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ネコと私  作者: 昼行灯
魔法の一族編
66/143

065:ランクアップ試験4

「おい!」

振り向くと、たまに治療室で鉢合わせするベテラン冒険者が立っている


「あんたは、いつもリンさんにちょっかいを出す変質者!」

リンさんには同じ水魔法使いである僕が相応しい!

「お前が言うなよ、」

苦りきった顔で反論される


「取りあえず付いて来い、試験の敗者手続きがある」

そういえばこの人はギルドの手伝いもしているんだっけ

「わかりました、リンさんについて語り合いましょう!」

「...別にいいが、早く来い」

急いでいるみたいだ、そんなに語り合いたいのか、負けないぞ!



「お待ちください」

慎ましやかな女性の声に呼び止められる、誰かな?

背後を振り返ると、メイドがすぐ目の前に、、、


「クッ!」

気づかなかった!!!

反射的に剣で防いだが、浅く斬られた、、まずい


距離を取ろうとするが、離せない、クソッ!

両手に持った鈍く光るナイフで、近い間合いを維持し攻撃してくる

対人戦になれてやがる、クソッ!、まずいまずいまずい!


離れた場所で、水魔法使いが魔法の鞄に収納されている

あの一突きで殺したのか!!!


ゆらり、、と視界が霞む


まずい、、やはり毒が塗ってあったか、、クソ!


剣が重い、、致命傷だけは避けるが、、これ以上は、、


ゴッッッ!

凄まじい音と共に吹き飛ぶメイド!


「何をしているんですか?」

冷めた声だ、しかし、いつも馴染みの声がすぐ隣で響く

受付嬢のテレスが立っている、元冒険者と言うのは本当だったのか


クソッ!、いつもは邪魔ばかりしてくるくせに、、、惚れそうだぜ!

クソッ!、ゴミを見るような目で睨まれた、、、、、惚れそうだぜ!




「用は済みましたので、失礼します」

吹き飛んだメイドを魔法の鞄に回収し、華麗に礼をするメイド

回収って、あの手練のメイドをあの一撃で殺したのか、容赦が無いな!


「私の用は済んでいないのだけど?」

メイドも怖いがテレスも怖いな!、、、何考えてるんだ、、

あぁ、、、意識、、が、、



いつの間にか囲まれている、全てメイドだが中身は別物だ

隣で冒険者が倒れる、なにか貰ったのか、まったく


「貴女をお連れしてもよいのですが、お嬢様を辱めた罰を受けていただくため、今は何も致しません」

四方からいくつもの殺気が、倒れている冒険者に注がれている

動けばこいつを殺すと言うことだ、、メイドが闇に溶けていく

「致死性の毒です、急がないと死んでしまいますよ?」

追わせない為にこいつを殺さなかったと言うことか


「貴女には自分から進んでお嬢様の奴隷になっていただきます、、」


「よけいな事は考えないように、、」


「大事な人が死にますよ、、」


「いつでも殺せると言うことを、お忘れなく、、」


「せいぜいそばで守る事です、、」


「いつでも殺せるのですから、、」



気配が完全に消える、、、また、、わたしは、


だいじなものを、、なくしてしまうの?





治療室:

