてくる

「妹さんに会えるかもしれないんですよね?、行って下さい」

驚く、魔術師達も驚く、フリーザさんはくくくって言ってる

(嘘確定じゃないか?)

(うん、驚いちゃダメでしょ魔術師の人達!)

けど、この策は成る、私やウィリアムさんなら失敗するが

テレスさんだから成功する、敵に性格まで把握している人がいる?


「リンちゃんは、サラに言って棄権扱いにしてもらって、私がいったと言えば判ってくれると思うから、、」

迷ってるんだね、罠だって事はわかってるから連れて行けないし

だからといって、試合に出ればおそらく殺されるんだろうし


妹さんが生きてて一緒に戻ってこれて、私も試合に勝って生きてて

冒険者ギルドで妹さんと私が治療士で働いてテレスさんが入り浸る

そんな夢みたいなことがほんの少しだけ、ありえないことが

もしかしたら、その思いで、望みを捨てられない


生きてると言うのは嘘で妹さんはやはり既に死んでいて

自分がいなかった事で、私も試合で殺されて奴隷になり

全てがなくなってしまったら、テレスさんはどうなってしまうんだろう


その可能性のほうが明かに高くても、それでも捨てられない望み



「貴女の武勇は聞いています、これを着けてもらう」

手錠の様な物を取り出してくる魔術師、、、鑑定!


スキル封印:基本スキルを封印する


また凄いものが出てきたなあ、なんだかなあ

(スキル封印だってさ、なんか起きたらあれ壊せばいいね)

(うむ、それなら我の真の実力を披露しないで済むな!)

鉄製のあれを壊したら十分凄いと思うけどね!

まあ、基本スキルってとこが味噌だよね、だよね!


魔術師達に連れられていくテレスさん

その後を、とことこと隠密で付いて行くクロ

隣にフリーザさん、くくくと笑っている

「一緒に行かないんですか?」

「くくく、わたしも試合がありますからね」

ああ、そうでしたね

「さあ試合会場へ戻りましょうか?」

「はあ」

「逃げてもいいんですよ?」

「いいんですか?」

「ええ、氷付けにしてお持ち帰りしますがね、くくく!」

「はあ」

変な人だなあ、、


氷付けにしにくるかと思ったけど、何事も無く会場に着く

「貴女は私が貰うのですが、火の者達がどうしてもと五月蝿くてね、フレイアを辱めた罰を公衆の面前で受けさせるとか、何をする気なんでしょうね?、くくく」

下卑た笑いにぞわっとする、氷のような笑いが溶けてますよ?


会場を見回す、、

「ああ、サラとか言う奴は市民街のギルドのほうで問題が起きたので戻りましたよ、冒険者が殺されたとか」

「はあ、それって考えたのフリーザさんなんですか?」

「くくく、わたしはその様な姑息な策を弄さないでも、実力で全ての事が運べますからね」

違うんだ、じゃあ誰だろ?


「貴女は水の一族の物なのですから、辱められるようならば自害してくださいね?」

なんだか勝手なことを言って去っていくフリーザさん




二回戦の1回目:

私の相手は、火の一族の人で審判がメイドさん

バス君の相手は、フレイアさんで審判は水の一族の人

ほんとにサラさんはいなかった、市民街ギルドで殺生沙汰があり

ギルド長のギルバートさん不在の為、サラさんに調停依頼が来たみたい

これも火か水の一族の人が絡んでいるんだろうなあ


詰んだ状態で試合が始まろうとしている


こちらを舐め回すように見ていた対戦相手の人が話しかけてくる

「可愛らしいお嬢ちゃん、おじさんと楽しく遊ぼうね?、デュフフ」

遠慮しときます

「デュブフ!、ブヒュ!」

お城にいたときの騎士の人達みたいな目が見ている、それ笑い声なの?

「どうしたのかな?、緊張して声が出ないのかな?」

気持ち悪くて声が出ません、避ける


スッ!


