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ネコと私  作者: 昼行灯
ローラン城編
5/143

004:嵐の前の

クスノキ リンが消せない、、

他の邪魔になりそうな女達は欲しがった貴族どもに与えたのに

「どうなっているの?」

「は、食事には薬を混ぜているのですが効く様子がありません」

もしかして、私達に伝えてない回復系スキルを持っているというの?

たまたま勇者達に付いて来てしまったゴミの癖に、嘘までつくなんてこれだから下賤の者は

「鑑定士はまだこないの?」

「はい、依頼はしているのですがいっこうに、、、」

いっそ騎士達に襲わせてしまうか、、、だけど、やるとしてもタカヤマが探索に出たときか

「イレーヌ様、、」

「なに?」

「最近エリック様がクスノキ リンを気に入ったらしく、、」

エリック、、やさしいだけの弟、このままだと第一王子のあいつが王位を継ぐ

今回の遠征も勝利を収めて戻ってきた、折角情報を流してあげたのに負けるなんて役立たずどもめ

いっそ2人には駆け落ちでもして貰おうかしら?、あら、いい考えかも



「リン、ひまだ、戦闘がしたい」

クロがベッドの上をゴロゴロ転げまわっている、私もレベル上げたいな

「あれ?、そういえばクロってレベル無いよね、経験値とかどうなるの?」

クロのステータスは私と同じだ、私のレベルが上がればクロのステータスも上がる

「我が稼いだ経験値はリンに入るぞ、だからリンは戦闘しなくていいぞ?」

え、なにクロ君は私を守ってくれるの?、可愛いやつめ撫でてあげよう


しばらくクロとじゃれ合う、、癒されてしまった


さて、私はどうなんだろう、、

糸を垂らし操る、クロの前足に巻きつける

「む?」

前の私だとここから絞めるか切るしか出来ない、ここまでは問題ないかな

じゃあ次は、魔力を通す、どの程度操れるかな?

クロの前足が上がり、そのままクロごと宙に浮く

「むむむ?」

糸を解く、クロが落ちる、が華麗に着地する

次は2本、だめだ魔力無しだとやはりまだ操れない、むーん

魔力を通す、うーむ普通に動かせる、なんかへこむな

じゃあ何か切ってみようか、水魔法で宙に水の玉を作る、斬る!

糸に魔力を通した途端、水の玉が地に落ちる、ありゃ

同時に2種類の魔力操作は出来ないのかな?、いや、練習すればできるようになるかな


「リン、今のは?」

じっと見てたクロが聞いてくる、興味津々だ

「ん、まあ私の武器かな」

「スキルなのか?」

「いや、違うよ私が使える技だよ、それにこんなのスキルとしてないんじゃないかな」

「いいな!、我も使いたいぞ!」

「クロは身体的に無理だよ、爪を使ったかっこいい技考えた方がいいんじゃない?」

「うむ、爪か」

クロが爪を出す、おお結構長いね、だけど

「もうちょっと長く出せないの?」

「むむむ!」

あ、ちょっと伸びた、強度はどうなんだろう

「じゃあ、コンコン」

っと、誰か来た


「リン、いるかい?」

この声は王子様、また来たのかあ、なんか毎日来るよね?

「はい」

扉を開ける、あ、朝食付きだ、少し嬉しい

エリックと共に彼付きのコック達も入ってくる、王族の食事とか期待しちゃうね!


カリカリに焼かれたパンと数種類のジャムとマーガリン、チョコまである、重いぞ

これまたカリカリのベーコンとソーセージ、キノコのサラダにフルーツ盛り合わせ

さすが王族食べきれる量とか関係ないんだね、全部アイテムボックスにしまいたいぞ

(リン!、肉をくれ!)

クロが私の体を伝いテーブルに登って来てカリカリベーコンをガン見している

(はいはい)

小皿にとりわけクロの前に置く、かりかりかりかり

(カリカリして美味いぞ!)

かりかりに夢中だ、王子はそんなクロに夢中だ、撫でようと手を伸ばしてる、ばかめ!

「シャー!」

食べてる動物に触ろうなどと愚かなことを、、、


私は、パンにジャムを多めにぬり紅茶に少しつけて食べる、お下品ですかね?

でも美味しいのですよ、ジャムと紅茶のハーモニーみたいな?


食事に混ぜられている薬のことは王子も知っているらしい

わざわざ普通に出される食事のほかに薬の入っていない食事を持ってきてくれる

いっそ聞いてしまおうかとも思ったが、面倒になりそうなのでやめた


(リン!、次はその肉詰めだ!)

(ソーセージね)

クロでも食べられそうな大きさのものを取ってあげる

クロが、目一杯口をあけてかぶりつく、パリッ!

