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ネコと私  作者: 昼行灯
冒険者編
54/143

053:倦怠

ラーファ神殿:

「これを蘇生するのですか?」

生命の女神ラーファを祭る礼拝堂、蘇生依頼として持ち込まれた物

その小さな包みをあけると、そこにあるものは人の破片だった

誰か高名な方なのだろうか、蘇生したいのはわかるが重要な部分が無い


光魔法4の蘇生呪文、その名のとおり死人を蘇生する奇跡だ

亡くなった者を復活させようという正に奇跡である以上成功率も低い

関係するものとして代表的なものは以下になるだろうか

1.術者の力量

2.儀式を行う場所

3.死後の経過時間

4.死体の状態


1.2.は問題ない、生命の女神ラーファを祭る神殿で司祭が行うのだ

命の危険のある迷宮内で冒険者が行う蘇生とは成功率が倍は違う

3.の経過時間、迷宮内で冒険者が蘇生を行う理由のひとつだ

死後すぐの蘇生は成功率が高い、時間がたつごとに確率が下がる

今回のものはそれほど時間がたってないように見える

4.人を構成する上で重要な部分、頭と胴、もっといえば脳と心臓

目の前に置かれたものにはそれがない


成功する可能性がほとんど無い事を伝える

これでもかまわないとのことで、儀式を行う事となった

どうやら失敗時の死体のロストの方が本来の目的らしい


ささやき、、いのり、、女神ラーファよ!、光が礼拝堂を包む、、


その日、ある者達のスキルが消失した






次元の迷宮:

「・・・・」

目の前の死体が迷宮に吸収されるのをただただ見ている


気分が悪い、、、


隠密で鷹山達の後をつけていただけだったのに


正直、既に鷹山達には何の興味も無かった、なんというかいまさらだ

遊び半分で何度も殺されかけたという事への恨みが無いわけではない

逆に今なら遊び半分で半殺しという事も出来る


スキル強奪で全てのスキルが殺さずに取れるならやってもいいが

殺さないと強奪できない以上、既に意味がない



日井を殺した時はあいつらも殺すつもりだったんだけどな

なんだかなあ、やっぱ今殺したらこんな気分になるのかな



セイを殺し食い始めたこの女、狂人だったのだろうか

殺すときは幸せそうな悲しそうな目をしていたのに

ぶつぶつと独り言を呟きだしたあたりからおかしかった

認識してはいなかったと思うが、目が合った途端体が反応してしまった


死体をアイテムボックスにしまったと同時に鷹山が現れ

その後は滅茶苦茶だった、拘束される鷹山、回収されるセイの死体

あいつ等は何者だったのか、現れるまで存在自体気づかなかった

鷹山達が狙いだったのか、この女が狙いだったのか


どうでもいいか、、、



もし、この女を迷宮に吸収させずにアイテムボックスに入れたまま

光魔法のレベルが上がり蘇生が使えるようになり蘇生すれば

今の気分にはならないのだろうか、、


そんな選択肢は、無いか

どう見ても狂人、しかもセイを殺した手段がわからなかった

何かの能力を使ったようだが、魔法でもない未知の技

蘇生したとたん俺が殺される可能性が高い


まったく、、


気分が悪い、、、




迷宮から出る、今日は何もする気が起きない

近くで冒険者PTが食事の準備をしている、貴族か豪勢な食事だな



隠密を発動したまま、街へ向かって歩き出す


ああ、今日はもう何も考えずに寝たい




楠木に会いたいな、、、、



「ん?」

呼ばれたような気が、、、した

「どうしたのだ?」

「んー、なんでもない」

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