「肩に埃とかついてないのでその針を持った手で触らないでください」

音も無く背後から麻痺針を刺そうとした審判と言う名のメイドに言う

「...そうですか、失礼しました」

何事も無かったように中央へ移動し魔道具を起動する


薄い膜が広がり、ロックの魔法が掛かる


スカートからナイフを取り出し、こちらに向かって構え

「始め!」

と、審判が言う、何が始まるんですかね?

「デュフフ、殺さないでくださいよ、死体なんか楽しくないですからね?」

「承知しました、生きていればいいのですね?」

なんかとんでもない会話が目の前で行われている

「こんな衆目の中でこれから起こることを想像すると、興奮しちゃいますねぇぇぇぇ、デュュブブ!」

「お嬢様を辱めた罰を受けていただきます、存分に苦しんでください」

審判はどこいったの?


会場がざわつき始める、何が行われようとしているかなど一目瞭然

「なんだこれは、リンさん!」

「スラッシュ!」ガンッ!「くそっ!」

「なんだなんだ、二対一?、審判は?」


リンチ?

公開処刑?

公開陵辱?


先程死人が出たばかりの会場に、異様な空気が漂い始める

「こんなの試合じゃないだろ!、中止させろ!」

「ギルド員の方だれかいないんですか?」

「黙れ、これは正当な試合だ」

「貴族に逆らうとどういう目にあうか、見ておけ!」

「ふざけるな!、ここは冒険者ギルドだぞ!」

「リ、リンさんが犯される!、うぅぅぅ興奮する!」

まともな者、おかしくなった者、ただ黙ってみている者


今ここには治める者が誰もいない、まさに無法地帯


判り易い、無法、、違うか彼等は自分が法だと思っている

なんだかなあ


(えーと、クロ君ピンチです、助けて)

カモン、マイヒーロー!

(我、今忙しいので後でね)

OH、さっきの熱い思いは嘘だったの!

(酷い!、見捨てるの?)

忙しいって、そっちも修羅場なの?

(我、フリーザ邸を優雅に散歩中)

(ちょ、テレスさんは?)

(しらーん!)

(なにそれー?)



「デュフフ、そんなに怯えなくても大丈夫だよ、おじさんに全てを任せれば「うるさい、黙れ!」ヒゲブッ!」

ひのきのぼうでオークのそれに遠く及ばない物を下から上へと殴る


グシャリッ!

何かが盛大に潰れる音と共に、おじさんが天井の膜にぶつかる


「うぅ、なんか汚れた!」

音も無く近づくメイド、、、うざい!


ブゥン!、ベキッゴキッ!

汚れを飛ばすように、ひのきのぼうを横に薙ぎメイドを吹き飛ばす

防御した腕ごと色々な骨が折れつつ吹き飛ぶ


ドスンッ!

天井にぶつかり首が曲がらない方向へ曲がって落ちてくる、おじさま

ベゴッ!

血と一緒に骨も飛び出す、メイド審判


「うぅぅ、ひのきのぼうどうしよう、なんか汚い」

魔道具を解除し試合場を降りる


またまた、あんぐりと口を開けてこちらを見ているウィン君達


いやらしい目で見ていた人に声をかける

「司祭様呼んできたらどうですか?」

「ひっ!、あ、ぁぁ、」

這って逃げていく、なんだかなあ


「リンさん、凄いね!」

「槍術スキル持ってるの?」

「扱い方が薙刀のようでござったな!」

曖昧に笑い、、前を見る




彼らも気づく、


その異様な景色を


ああ、装備が増えているのか


火の首飾り、火の指輪


装備で足りないスキルを補うのか


笑いながらこちらを見る炎の姫


必死に水の魔法で防御している審判


そして、、

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:11

HP:170/170 MP:320/320

STR:115 VIT:130 DEX:135 MND:130 INT:320

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 隠密2、罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法3

        火魔法2、水魔法3、雷魔法2、土魔法2

        光魔法4、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10

   ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル


金貨:26225


使い魔:クロ

スキル:(武技)格闘術2

    (技) 隠密3

    (魔法)火魔法5、風魔法4、鉄魔法1

        光魔法3、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル

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