「すまない、助かった!」

ベテラン冒険者なのだから、もう少ししっかりして欲しいものだ

「ウィリアムの指示ですか?」

殺され連れ去られてしまったが、先の水魔法使いの保護が目的だろう

「ああ、狙われる奴らの見当はついているからな、俺達みたいな冒険者の何人かが特別依頼と言う形で対象の保護を頼まれている」

まさかいきなり殺しに来るとわな、と自嘲している


貴族街のギルド員は貴族縁の者が多すぎて使えないらしい

相手は魔法の一族だ、意外なところで繋がっている可能性もある


なので、今回は信頼の出来る冒険者を手駒として使っているらしい

本人は事を穏便に済ませるため王城へ行っている


このまま貴族のいいなりで冒険者ギルドがいいように利用され

しかも冒険者が物のように取引されたならばどうなるか


本来、冒険者の大半はまともな生活が出来ない荒くれ者達だ

ギルドと言う仲介のおかげでそれ以外の者達も冒険者となっているが

冒険者の本質は魔物を狩ると言う力、有り体に言えば暴力だ


貴族が財力や軍事力を内包する権力という力で物事を解決するように

魔物を狩る事を主目的として誕生した冒険者ギルドは力こそ全て

最終的に暴力という力で物事を解決する


今回の事案、このまま良い様に貴族の思い通りに事が終われば


事実を確認後、ギルド会議で審議され最悪の場合は、全面戦争

勝つのは当然冒険者ギルドだ、貴族街市民街のギルドで特別依頼が出る

火の一族と水の一族の討伐、彼等を魔物として処理するのだ

他の街や国のギルドでも同様に依頼が出される、逃げ場など無い

歩く暴力ギルバートなどは、依頼を出したその手で自分が受理するだろう

他のギルド長も似たようなものだ、誰がどれだけ殺せるか賭けを始める


それくらいの事を平然とやらなければ、独立機関として存在できない


当然その様な事を望まない火と水の貴族達は仲裁に走る

ウィリアムがしている事はそれだ、今回の企みに加担した者の特定

国王立会いで事を収める方法を話し合っている


国としても邪魔な貴族を処理でき、ギルドも内通者を特定し処理出来る

ウィリアムらしい、最高の結果が出る方法だ


犠牲者もなるべく出ないようにベテラン冒険者へ依頼し保護する

全て上手くいけば最高の策だが、既にひとり殺され連れ去られた


それに、ギルド会議で黙認と判断される場合も存在する

教会関係や軍事国家絡み、そして今回の魔法の一族も有り得るのだ




フレイアもフリーザも私なら殺せる!


また大事なものが目の前で奪われていくのを見ているだけならば

ギルドを離れただのひとりの人間として、奴等を殺してしまおうか

追ってくるものを殺して殺して殺して


もう会えなくなってしまうだろうけど、


いや、


そんな甘いわけが無い、あのメイド達は必ず弱点をついてくる


もう、今の時点で既に詰んでいるのだ


また、目の前で奪われるくらいなら、


いっそのこと、、


わたしの手で、、





「だいじょうぶですか?」

真っ直ぐな目で見つめてくる


何もかもを見透かすような澄んだ目で、リンちゃんが見つめている


私の淀んだ心を見透かすように、真っ直ぐに

「うん、大丈夫、ごめんね!」

手を握る、、、、、、絶対に守る!




(クロ君、聞いてください!)

(うむ、報告をするのだリン調査員!)

むむむ、クロも気づいていたらしい、どさくさに紛れて鑑定したのだ!

何か考え事に耽っていたので心配する振りをして鑑定したのだ!

(ヌシも悪よのお!)

(お代官様には敵いませぬ!)

ふぉふぉふぉ、ほっほっほ、とバカをしてたらテレスさんに心配された



驚いたのが、ユニークスキル

魔闘技

再生

状態異常耐性


詳細に鑑定は出来なかったけど、見当はつく

魔闘技は格闘術の上位スキルかござる君の刀術みたいな特化スキル

再生もHP回復の上位か下手したら無敵スキルだ

状態異常耐性は見たまんまだと思うけど、状態異常が無効なのかも


(ラスボス並み!、魔闘技欲しいのだ!)

(テレスさんも召喚者なのかな?)

こっちの世界の人で固有スキル3個とか初めてみた

(言語翻訳あったのか?)

(あ、なかった、じゃあ凄い才能の持ち主か死ぬほど鍛錬したとかかあ)

何でこんな才能あるのに、ただのギルド員してるんだろ?


(ミステリアスだな!)てしてし!

テレスさんをてしてし叩いてる

「なあに、クロちゃん?」

「にゃおーん!」

「かっこいいね!」



会場内へと戻る、、



「あ、リンさん」

ヒロインのウィン君だ!、初戦の3回目が出番だったはずだけど

「あれ、もう試合終わったんですか?」

「えー、見ていてくれなかったの?」

もー、ぷんぷんだよって顔をしている

「みてましたよ?」

平気で嘘をついてみる

「じゃあ、どんな内容だった?」

そんな嘘通用しませんからね、プクーって顔してる!

「風の刃で圧勝?」

「見てなかったじゃんー、僕不戦勝だよ!」

おー、良かったね?


「それに、さっきから失礼な事考えながら返事してたよね?」

考えてませんよ?

「僕は男だからね!」

(僕は男の娘だからね、証拠見せようか?)

クロ君の言語翻訳スキルが発動した!

「シモネタ?」

「なんでそうなるんだよー!」


「そういえば、逃げたら酷い目にあうんじゃなかったっけ?」

不戦勝って、相手の人大丈夫かね?

「二刀流の短剣使いだったみたいだけど、戦闘できない事態になったとか言ってたよ」

「ふーん、何があったんだろうね」

「不思議だね」

「あいつか」

「ん?」

「何でもない」

何か知ってたみたいだけどクロとじゃれあいを再開するテレスさん


クロは、格闘術があがった!

クロは、隠密があがった!


(え、なにそれずるい!)

(ふふん!)


次は初戦最終戦の4回目、サンド君が登場する、あと寒い名前の人も

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:11

HP:170/170 MP:320/320

STR:115 VIT:130 DEX:135 MND:130 INT:320

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 隠密2、罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法3

        火魔法2、水魔法3、雷魔法2、土魔法2

        光魔法4、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10

   ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル


金貨:26225


使い魔:クロ

スキル:(武技)格闘術2(1up)

    (技) 隠密3(1up)

    (魔法)火魔法5、風魔法4、鉄魔法1

        光魔法3、闇魔法2

    (自動)HP回復、クリティカル

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