(!、肉汁が飛び出してくる、おおおおでりしゃす)

肉汁にまみれながらぱくついている、ネコめ!

「クロ、口の周りが油まみれだぞ、ほらこれで拭こうな?」

だから王子、食事中の野獣に構うと

「キシャァァ!」


食後のティータイム中、クロなんかぎとぎとしてるからこっち来ないでね

「リン、しばらくしたら僕はまた遠征に出ると思う」

どうぞどうぞ

「一緒に来てくれないか?」

どうぞどうぞ、え?




騎士団訓練場

「くそっ!、今日も王子が凛の部屋に行っただと?」

「うん、毎日通っているらしいよ鷹山君」

「他の女子も噂してるよ、楠木さんが誘惑したって」

「ふざけんな!、凛が誘惑なんかするわけないだろうが!」

鷹山が、誘惑したといったやつを殴る、ほんと気の多いやつだな

自分専用のメイドとお姫様がいるのにまだ楠木を諦めてないんだな

本人がいないところだと凛とか名前呼びしてるし、ダサいな

「くそ、藤原ぁ、訓練するぞ!、死ぬなよな!」

火魔法:火の矢が飛んでくる、くそっ!

「避けてんじゃねーよ!」

何とか避けた先に鷹山が刃を潰した剣を振りかぶって立っている

くそっくそっ!、避けれない、両腕で受ける、グチッ!、腕が折れる

何かが砕ける感覚だけが伝わってくる、次に熱、そして激痛

「ぐぅ!」

声が漏れる、くそっ!

「ほら、次だ、火の矢!」

クソが!、火の矢に突っ込む、痛い熱い臭いクソクソ!

「ああああ!」

焼かれながら鷹山に噛み付く、折れてる腕を振り回しぶつける

「汚ねえ口で噛んでるんじゃねーよ!」

髪をつかみ引き剥がされ、顔を蹴られる、鼻が潰れる、意識が、、


「くそっ、ゴミの癖に歯向かってんじゃねえよ!」

腹を蹴る、蹴る、蹴る、蹴る、ぐったりしてんじゃねえ!、蹴る

「タカヤマ様、おやめください!」

止められる、じゃますんじゃねーよ!

「はやく、フジワラ様に回復を!」

なに治してんだよ、くそが!、殺そうとしてんだよ、とめんなよ!


くそ!殺してやる!

あいつを殺して犯してやる!くそ!

くそくそくそ!犯して殺してやる!くそくそ!



「大丈夫なの?」

狂人にしか見えないタカヤマを見ながらイレーヌが聞く

「はっ、順調です、今の状態ならば殺人も躊躇なくおこなえます」

異人は殺人への禁忌が強い、何の処置もなく戦争に投入するとよく壊れる

「あれじゃ、既に壊れてるみたいなものじゃないの?」

回復したフジワラをまた殺そうとしている

「最悪あの状態でしたら、隷属の呪法で縛ることも可能です」

そうね、使えそうなのはタカヤマだけじゃないし、まあいいわ


「そういえば、さっき言ってたことは本当なの?、エリックが毎日通っているって」

「はい、クスノキ リンの食事もエリック様が面倒をみているようです」

食事は別にいいわ、どうせ効かないのだし

「気に入っているとは聞いていたけど、もしかして本気なのかしら、、」

「あの、」

「ん?」

「どうもクスノキ リンの召喚した使い魔に夢中なのではとの話も出ています」

使い魔?

「そういえば彼女は召喚魔法を持っていたわね」

「希少種のネコという獣を召喚したようです」

ネコ、書物で見たことはあるけど実物は見たことないわね


「見てみたいわ」




なんか油っぽいクロをお湯に沈める

「やめろリン!ぶくぶくぶく」

口周りと前足を念入りにごしごしする、油が浮いてくる、石鹸とかないのかな?

「なんかもう面倒くさくなってきたな」

王子様にプロポーズっぽいこといわれるし、まあ違うんだろうけど

「爆破するか!」

「火魔法1で、どうやって爆破するのさ?」

「我に不可能はないのだ!」

「はいはい、お湯交換するよ」

「むーん」

「ところで宝物庫ってどこにあるのさ?」

「?」

「クロの秘めたる力を取ってきたとこだよ」

「ああ、我への供物を収めてある部屋か、最近警備が厳重だぞ?」

うん、君のせいだよね?

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:1

HP:20/20 MP:100/100

STR:5 VIT:5 DEX:5 MND:5 INT:100

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (魔法)召喚魔法(式神)、水魔法1、光魔法1


装備:学生服

お金:0


使い魔:クロ

スキル:火魔法1、風魔法1

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